楽しく学んで身につくのは小学生まで
どうも。
大好きなドクターブロナーのリップと、アザロのクロームという香水を街中でどんどん見かけなくなってきて悲しいガリバーです。
10年くらい使ってるものって、無くなると寂しいよね。
さて。
僕には夢があって、アーティストを「目指せる職業」として社会に根付かせたいんですね。
そのためには、アーティスト自身が社会人としての価値を証明していく必要があります。
もちろん、その中から既存の業界で通用するスターが現れるだろうし、そうでなくても一生好きなことを辞めずに続けられるって幸せじゃないですか?
なのに、スターになる道も一生幸せに音楽をやる道も、ハッキリ教えてくれる人は少ない。
なり方が分からないもの、曖昧なものに、憧れますか?なれないかもしれないのに。
そういう話って、親御さんの方が敏感。
「これやって何のためになるんですか?」なんですよ結局。
だから僕らは日本アーティスト協会では、芸の育成、人格形成、ビジネス教育(キャリア教育から起業や自営業のやり方まで)、仕事の紹介まで面倒を見ています。
特にアーティスト教育には並々ならぬ思いがあります。
そこで本題ですが、ぶっちゃけ「楽しく学びましょう」のマインドはヤバいと思ってます。
小学生までならいいんですけどね。
それか、英会話とかコミュニケーションを通じて伸びるものや、知識量だけでも専門家になれるものもいいです。
でも、芸やスポーツなど、知力とフィジカルを駆使するものでプロになりたいなら、うわべの楽しさに騙されちゃダメ。
2年で死ぬぞ!っていう話を書いてみます。
ちなみに僕は、体得できるならどんなにキツくても蔑まれても全然平気なドM体質なので、それをご了承の上ご覧ください。
■成功体験こそが楽しさの源
アーティストの日常は、自分しだいでルーズにもストイックにもなります。
共通するのはアーティスト自身が動かなきゃ状況は変わらないってこと。
作品作りも、人と会うのも、ライブするのも、決めるのは自分しかいない。
それって、よくよく考えたら結構孤独でしんどいんですよね。
費用対効果を考えたら非効率なこともあるし、気が乗らない日も、フガフガ言って食いしばりながら進まなきゃいけない日々。
それが、成功体験があるだけで、ちっとも苦ではなくなる。
そして、前向きに取り組む勢いも出るから、また次の目標まで頑張れる。
この循環が大事なんですね。
でもこれって、楽しい環境を与えられたとして、身につくんだろうか?
スポーツの強豪校や、天才キッズの養成所のドキュメンタリーを見たことがある人はわかると思いますが、みんなめっちゃ泣いてますよね?
そうじゃなくても、自分の学生時代を思い出してみてほしい。
泣くのは、楽しくないから?辛いから?嫌だから?環境が好きじゃないから?
違います。
自分に向き合ってるんです。
悔しいんです。
自分ならできるはずだと信じているんです。
種をまき、ひとつずつ収穫をし、その先の成功を叶える。
自分の成長を感じたり、成果を出せるから楽しい。
それこそが、芸事における楽しさだと思うんです。
■うわべの楽しさではモチベーションは続かない
甲子園、大会、デビューなど、それが何なのかが明確だから頑張れるんですよね。
ところが、教える側がそういう目標設定や成果に責任を持てない持てない場合、どうすると思いますか?
そう。
楽しさをバロメーターにして、続けること自体を目標にさせる必要があるんです。
これはね、ビジネスにおいては正解なんです。
スクールビジネスでは、継続させることも一つの指標になりますから、「楽しく学ぶこと」で継続率が上がるなら、経営が安定しますからね。
では通う側が被害者かというと、それもちがう。
通う側も、平均的な技能や仲間などの財産を手に入れることもできます。
そういう目的のためと割り切っているところには、僕も協力できることはしています。
まさに、「楽しく学ぶ」お手伝いですね。
やってるし、そのメリットもデメリットも知っています。
だから今回の記事はそのうえで書いているんですが、良いか悪いかの話ではなく、目的によって選ぶべき道が違うってことを言いたいわけです。
つまり、楽しく通うことが目的の人はそういうところへ行くべきだし、ガチでヒイヒイ言いながら成長したい人はそういうところへ行くべき。
もし、ガチでやっていきたい人が、通う楽しさがウリのところへ行ったとしたら、きっと、成功体験による真の楽しさに辿りつけなかったり、楽しく学ぶことによる限界に気づいた瞬間、辞めてしまいます。
なぜなら、その楽しさは、誰かが用意してくれた楽しい環境だと、心のどこかで気づいてしまうから。
そして、本当はそれだけでは突破できない壁に気づいていながら、楽しさや安心感から逃れることができないから。
誰もが、自分の選んだ道が正しいと思いたいもんね。
2年です。
成果を出したいと思うなら、2年で確実に成果を出せる環境を選びましょう。
自分の心の底から湧き上がる楽しさを手にするまでに耐えられる期間は、どんな環境であっても2年が限界です。
ちなみに2年というのは、僕が関わってきた2,000組以上のアーティストの継続活動期間の統計からそう言っています。
■耐久力を身につける
サバンナで最強の生物は何だと思いますか?ライオン?象?
