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短編小説『未来の自分』②未確認飛行物体の正体


 野上先輩の家は、図書館から少し離れた小さな港町にあるらしく、僕らはバスに乗ってそこまで向かった。
先輩が窓際の席で、僕がその隣だ。

 10分ほどバスに乗っていると、窓の先に青い海が広がるようになった。
波の流れは穏やかで、遠くの方で巨大な貨物船が航行している。

 僕は流れ行く窓の外の景色を時々眺めながら、ある一つの可能性について思案していた。

 先輩の家の裏山に下降していった白い球体が、まだその中に留まっている保証はどこにもない。
つまり、辺りを探したところで何も見つからないかもしれないという可能性だ。

 先輩がそれを見たのが午前4時で、現在は午前10時18分だから、それから6時間以上が経過していることになる。

 もしかすると、遭遇できる望みは薄いかもしれない。

 しかし、こうして野上先輩の好奇に満ちた横顔を見ていると、そういった懸案事項をわざわざ口に出す気にはならない。

 とにかく、まずは実際に現地で探してみることだ。
頭の中であれこれ考えたって、確たる答えは浮かび上がらない。


 やがて目的の港町が見えてきた。
カーブになった道に沿って古い住宅が建ち並び、その背後では小さな山が連なっている。

 防波堤には何隻かの漁船が停泊し、何人かの釣り人がいた。
夏らしい青空に負けないくらい、海はどこまでも青く、綺麗だった。

 バスはまもなく停留所の前で停車した。
僕と先輩は席を立ち上がり、それぞれ運賃を支払った。

 バスに乗っている間に、先輩は僕に乗車代金を渡してくれていた。
何度か断ったのだが、先輩がどうしてもと言うので、結局は礼を言って僕はそれを受け取った。


 バスから降りると、すぐに閉口するような暑さと反響する蝉の鳴き声が、僕らを迎え入れた。

 その一方で、停留所の先に広がる海は涼しげな印象だった。
泳いだらきっと気持ちいいだろうな、と僕はふと思ったりした。

「鈴江君、渡るよ」
「あっ、はい」
僕らは片道一車線の道路を横断し、小さな町の方へと渡った。

 町には何本かの小路が山の方に向かって伸びており、その両側に住宅が続いていた。
僕らはその中の一本の小路に入り、奥の方へと歩いていった。

 歩くたびに、正面に構える小さな山々に近づいていく。
これから先輩の見た白い球体の正体が分かるかもしれないと思うと、僕の鼓動は必然的に早まっていった。

「先輩の家は、一番奥ににあるんですよね」
「そう。といっても小さな町だから、すぐに着くけどね」
その言葉の通り、歩いて1、2分ほどで野上先輩の自宅の前に僕らは到着した。

 先輩の家は、歴史を感じさせる大きな二階建ての木造建築だった。
古めかしく、どこか威厳のあるような雰囲気だ。

「喉渇いてない? 麦茶でも飲んでく?」
「いいんですか」
「当然じゃない。この季節に水分補給は必須。これ常識だよ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて」

 すぐにでも裏山に向かって調査に取り掛かりたいところだが、既に相当の時間が経過している。
今更5分、10分遅れて行ったところで、特に大きな差異はないだろう。
それに、僕は結構喉が渇いていた。


「さ、どうぞ上がって」
「おじゃまします、、、」

 先輩の家に足を踏み入れると、中は薄暗く、何かしらの生活音は聞こえなかった。
「この時間は、誰もいないの。両親は共働きだし、弟は部活で、おじいちゃんとおばあちゃんは昨日から旅行に行ってるから」
「そうなんですね」

