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自作短編小説集

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これまでに書いた自作の短編小説を載せています。
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2021年4月の記事一覧

自作短編小説『桜の夜風』

 教室内に、チャイムの音が鳴り響いた。 やっと授業が終わって、塾から解放されるのだ。  …

植木意志
3年前
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痛快コメディ小説『ギミーペーパー』

 「あかん、あかん、漏れる、漏れるっ!」  近藤宗伸は走っていた。公園を一心不乱に、小さ…

植木意志
3年前
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青春ミステリー小説『放課後の冒険』 エピローグ「仕掛け人の正体」

 翌朝、拓実は席に着いて、頬杖をつきながら窓の外を眺めていた。  外にはどんよりとした曇…

植木意志
3年前
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青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第5(最終)話「予想外の邂逅」

 およそ1時間前に来た際と同じ道のりを通り、やがて拓実と葵は室見川まで到着した。  空は…

植木意志
3年前
3

青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第4話「ゾディアックの暗号文」

 水分補給をしてから、アディダスのショルダーバッグをからって、拓実は家を出た。  バッグ…

植木意志
3年前
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青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第3話「不可解な封筒の中身」

 作戦通り二人は、東西に分かれたそれぞれのルートを通って、下駄箱に合流した。  「何も異…

植木意志
3年前
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青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第2話「少年少女の心理戦」

 拓実は真相を確かめるために、葵に話しかけようとした。  しかしその直後に、「拓実!」と前方から声がした。振り向くと、拓実の席の前に、友達の隼斗と義則の二人が立っていた。  「今日さ、俺ん家でテレビゲームやるんだ。拓実も来るだろ?」と隼斗が言った。 「隣のクラスの連中も何人か来るってさ」と義則が続けて言った。 「悪い、俺今日塾なんだ。行けねぇわ」と拓実は申し訳無さそうな顔をして言った。今日が塾というのはまるっきりの嘘だった。  「えっ、マジ?水曜は空いてるんじゃなかった

青春ミステリー小説『放課後の冒険』 第1話「窓の外の落下物」

 プールの授業の後は、決まっていつも眠くなる。 特に今みたいに、退屈な国語が6時限目にやっ…

植木意志
3年前
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自作短編小説『眠れぬ夜に聴くラジオ』

 眠れない夜には、ラジオを聴くことが私の習慣だった。  スピーカーから発信される誰かの声…

植木意志
3年前

短編小説『昼下がりの消失と出現』

 雨上がりの昼下がり、僕はいつもの喫茶店の定位置に座っていた。 通りの様子を悠然と見渡せ…

植木意志
3年前
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