いいえ、ラーテルです。
ギネス認定の「世界一怖いもの知らずの動物」であり、ライオンの攻撃もコブラの毒も通用しない耐久力を誇っています。
勝てなくても負けない・・・結果、最強。
僕はラーテルみたいな存在が好きです。
あれ、なんの話だっけ。
そう、アーティストに必要な能力。
それは、耐久力。
打たれ強さとか、何度くじけてもやり直せるとか、ずっと試行錯誤し続ける力ですね。
アーティスト活動は耐久戦です。
作ったものを全否定されたり、大失敗したり、完全アウェーの中で結果を出さなきゃいけなかったり。
プロはそれを一生続けます。
僕はボーカリストなので、ボーカリストの仕事の話をすると、歌声や発声の仕方の引き出しがないと、仕事として成り立ちません。
曲の雰囲気や、プロデューサーさんなどのオーダーに合わせつつ、自分の味も出しつつ、期待を超えるものを出せてこそプロ。
それは一朝一夕では身につかない力で、時には自分の個性を押し殺して練習をしたり、オペラやシャンソンや民族音楽など幅広く研究したり、ひたすら地味なことを水面下で積んでおく必要があるんですね。
それがいつどう役に立つかなんてわからないけど、探究ってやつです。
それで正解だと思って表現したものでも全否定されたり、曲を作ったとしてもボツになったりするわけです。
「やってらんねーよ!」ってなりますよ。何度も何度も。
こっちの良いところを褒めたり、伸ばしてしてあげようなんて人は皆無の中を突破して、ようやく手に入るのが、僕らがやっている仕事。
だから、仕事が手に入るかどうかギリギリのせめぎ合いで踏ん張るためにも、厳しい訓練は早めに受けておくのが良いと思います。
個性を伸ばすためにノビノビさせるのに対し、厳しさの中から生まれる個性もあります。
こればかりは、やってみないと分かんないんですけどね。
■まとめ
「勇気はいらない、あとは覚悟だけ」という言葉は、ボクシングの中継の解説で、元世界王者の長谷川穂積さんが言っていた言葉です。
やる覚悟さえあれば、必要な情報を得る努力もするだろうし、決断をくだして進む勇気も出る。
古今東西、映画やドラマで、いざというときにビビっちゃうキャラと、思い切って爆弾の配線のどっちかを切っちゃうキャラがいますよね。
で、結果失敗しちゃうパターンと、成功するパターンもあって。
僕はそれぞれのキャラがどうやって育ってきて、なぜそういう行動になるのかとか、ネチネチ考えちゃうタイプなんです。
結局、リーダーや1人で結果を出すタイプの人は、強いストレス下でも的確に決断をくだせる能力があります。
それを育むには、と考えると、幼少期は承認欲求が満たされるハッピーな環境が良さそうだし、成長期にはミッションを完遂するための屈強な心身があると良さそうですよね。
厳しいことが正義だ!とは思わないし、さぼり癖もある僕が言えるこっちゃないんですが、ゲーゲー吐きながら剣道やって得たものや、毎日必死に歌を練習してきたことを考えると、僕にとっての「楽しい」は、やっぱり達成感の先にあるものだと思うのです。
少なくとも、お金や時間を費やすんだから、キツくても成果が出る方がいいよね。
そんな気持ちで人前に立つから、自信を持って輝けるし、その瞬間を雑味なく楽しめるんだと思います。
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