 先輩の家で、しかも先輩と二人きりか。
どうしても少し緊張してしまう。
というか、こんな状況に自分が置かれていること自体が、今でも少し信じられないくらいだ。

 先輩は僕を広々とした客間に通してくれた。
床には畳が敷かれ、部屋の一角には高価そうな壺や掛け軸が飾られている。
「そこに座ってて。すぐ持ってくるから」
「はい」

 部屋の中央に大きな四角いテーブルが配置されており、僕はその前に腰掛けた。
開け放たれた障子の先から、風鈴の音色が微かに響いている。

 すぐに先輩は二つのグラスに入った麦茶を、盆に載せて持ってきてくれた。
「ありがとうございます」と僕は言って、その一つを受け取った。

 グラスの中には氷が入っており、冷たい麦茶はとても美味しかった。

 僕はよっぽど喉が渇いていたのだろう。気づくとそれを一気に飲み干していた。
見ると、既に先輩も僕と同様にグラスの中身を氷だけにしていた。

「ねえ、鈴江君」
「なんですか」
「君、本当はUFOなんていないって思ってるんじゃないの?」
「えっ、どうしてそう思うんです」と僕は驚いて言った。
びっくりした。一体どうして先輩は急にそんなことを言い出すんだ。

「なぁんか君のこと見てると、そんな風に感じるのよねぇ」と先輩は僕を怪しげなものを見るような目つきで言った。「あくまでも私が見たのはUFOじゃなくて、UFOのように見えた何かしらの物体か、あるいはただの錯覚、みたいな」
「いや、誤解ですよ、それは」と僕は慌てて言った。「僕もそれがUFOであると期待してますから」
「本当に?」と先輩は僕の顔を覗き込むようにして言った。
「本当です」

 嘘だった。
正直な話、僕は先輩が見た謎の飛行物体が、UFOであるとは考えていなかった。

 論理的に考えれば、事前に観測されずに突如姿を現すという桁外れなくらい高度な科学技術を持った宇宙人が、わざわざ地球なんかに足を運ぶものだろうか?
ましてや、こんな小さな海辺の町に。

 きっと彼らの文明は人類とは比較にならないほど発達しているだろうし、だからこそそんな存在が遥か遠くの惑星にやってくるなんて、僕には到底信じられなかったのだ。
元より僕は、UFOに対しては懐疑論者だった。

 じゃあ、先輩が見た例の白い球体は一体何なのか?
それはまだ分からない。

 でも、僕は突飛な問題に対しても論理的に解答を導き出していくという方法を、普段から好んでいる。

 UFOでも幽霊でも都市伝説でも、そういった現実から飛躍したような事象を、僕はそのまま鵜呑みにしたくはないのだ。
そこに通常ならば気づけない死角があるんじゃないか、と僕は常に物事に対して何かしらの疑いを持つことを心掛けている。

 そして野上先輩はそんな僕の考え方を見抜いていた。
普段から部活動でなんとなく知ってはいたものの、先輩がそこまで鋭い洞察力を持っているなんて、思いもしなかった。

 だけど、僕は表面的にはUFOを信じているという立場を貫き通すつもりだ。

 だって、「やっぱり信じてません」なんて今更言ったら、おそらく先輩は僕のことを軽蔑するだろうし、先ほど結成したばかりの『UFO臨時調査チーム』も解散に追い込まれるだろう。

 僕はチャンスを手放したくないのだ。
先輩と行動を共にするという、偶然舞い込んできたこのチャンスを。

「じゃあさ、賭けをしない?」と不意に先輩が言った。
「賭け?」
「うん。もし私が見た飛行物体がUFOだって分かったら、鈴江君にはお昼を奢ってもらいます」
「えっ」
「そして、逆にそれがUFOじゃなくて全く別の物だったとしたら、もしくはどこにもそれらしい物を見つけることができなかったら、その時は私が奢ったげる」

 どっちに転んでも、僕には願ったり叶ったりじゃないか。
先輩と昼食を共にできる。まさか、そんな展開になるなんて。

 だけど僕はその舞い上がる気持ちを決して表には出さず、「いいですよ」と冷静さを装って言った。
「約束だからね。後で、『実は今、金欠なんです』だなんて通用しないわよ」と先輩は悪戯っぽく言った。
「ええ、勿論約束は守ります」

