アーティストがやらなくていいこと

アーティストだけでなく、プランナーやその他諸々の役割をしていると、昔は「結局何になりたいの?」「本業は何?」とよく聞かれました。

最近になってようやくパラレルキャリアや複業やワークライフバランスというワードが浸透してきたからか、「どうやらそういう働き方もあるらしい」と半信半疑ながらも認識してくださる人も増えたように感じます。

とはいえ、僕の体感としては、「自由な働き方」「楽しく働く」といった有名企業の成功例から発信されるマインドを拡大解釈してしまう危険性も増えているような気もしています。

アーティストは特に計画的な活動をしているのか、そうでないのかで、雲泥の差がついてしまう職業だと思います。

果たして、アーティストが結果を求めて活動する上で「やらなくていいこと」は何なのでしょうか?

今回はアーティストを「独立型」「提携型」「所属型」に分けて考えてみます。

●所属型

誰もが無意識に目指しているのはここだと思います。

レコード会社ではなく、マネジメントをしてくれるプロダクション(事務所)に所属する形です。

そのプロダクションが取引先にいくつかのレコード会社を持っていたり、逆にレコード会社がマネジメント機能を内包している場合もあります。(この場合はレコード会社に所属という言い方もします。)

ざっくりだと
「プロダクション所属→レコード会社へプレゼン→デビュー」
「レコード会社のオーディション→プロダクションとマッチング→デビュー」
というパターンかと思います。

メリットは音楽活動における宣伝活動、創作活動、音源制作、などを手伝ってもらえることでしょう。
著作管理のあり方なども明確です。
(参考:「音楽制作の仕事って何?」http://rittor-music.jp/sound/column/nakawaki/61408

デメリットは、仕事があってもなくても、活動の内容や方針が制限されることがあるということです。

うかつに他社のアーティストと音楽をやることや、プライベートなメディアを持って発信することにも制限がかかります。

●提携型

最近増えているのは、無所属だけれど「リリースするときだけレコード会社と契約する」「メディア出演の際の窓口としてマネジメント会社と契約する」といった活動スタイルです。

いわば、必要な時に必要な機能を使うことができるように、関係各所と手を組んでおく活動スタイルです。

宣伝能力や制作能力など、所属しなくても同等の機能を持ち合わせている場合は、不足している部分だけ頼ることもできますよね。

もちろん、セールス力やタレント性などのハードルは「所属型」と同等レベルを求められます。

メリットは、既述のように、アーティストが主体となることで、自分好みのチーム作りや、方針決定を行えるということです。

デメリットは、各所とメリットを分け合うので、金銭的な面も含め、関係性やパワーバランスに振り回されることもあるという点でしょうか。

各所と都度契約を交わすので、そういった手続きにも精通しておく必要があります。

●独立型

提携型に似ていますが、より自由な代わりに、上記の様々な機能を自分で賄う必要があります。

メリットは、売上は完全に自分のものにできるので、大博打を打たなくてもコツコツ生活費を稼ぐことができます。
既述のようなしがらみもないので、やればやるだけ進みます。

デメリットは、良くも悪くも自分次第ということでしょう。

ここでようやく冒頭の話になります。

●アーティストがやらなくていいこと

今寝ようとしている時、あの有名アーティストは何をしているでしょうか。

ライバルのアーティストは?後輩の才能あふれるアーティストは?

毎年400組以上デビューしては消えていく世界です。

「自分の代わりはいない」と思っていないでしょうか。

確かに「人間としての自分の代わり」はいませんが「自分の役割を担える人」はいくらでもいるのです。

Mステを見て、自分と「同じ編成」「同じ性別」「同じジャンル」のアーティストは毎回何組出ているでしょうか?

決して多くはないし、既にその役割や枠は埋まっている場合がほとんどです。

そこを目指すために、「やらなくていいことを省いて音楽をやる時間を増やす」という考え方もあれば、「定期的にやることはキープしながら、可能性を広げるための様々なことをやる」という考え方もあります。

僕は後者の考え方です。

なぜなら音楽は自分の人生そのものを映し出す鏡だと思っているので、人生の幅を広げることが必ず音楽にも反映されると思っているからです。

大人になればなるほど、やるべきことは増えていきますが、それでも音楽を続け、移りゆく時代の中で魅力を放ち続けるために、工夫と努力は日々必要だと思っています。

もちろん、大前提に「どうなりたいか」によって、そのバランスやリスクの負い方も変わると思います。

どのパターンにも共通して言えるのは、「仕事を頼む相手として信頼ができるか」ということと。

そして、絶対に攻めなければいけない時に「他のすべてのことを投げ捨てて挑む!」と、瞬時に鬼になれるスイッチを持っていることが大切だと思います。

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