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なぜ、アイディアに至る理由を説明するのか

「能書きはいいから、とっととデザイン見せてくれればわかるから」香港では何もかも素速くことを成したい。

年に三回くらいは、こんなやりとりになることがある。先方も目に見えるものがさっと出てこなくてがっかりしているのだろうが、僕たちの方も残念に思う。

最終的に世の中に出ていくのは、CMのような映像であったり、ポスターやバナーなどのビジュアルであることが多いから、そうした目に見えるものを早く見たい気持ちはわからないでもない。

大抵の場合、僕らはプロジェクトのブリーフを受けて理解したこと。商品の特徴、市場や顧客の動静、課題に感じていること、このキャンペーンで達成したい目的なを整理することから、仕事にかかる。

それらをベースに顧客のインサイトを探っていく。これまでそのブランドが行ってきた施策、競合他社の施策についてもレビューを行う。キャンペーンで押し出すタグラインを開発しする。スローガンを作る。コンテンツの面からと、コミュニケーションの面の両方からクリエイティブを作っていく。

提案する際には、僕らが行った作業と同じ順番で提案させてもらう。この過程をきちんと説明することで、僕らの案に一貫性があることを見せたい。それがひとつ。

もうひとつの理由は、提案が採用されれば同じ目的に向かって働いていくので、チームとして共通理解という土台となるフレームを作りたいということ。

そして、きちんとフレームが作れた場合は、実施からレビューに至るまで、手応えを感じることが多いと思っている。なので、仮に無駄になったとしても、あきらめずに僕らの考え方を説明することにしている。

* PexelsのSerena Koiによる写真

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