 条件としては先輩の方が圧倒的に不利な気がするけれど、UFOは必ずいると確信しているからこその提案なのだろうか。

「よしっ、水分補給も済んだし、交渉も成立したことだし、そろそろ行きますか」と先輩は微笑んで言った。
「ですね」僕も先輩の笑顔につられて、自然と笑っていた。

 野上先輩の家を出た僕らは、そのまま家の裏手へと回り込んだ。

 裏手にある小路は幅が1メートルくらいなので、先輩が前を歩き、僕がその後ろをついていく形だ。

「あの白い球体が落ちたのは、そんなに奥の方じゃなかった」と先輩が言った。「だから上手くいけば、すぐに見つかるはず」
「助かります」
「鈴江君、山登るの初めてでしょ?」
「そんなことないですよ」

 すぐ左手には、高さ2メートルほどの擁壁が迫っている。
その壁に沿った少し先に、山に登るためのコンクリートの階段があった。

 僕と先輩はその階段を登り、蝉の鳴き声が響き渡る小さな裏山へと入った。
辺りは一気に薄暗くなった。
行く手を阻む枝を潜ったり掻き分けたりしながら、僕らは緩やかな斜面を登り続けた。

 地面に落ちた枝や雑草を踏みしめながら、先輩が見た未確認飛行物体が下降したと思われる地点を目指して歩く。

 舗装されていない山道、それも登り坂を歩くわけだから、体力はすぐに消耗していった。
さっき水分補給をしたばかりだというのに、僕はもう喉が渇いていたし、次々と汗が零れ落ちていった。

 頭上が木々に覆われているため、辺りは陰になっているけれど、暑いことには変わりない。
それに、四方八方から聞こえる蝉の鳴き声がやたらと煩かった。

「大丈夫?」僕の前を歩く先輩が心配して呼びかけてくれた。
「はい、何とか」
「危なそうだったら言ってね」
「いえ、本当に大丈夫です。このまま進みましょう」
「そう? 分かった」

 10分以上は歩き続けただろうか。
傾斜のない、開けた平地にたどり着いた時だった。
そこは、小さな広場のような土地になっていた。

「あっ!」先輩が驚いて声を上げていた。
僕も声に出さずとも、その光景に驚かざるを得なかった。

 白い球体だ。
直線距離にして7、8メートルほど先に、先輩が見たというあの白い球体がそこには佇んでいた。

 僕は信じられない思いで、一瞬思考が追いつかなった。
まさか、本当にあるなんて。

 先輩は僕の方を振り向いて言った。「ほら、これだよ、、、。私が見たのは」
僕は何も言わずに、ただ黙って頷いた。

 僕らは恐る恐るといった感じで、その球体に近づいていった。
見上げる白い無機質な球体の高さは、およそ2.5メートルほどだった。
近づいても動作音のようなものは確認できず、何者かの気配も感じなかった。

 球体の下腹部からは長さ1メートルほどの着陸装置だと思われる4本の白い脚が伸びており、その先端にそれぞれパッドのような物が取り付けられ、地面と平行に設置されていた。
脚の1本には白い梯子が敷設されていた。

 球体にはハッチのような円形の扉が嵌め込まれており、その中央には黒い窓のような物があった。
覗いてみたが、中の様子は分からなかった。

 もしこれが飛行物体だとしたら、一体どういう原理で飛ぶんだろう。
しかし、先輩はこれがゆっくりと下降していく瞬間を見たのだ。
この機体は飛行物体であると、もはや推定しても差し支えないだろう。

「ねえ、これUFO、、、だよね?」と先輩が言った。
「その可能性は高いですよね、、、」と僕は言った。「こんな乗り物、見たことありませんし」
「凄いよ、私達、、、本当にUFO見つけちゃった」

