JASRACは悪だという意見がさっぱりわからない

どうも。
電車の入口脇のスポットにハマりたいガリバーです。
あそこはもはや半個室。


さて、JASRACって知ってますか?

ショッカー(古い)ばりに「なんか悪そうな団体じゃないの?」なんて印象をお持ちの方もいるかもしれないですね。

最近では、音楽教室から楽曲の使用料を徴収するというニュースでも話題ですし、古今東西、創作あるところに著作権のモメごとはつきものです。

音楽の著作権については、実例を交えてITmediaさんのブログに過去に書きました。

パーソナルブランドで勝ち組になった男たち③ライセンスの鬼(マイケル・ジャクソン)→読了5〜10分くらい

音楽ビジネスの仕組みをざっくり書いた記事も(2014年のですが)ありますので、ご参考まで。

アーティスト至上主義の到来→読了5〜10分くらい

要は、音楽を使用するにあたって、適切な料金を誰かからもらう仕組みになっているんですね。

レンタルや購入でお金を支払ったからって、「自分の商売のために自由に使っていいよ」ってことにはならないんです。
別の料金がいりますよーってことですね。

100円で買ったものを使って1億円稼いでもいいんですけど、創作物にはすべて「生み出された瞬間」から権利が発生するんです。

それが「1億円稼ぐための要となるもの」かもしれないし、「自分の思った通りにしか使ってほしくないもの」かもしれないし、「自分以外に絶対に関わらせたくないもの」かもしれない。

使い道に条件をつけておくことが必要なんですね。


その権利をどう設定・許諾し、料金をどう設定・回収するか、っていうのが大事なところです。

テレビ、ラジオ、ネット、広告、ゲーム、お店のBGM、カバー曲を歌う、など、様々なところで使用されることを、まずどうやって知るのか?

これ全部を個人が把握するって、ほぼ不可能なんですよね。

だから、JASRACとかの管理会社に委託して、「使ってるだろう場所」で「使ってるだろう分の料金」を回収してもらってるんです。
楽曲やアーティスト単位で指定される以外は、包括的にまとめて徴収されることが多いです。

ここまではいいじゃないですか。

問題は、「回収した分って、ちゃんと正当にもらえてるわけ?」ってとこで、ここはざっくりで、明確になっていません。
それをしっかり管理するAIとか、今後出てくるべきですよね。
コストに対してニーズがウーン・・・って感じなのでわかんないですけど。


既存の仕組みはそんな感じで、課題はありつつも、あくまでも「委託するかどうかは自由」なんです。

最近は「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」ってのが世界的に普及しています。
データベースに自分の作品を登録して、「マークをつけておくから使い方守ってね」と宣言をするパブリックライセンスの考え方です。

これもそうですが、要するにシェアが前提の現代の権利管理は、マネースポットとは別の考え方が必要になってるんですね。

そう考えると、個人の作品が「いつ誰にどう使用されているかをチェック」できて、「使用申請と料金徴収の手順の案内」ができれば問題ない。

「規模が大きいから委託しないと把握できない」とか「とりあえず慣例なんで」とか「手間がものすごい」とかいろいろありますが、「売る仕事の人が売るための仕事を放棄しない」ことが一番大切だと思うんですよね。

この時代、誰でも発信者なんです。
「どっかに所属したらなんか売れる気がするぅううう〜〜」なんてジョジョの雑魚キャラみたいな短絡的バカはもういないでしょ。
アーティストも、音楽関連会社も、それぞれがサービス向上しないと。

個人なら、
「うちの音楽を使う時はこういう条件でお願いね!」
「無許可なのを見つけたらぶっ飛ばすよ!」
「友達や家族にめっちゃ広げてね!」
て、HPとかで言うことから始めればいいと思うんです。

そうやって自分で管理・交渉することで、新たな仕事をたぐり寄せることにもなります。マイケルの例なんて、まさにそれですね。

僕も、ブライダル、映像、ゲーム、大会サポートソング、企業ソングなどの仕事で作ったり提供した作品は、自分で管理しています。
必要ならクリエイティブ・コモンズつけて。

それで不自由はないですし、SNSで、
「この曲、使っていいですか?」
「OKですよー。◯◯な条件です。◯◯円ですけど大丈夫ですかー?」
「えー、じゃあ、これだと安くなりますかー?」
「OKですよー!その代わり最近こんなことやりたいんで検討してもらいたいっすー!」
「あ、それうちも考えてたんで必ず声かけますねー!」
って感じのメルカリみたいなノリでやれてます。


ちなみに、冒頭の「音楽教室で使う音楽」だって例外じゃないですよ。

その音楽教育に提供したいアーティストはそういう権利を持てばいいし、使う側も著作権フリーの物をうまく使えばいいじゃないですか。
そもそも、教育用に作ってない物を使うんだから、むしろハードル高くて当然じゃないですかね。
あと、そんなにプロが集まってるなら、オリジナルの教材作れるっしょ。
何が問題かさっぱりわかんないです。


ということで、自由な時代、権利も自分でちゃんとすべき時代ってことですよね。
JASRACは普通に仕事してくれてるだけなので、悪だと言う理由は僕には無いです。


ガリバー宇田川
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日本アーティスト協会→ http://jaa.strikingly.com/

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