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雑誌広告2.0【読書メモ】

Web以外のプロモーションについても学びたかったのでそれっぽい本を探した。巻末の付録が充実していたのと、事例が具体的だったので本書を購入。事例が充実していただけでなく、雑誌のメディア特性についてもしっかりと紹介されていたので、雑誌という媒体を網羅的に理解するのには、とても役に立つ本だと思います。

宣伝会議のサイトでも紹介されてますので、本書の内容はこちらでも確認できます。詳しく載ってます。

雑誌というメディアの特徴

雑誌というメディアの特徴を簡単にまとめると

・特定の趣味嗜好を持った集まり(コミュニティ)への訴求力が強い
・読者のエンゲージメント力が強い
・広告主への信頼度がWebよりは高い
・誌面における写真やレイアウトの美しさ
・紙の手触りなど五感を刺激しやすい

雑誌はセルフペイドメディア(自分でお金を払ってでも情報を得たいと思わせる媒体)なので読者のエンゲージメント力は高い
各雑誌の特徴が明確になっているため雑誌の人格(イメージの統一性)が出せることもエンゲージメント力を高めている要因の一つになっている。

読者の多くは雑誌に対して憧れや愛着を持つ。読者にとって信頼できる友人のような存在になっている。

エンゲージメント力が高いので読者への訴求力が高く次のアクションを起こさせやすい。

広告主の視点で見ると、雑誌のターゲットユーザーが明確。どこに配信されるかわからない可能性があるインターネット広告に比べると信頼度の高い広告媒体になっている。

雑誌の媒体としての課題・弱点

雑誌メディアの課題や弱点を簡単にまとめると

・紙やインクを使うのでエコじゃない
・サイズが異なるため広告素材を複数用意する必要がある
・複数の雑誌で横断的に総合コミュニケーションがとりにくい
・広告効果がほかのメディアに比べるとわかりにくい
・共通した評価指標がないため雑誌選定(媒体選定)が難しい
・Webに比べてサイクルが長い(PDCA回しにくい)

PDCAが回しにくく広告効果がWebに比べてわかりにくいこと。サイズなどフォーマットが各誌で統一されていないため広告素材を各雑誌ごとに用意する手間がある。

広告主からすると媒体選びをするためには、幅広い知識をもっていないとプランニングがしにくい。気軽に試しにくい。

広告媒体としての扱うには難易度が高いため安定的に費用対効果を出せるか不安が多い。ハイリスクハイリターンな媒体になっている。そのため、雑誌を活用したマーケティング施策を実施できる企業は限られてくる。ハイリスクにチャレンジしにくい中小企業がプロモーションに活用するのは難しいと感じました。

雑誌の価値の変遷

10年ほど前は

・情報が雑誌に載る信頼性・希少性「メディアブランド価値
・編集力、キャスティング力を生かした「コンテンツ価値

が雑誌の主な価値でした。どちらもWebメディアが増えてきたことにより今は価値が下がってきてしまっています。

今の雑誌の価値は雑誌をわざわざ購入してくれるユーザー自体が価値になってきている。雑誌の持つ「サロン感」「コミュニティ感」みたいなものが価値になってきている。

ただこの価値も徐々にWebに置き換わっていくのかなと思います。おそらくnoteユーザーはそこらへんは体感できている気がします。雑誌を経由しなくてもコアな人を集めてコミュニティを形成することは簡単になってきている。SNSでつながることも多くなってきた。

雑誌としての価値は、もうモノとしての存在価値しかないんじゃないかなと思います。コレクションとしてレコードを集めるようにコレクションとして雑誌を買うくらいしか価値を出せなくなっていく気がします。

付録を充実化させないと雑誌が売れないのはその兆しのように思えます。雑誌の情報(内容)のコンテンツ力がなくなってきた分を付録(モノ)で補填しているのかもしれない。

雑誌を作る能力は超重要

雑誌自体の本来の価値は減っていきますが、雑誌を作ってきた人たちの価値は下がらないはず。インサイトを見つけしてストーリーを構成していく能力(編集力)はコンテンツマーケティングではとても重要な能力。雑誌のコピーもかなり訴求力がある。雑誌で培ってきた能力・スキルは別の場所で生かされていくのではないかなと思ってます。

今、Webのコンテンツをつくる立場なので雑誌を作る編集力から学ぶことは多々あると感じました。本書は事例が具体的に掲載されているので、なにかアイデアが浮かばないとか悩んだときに参考に改めて読もうかなと思います。

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