 しかし、本当にこれはUFOなのか?
実際のところ、僕は今まで目にしたことのないようなこんな物体を見ても、未だに半信半疑だった。

 何か妙な違和感が、僕の心を捕らえて離さないのだ。
まるでこの機体は、人間が乗るために作られたような、どこかそんな気がしてならない。

 僕は試しに、円形の扉に据え付けられたレバーのような物を引いてみた。
扉はびくともしなかった。駄目だ。やはり開かないか。

 僕が機体の周囲をじっくり観察しながら歩いていると、「カシャ、カシャ」というシャッター音が聞こえた。

 見ると、先輩がスマートフォンでこの謎の飛行物体を撮影していた。
「ほら、鈴江君も一緒に撮ったげる」
「いえいえ、僕は結構です」と僕は慌てて手を振った。
「あれ? 写真苦手だった?」
「そういうわけじゃないんですが、、、」と僕は言った。「先輩、その写真、一応SNSとかには流さない方がいいと思います」
「え、どうして?」
「これがもし、どこかで秘密裏に製造された軍事兵器なんかだと仮定しますよね? するとその情報を公に流してしまったとかで、危険な連中に拉致されてしまう、、、とかそういったケースも絶対に無いとは言い切れませんから」
「ちょっと待って。その言い方だと、君はこれはUFOじゃなくて、人間の手によって作られた物だと言ってるの?」
「いえ、決してそういうわけじゃありません」と僕はかぶりを振った。「ただ僕はあらゆる方向から、、、」

 そう言いかけた時、白い機体の表面に、僕はある物を見つけて目を見張った。

「どうしたの?」と野上先輩が不思議そうに僕を見た。
「先輩、ちょっとこっち来てみてください」
「何、何」と先輩は言って、僕のところまで駆け寄ってきた。
「これです」と僕は指差して言った。
「これって、、、」

 それは、『パルソニック』のロゴマークだった。
白い機体の下の部分に、青い文字で『Palsonic』という企業名が小さく刻印されている。

「パルソニックって、、、あの大手電機メーカーだよね」
「ええ、このロゴは間違いありません」と僕は言った。「ただ、パルソニックがこんなわけの分からない機体を製造してるなんて話、聞いたこともない」
「じゃあ、これはUFOじゃなくて、人間が製造した物ってこと、、、?」
「そう考えざるを得ないと思います」と僕は頷いた。「未発表の試作品とか、、、? でも、なんでこんなところに、、、」


 先輩はこの機体がUFOではなかったという事実に、一時は落胆したようだが、これがどういう用途で何を目的に製造されたのかという別の興味が湧いてきたようだった。

 僕と先輩は暫く、このパルソニック社製の謎の飛行物体についてあれこれと考察を巡らせていた。
「これ、どこかで見覚えがあるなって思ったんですけど、、、」
「うん」
「アポロ月着陸船に、形状が少し似てるんですよね」
「アポロ、、、月着陸船?」
「はい。人間が月面に着陸するために、アメリカのNASAが採用した宇宙船なんですけど、この機体もその一種なのかなって」
「宇宙船か、、、」と先輩は言った。「確かに。本来は私、これをUFOだと思ってたくらいだから、宇宙船なんじゃないかって線は違和感ないかも」

