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Field Notes 「ジャカルタDiary」#08 -ジャカルタ滞在最終日 ワークショップで振り返る-

この記事は2018年に書かれたものです。ウェブサイトのリニューアルに伴い、noteに再掲載しています。


Day6_Feb.26_2018

この日は朝イチで比嘉さんとホテルのマッサージへ。前日に予約した際は、「オープンは11時だが、準備があるので11:15くらいに来てくれ」と言われたのに、その時間に行くと「時間どおりに来ていないから短めのコースしかできない」とのこと。身体は限界に達していたので若干の不満を持ちながら、個室へ。オイルを使った弱めのマッサージが疲れた身体に非常に心地よかった(ただし、枕がフカフカ過ぎてうつぶせの際、窒息しかけた!)。インドネシアのマッサージはフットマッサージも指圧マッサージも日本に比べると破格の安さ!(ホテルのマッサージでも70分Rp.250,000(1,900円)程度)。技術も素晴らしいので、叶うことなら連日行きたかった!

お昼前に集合して、この旅最後のワークショップ。

インドネシアに来た当初に行った「インドネシアの食と健康」について
・3つのキーワード
・2つの質問
・1つの比喩

を書き出すワークの最終日版を作成。

色々と理解は深まったけど、新たな謎も深まった!

様々な物事・人に触れた後でどのように変化したかをそれぞれ振り返った。
当初は「食の中身への関心」が中心だったが、「食の位置づけ」への関心に変化していたり、抽象的だった言葉が具体的になっていたり、いろいろと知った上で、さらに「?」が膨らんでいたり…etc.

普段からクライアント様を巻き込んでのワークショップが多いので、多様な視点には触れるのだけど、今回は人類学という別のアプローチで同じものを見ていたからこそ浮き上がる「違い」に気づけた面白さがあった。もちろん、目的やミッションが違うから比嘉さんのやり方をそのまま踏襲することは難しいが、人との関わり方や視点など、エッセンスとして学べる部分は大きかった。また、私自身かなり日本の調査の枠にとらわれていることも思い知らされた。もっと自由に様々な可能性を検討したら、分かることは広がっていくだろう。頭と心をもっと柔らかくしないと!

メンバーに対して、ギフトメッセージ
「そんな風に見えていたのか!」と照れくさくも嬉しいプレゼント

インドネシアに滞在している小桑さんですら、チームで動くからこそ疑問の内容が変わったと喜んでいた。個人でできるメリットもあるけれど、チームで行う良さはとても大きい。今後も色々な分野の方と接して、学び続ける姿勢を忘れないでいきたい。

日々増える模造紙&付箋
ずっと貼り出しておけたのは本当に良かった


夜は今回のインタビュー対象者をコーディネートしてくれたSさんと会食。てっきり現地の方だと思ったら品川出身の日本人、奥さんはインドネシア人とのことだった。

ジャカルタで働くSさんにインドネシアの今と昔、
日本との違いをお聞きする

もともとサーフィンが好きでバリに来ていたSさん。インドネシア好きが高じて、仕事の関係で15年前にも一度インドネシアに来ていたとか。15年前からの変化を聴くと、ヒジャブ率が高くなったとか。これは、決して戒律が厳しくなったというのではなく、ファッション的な要素が強いらしい。確かにユニクロでも、ドルチェ&ガッバーナやトミー・ヒルフィガーといった世界的なアパレルブランドでも、ムスリム商品を販売している。また、facebookやインスタグラム、ウィーチャットといったSNSも盛んで、毎日新しい言葉が増えていくとのこと。国民の平均年齢28、29歳という若さを感じるエピソードだ。

インドネシアに来てからずっと抱いていた疑問「ずっと食べているし、歩かないのに、あまり太った人を見ないのはなぜ?」という疑問には、どうやら食事量が関係しそうなことも分かった。確かにインドネシアの人は一日5食程度食べていたりするが、1回あたりの食事量はさほど多くない。Sさん曰く、食べすぎるということはあまりないとのことだ。こまめに食べるから、毎回空腹の状態ではないだろうし、だから苦しくなるほど食べようと思わないのかもしれない。とはいえ、後から調べてみるとカロリー摂取量はここ最近でずいぶんと増えているらしい。本格的な肥満問題はもう少しすると顕在化するのかもしれない。

最後の夜は中華料理
どれもおいしかった!

今回の家庭訪問調査のリクルーティング難航のポイントを聞いてみると、やはり「家を見せるのが恥ずかしい。」というシャイな国民性がネックになっていたようだ。今後、調査の仕方も含めて検討する必要がありそうだ。

その他にも、最近はプリブミの人も白い肌に憧れて白いファンデーションを塗るといった話題から、沢山の島があることからも同じ民族同士のつながりが非常に強いといった話題まで、様々なことを教えていただいた。

しかしながら、知れば知るほど疑問も、知りたいことも増える!知恵熱が出そうになりながら滞在中初のスコールを体験し、ホテルに戻る。​

大石瑶子
代表補佐/共感リサーチャー(UCI Lab.合同会社)
チーム内では「共感する人」として主に定性調査やワークショップを担当
■全米・日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー、ワークショップデザイナー、リフレクションカードファシリテーター

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