見出し画像

応援されなくなってからが本番

どうも。
左ききのエレンの話をしてたら、「バクマン。もいいよ」と聞いて爆読みしてるガリバーです。
創作者の葛藤系マンガ、めちゃ面白い。


さて。
アーティストたるもの、応援してくれるファンの皆様がいなければ成り立ちません。
集客やファンが少ないのは、
「あなたが必要とされていないからだ」
「ニーズとズレているからだ」
「ファンがいなけりゃ有名になんてなれない」
というのはある意味核心をついてる。

でもね。
僕は筋金入りのひねくれ者なんで、高校生くらいから、
「え?じゃあなんで無名の新人がいきなり大抜擢されるの?」
「水面下で動いてた人はまだしも、明らかに未経験からいきなり出てきたじゃん」
「お客さん呼べなきゃやっちゃいけないの?」
なんてことを日々思ってた。

大人は教えてくれました。
「それはね、ゴリ押しって技があって、カネとコネを使って、悪いこともして、売り出すからだよ」
「商売なんだからお客さん呼べなきゃただの豚だよ」
とかなんとか。

ははーん。まじか。いやでも待てよ。
人気のないお笑い芸人さんでも、実力があるから有名な芸人さんと一緒に出てるって聞いたことあるよな…これはどういうことだ?

ハナからファン獲得を諦めていいわけじゃないんですが、どうしても人気が出ない人もいる。

でも、人気取りのために、アイドル的な振る舞いをすればいいんでしょうか?
それをやれば東京ドーム埋められる確信があればやると思うけど、そんな確証あるわけないし…。

自分の価値ってなんなんだろう。
誰の評価を信じればいいんだろう。
いつまで辛い葛藤の日々が続くんだろう。

そんな気持ちを味わったことのあるアーティストに捧ぐ。

ちなみにPRやマーケなどビジネス的な手法で解決する方法もあるけど、今回はその話は置いといて、マインドや個人でもできる話を当事者目線でしますね。


■友達100人できるかな期

友達が多い人は強い。100人の友達がいて、みんなライブに来てくれたらいいじゃんね。再生数なんかも絶対100は行くわけだし。
これは間違いない。

なのでもちろん若いうちはお友達を沢山作って、仲間のライブも行きあって盛り上げていくと、かなり勢いが出ます。

この友達にはアーティスト仲間も含んでいて、対バンやブッキングライブに出たり、動画配信でコラボしたり、横つながりも増やしていくといいと思います。

ファンも半分お友達感覚で、イベントも顔見知りで会場埋まるくらいにはなると思います。

一般の社会人の皆さんのオフ会、飲み会、みたいな感覚に近いものもあるかもしれないですが、それはそれで地盤を固める意味ではいいと思います。

顔見知りが多いと、ファンの方同士も仲良くなったりして良いことも多いです。

アーティストにとって支援者はかけがえのない存在なので、長くお付き合いいただける人が多いと良いのは間違いないですよね。


■まだ知られてないだけ期

それでも、誘いの連絡が頻繁だとウザがられて、徐々にお友達が減っていく時期もあります。

これを打開したいから、新たなファンに出会うために単独で遠征したり、違うタイプのイベントに出たり、新たに動画配信をするようになる。

ところが、今までのファンが少し寂しい気持ちになったり、自分がいなくてもいいんじゃないかと感じるようになったり、配信の反動でイベント集客が思うほど伸びない時期も訪れます。

この時期は、現場の光景もちょっと寂しいときもあるかもしれない。
ファンも身内も心配になると思うけど、どうかそんな皆さんも根気強く見守って頂きたい!

まだ知られてないだけで、もっとファンを増やしていくために全国各地へ活動を広げていく時期です。

アーティストと本当のファンが力を合わせれば、活動の場が広がり、今までより確実に知名度も高まっていきます。


■新規集客枯渇期

単体で100〜200人キャパのライブができたり、数千〜1万人くらいの人の前でライブをする経験を積めていくと、いよいよ運命の分かれ目です。

この過程でどこかに所属してマネジメントしてもらえるとしても、集客ターゲットにはお友達は含みません。
より一層厳しい環境に出向き、1人でも多くのファンを作り、かつ今までのファンともしっかり繋がりを保つファンサービスが必要です。

ここはまさに耐久戦で、単体での新規ファン獲得が、一旦伸び悩みます。

なので、今度は自分と同レベルのアーティストと、改めて対バンや合同ツアーを組んで、コアなファンだけでなく、最近で言う「にわかファン」を獲得していきます。

これでまた勢いも出るのですが、単体に戻った時に、新規の集客は伸び悩んでいきます。
なぜなら、にわかファンは、フェスや複数の有名アーティストが出演するから足を運ぶだけで、コアファンになってくれないかぎり、単体の集客には繋がらなくなっていくのです。

なので、ここからは、いかに共有のファンやにわかファンに対してのサービスを充実させるかも大切になります。


■応援されなくなる期

デビューしたり、大型イベントばかりに出るようになっていくと、不思議なことにミッション終了とばかりにコアファンが離れていくことがあります。
音楽やアーティスト性が変わるのも理由にあると思いますが。

でもウデには自信があるし、この時期には有名な方に声をかけてもらえることもしばしば。
なぜなら、実力があるアーティストがいると、そのイベントやアーティストラインナップの質や品位が上がるから。