 その時だった。
僕らのすぐ後方から、枝を踏みしめる足音が聞こえてきた。
「やだ、誰か来る」と先輩が怯えるように呟いた。

 それが誰なのか、僕には瞬時に理解できた。
おそらく、この機体の操縦者だ。

 僕らがどこかに隠れる暇もないまま、その人間は緩やかな傾斜を登って、僕らのいる平地まで歩いてきた。

 それは、20代後半から30代前半くらいの黒髪のショートカットの女性だった。
チェック柄の半袖のシャツを着て、青いジーンズを穿いている。

 背は高く、顔立ちはなかなかの美人ではあるが、僕らを警戒するような目つきでじっと見つめていた。

 そして、女性は右手に拳銃を持っていた。あれは、グロックだろうか。
僕らと彼女との距離は、およそ7メートルといったところか。

 そして彼女は銃口を僕らに向けながら、ゆっくりとこちらに近づいてきた。

 隣の野上先輩は今にも泣きそうな表情で震えているし、僕も自分が今直面している状況が上手く理解できずに、完全に思考が停止していた。

「あなた達、こんなところで何してるの?」と女性はゆっくりと言った。
「あの、この機体が山の中に下降していくのを見たので、それで調査に、、、」と僕は言った。
僕は恐怖心を押し隠して、冷静さを装ったつもりだった。
「そう」と女性は溜め息をついて言った。「見られてたのね、あんな時間に」

「私達を、どうするつもりなんですか? どこかに拉致するとか? それとも、それで撃つんですか?」と先輩は震えた声で言った。
「あなた達を撃つ? とんでもない、どうもしないわ」と女性は言って、拳銃を腰の後ろに仕舞った。
おそらく、腰にホルスターがあるのだろう。

「ただ、あなた達には今すぐここから離れてもらって、この機体のことについては誰も、、、」と女性は言いかけた。「待って。もしかしてあなた、鈴江稔?」

 それは、僕のフルネームだった。
僕は驚いた。どうして正体不明のこの飛行物体の操縦者で、非合法の拳銃の所持者なんかが、僕の名前を知ってるんだ? 

「ええと、なんで僕の名前を、、、?」と僕は完全に戸惑っていた。
「嘘、こんな偶然ってあるんだ。まさか、あなたの方から来るなんて」と女性は言った。「私は、あなたを探してここまでやってきたのよ」

 女性はさらに僕の方に近づいてきて、間近で僕の顔をまじまじと見つめた。
彼女の瞳は、微かに潤んでいるようだった。

「どういうことですか」と先輩が訊いた。「どうして鈴江君を?」
「驚かないで聞いてね」と女性は前置きした。「私は、今から34年後の未来からやって来たの。未来人ってやつね」

「「未来人!?」」僕と先輩は、同時に声を上げて言った。
「34年後の未来、、、? 冗談ですよね?」と先輩が苦笑いで言った。
「冗談なんかじゃないわ」と女性は真面目な表情で言った。

 彼女の突然の発言は、確かに僕にも到底信じ難いものだった。
だが、僕は訊かずにはいられなかった。「では、するとこの機体は、、、タイムマシンってことですか、、、?」
「その通りよ」と女性は頷いた。「話で聞いてた通り、理解が早いわね」
「嘘、、、そんなことって」と先輩は口に手を当てて言った。

 僕と野上先輩が、UFOだの宇宙船だの様々な想像を巡らせたこの謎の機体の正体は、タイムマシンだったのだ。

 なるほど。
これは未来でパルソニックから発売された、時間旅行を可能にする乗り物らしい。
道理で僕も野上先輩も、この機体の存在を知らなかったわけだ。

 僕の知る限り、この現代にタイムマシンは存在しないが、少なくとも34年後の未来、つまり2055年までには実用化されている、ということか。

「それで、あなたが本当に本当の未来人だとして、いや、私には到底信じれませんけど、あなたは一体、何のために未来から鈴江君に会いに来たんですか?」と先輩が訊いた。
「いいわ。当初は鈴江君にだけ話すつもりだったけど、ここまできたら、あなたにも教えてあげる」
「お願いします」と先輩が真剣な口調で言った。

「これから私が話すことは、嘘、偽りの無い正真正銘の事実よ。それを踏まえた上で聞いてほしい」
「分かりました」と僕は言い、野上先輩は黙って軽く頷いた。

「2021年の7月28日の今夜、何者かの手によって、鈴江君は殺されるの」

「えっ、、、何を、言ってるんですか」と先輩は言った。
「言ったでしょ、これは正真正銘の事実なの」と女性は言った。「私は、それを止めるために未来からやって来たのよ」



(つづく)


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