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ショートショート集

21
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『寂寥感の忘れ方』(掌編小説)

『寂寥感の忘れ方』(掌編小説)

 「じゃあね〜っ、紗良っ」
「また明日ね〜」
「うんっ、バイバイ〜」

 志穂と成美と別れた後、私は一人自転車を走らせていた。
ソフトボール部の練習が終わり、家路を走る頃には、外はすっかり暗くなっている。

 5月になったばかりのこの季節、穏やかな夜風が涼しく、心地良い。

 でも、長い夜道を一人で走るのは、ちょっぴり寂しさを感じることもあったりする。

 私の通う高校は早良区にあって、私の自宅は

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