ただ、SNSなどでは順調ないのに、現場では集客ができない現象も起こる。
次第にファンの年齢層も上がり、結婚・出産などを経て、ライブハウスやクラブなどに足を運んでもらえなくなることも増えます。

徐々に、「もう応援されていないんじゃないか?」という気持ちになっていきます。

ファンが思うほど余裕じゃない。
世間にはまだ幅広く知られていない。
だけど一部からは成功しているようにも見られる。

これってかなり孤独で、メンタルもヤバくなります。
この先どうするか、真剣に考える時が来ます。


■生存競争期(第2次まだ知られてないだけ期)

SNSなどでは順調でも、ライブの現場には若手のアーティストがどんどん出てくるし、今までとは風向きが変わっていく感覚があるはずです。

誰にも応援されていないのにやるというのは、自己満だしダサいんじゃないだろうか…。

でも待って。
これは第2の「まだ知られてないだけ期」なんです。

まずここで考えるべきことは2つあります。

ひとつは、「誰にも応援されなくてもやりたいことなのか?」です。
この世の誰にも応援されないとしても、自分が心からやりたいと思うことに向き合う。
今やっていることや、その形がベストなのか。
辞めざるをえない環境も回避して続けることができるのか。
自分と向き合うってやつです。

ふたつめは、それを必要とされる形に加工することです。
いくら良い肉でも、ブロックのままでは食べにくいので、食べやすいサイズに切って売られていますよね。
それと同じで、自分の純度100%そのままを押し付けるのではなく、必要とされる形にして届ける。
例えば、今までは自分の作品をそのまま届けていたけど、CMやBGMの形で届けるとか。
フリーでマインドだけ膨らんでいたところを、企業や組織に属して役割を担ってみるとか。

大切なのは、このタイミングで「自分がやりたいことだけをやることにしよう」と安易に思い込むことは逃げだと自覚して踏ん張ること。

いや逃げてもいいんです。一時的には。
でも、ここを突破して次のステップに行くためには、自分と向き合うことが大切なんです。

特に責任感を意識することです。
今まで何となく誰かが責任を負ってくれていたからできていたり、誰かのせいにしていたことも、これからは全て自分が負うことになる。
なぜなら、社会で自由を手にするためには、責任を負う必要があるからです。

その心構えができたら、まだ知られてない人たちへ、いよいよアプローチします。

誰に知られてないのかというと、ファンではなく、企業や自治体などのクライアントと言われる側の人たち。

そう。これまでの実績を武器に、いわゆる営業ということをやっていく時期なんです。

これができると、今までファンやお客さんに直接届けていた形から、クライアントを通じて、そのクライアントのお客さんに届けることができます。

これができるアーティストは生き残り、できないと、だんだん活動は厳しくなっていきます。
もちろん、それだけやるんじゃなくて、ファンへの直接のアプローチと並行して続けていくと、安定した活動をしていくことができます。


■さいごに

僕はせっかく音楽をやってきたんだから、もっと長く続けたいし、探究したいし、必要とされたいと思っています。

世の中は甘くない。
でもすごく過酷なわけでもない。
知らないことを知るだけでずっと楽になる。
知る努力くらい、してもいいじゃないですか。

ただ、その努力の仕方を教えてくれる人がいないと、途方にくれてしまう人もいるんじゃないかと思って、このnoteも書いてます。

アーティストは、今回書いたように波のある活動が当たり前です。
デビューやヒット、集客やフォロワー数や再生数など、ガツンと大きな山を作れると、武器になる。
だから、先々を考えての戦略や活動計画が必要なんです。事業計画ですね。

「誰にも応援されなくてもやる」というのは、裏を返せば、応援される存在から必要とされる存在へ脱皮することだと思っています。
事業家として音楽業を営む人間としての自覚を持つということ。

だって、歯医者さんが「歯を治すのめっちゃ頑張ってるんです」なんて当たり前のこと言わないし、患者さんから「今日もインプラント頑張ってくださいね」なんて応援されないですよね。駆け出しの頃はさておき。

ほかの職業と置き換えてみるとわかりやすいですね。
応援されなければ店員やらないの?営業マンやらないの?バーテンダーやらないの?みたいな。

とはいえ人気商売には人気も必要です。
応援されるにも必要とされるにも、適切な場を常に探し、そこに応じたサービスと自分の主張のバランスをとりながら活動していくことが大切だと思います。


【ガリバー宇田川】
メジャーデビュー経験のあるシンガー。
日本アーティスト協会代表理事。
[アーティスト活用の専門家/採用コンサルタント/研修講師]
▶︎HP
https://udagulliver.themedia.jp/
▶︎Twitter
https://mobile.twitter.com/UDAGULLIVER
▶︎Instagram
https://www.instagram.com/udagulliver/
▶︎日本アーティスト協会
http://jaa.strikingly.com
▶お問合せ・ご依頼はこちらから
https://goo.gl/forms/HvI3q3NxggB3Bfeq2
▶マンツーマンのメンタリング、ボイトレはこちらから
https://udagulliver.themedia.jp/pages/833524/menu

投げ銭を頂けると一層活動のモチベーションが上がります! 音楽や文筆の創作資金としてご支援をお願いいたします★