もっと評価されるべき6つのインディーゲーム (2024年前半)
今回の記事で3本目になる。せっかくなのでマガジンとしてまとめてみた。
不思議なもので、遊び尽くしたと思っていても、半年経てば紹介したいゲームが貯まってくる。おおよそ3本に1本ぐらい「当たり」と思えるゲームに出会えている。
普段ゲーム中・クリア時にツイートするので、その時の感想を見返しながら書き連ねてみる。
Another Crab's Treasure
なによりゲーム性が面白く、苦手だと思っていたソウルライクが実は面白かったのだと気づかされた作品。
ソウルライクというと、高難易度アクションでダークファンタジーなイメージで、苦戦している時は陰鬱になりがちという先入観があった。筆者は一応ELDEN RINGではラニエンドまで見ており、それなりに楽しめたものの、万人受けしないのかもな、という感想があった。
しかしこのヤドカリゲー、なかなか良くできている。絵柄のポップさ (ダークなユーモアの方向性も相まってスポンジボブ感がある) で、どんより気分を抑えてくれている。
それに加えて、貝殻を取り替えるヤドカリの生態がゲーム性と見事にマッチしている。回避よりも安定するガードを選択し続けると貝殻が簡単に壊れるので、次の貝殻へ取り替えながら戦うデザインになっている。
高難易度アクション自体を楽しめるように巧妙にデザインされているという点で、なかなか秀逸なゲームだと感じた。
ジャンル : アクション (ソウルライク)
クリアまでにかかった時間 : 25時間
PS5で遊んだ
Core Keeper
夢中で探索してしまう。時間が溶ける。
サンドボックスの2Dアクションゲーム (マインクラフトみたいなゲーム) なのだが、細かい遊び心地の完成度が高い。
たとえばインベントリ・チェストのアイテム整理。マインクラフトであればMODや装置を作らなければいけないところだが、このゲームでは正式な機能として実装されている。ほかにも作業台でのクラフトする際に、インベントリだけでなく隣接チェストから素材を持ってきてくれるのも便利だ。
面倒くさい要素が少なく、遠征 ←→ 拠点で装備強化 のループに集中できるのが良い。
ピクセルアートも素晴らしい。このクオリティでスムーズにキャラクターを動かしているだけでも楽しい。
マップ・探索方法も特徴的で面白い。初期地点にコア (キーアイテム製造装置) があるので、そのまま拠点になることが多い。そこから、同心円状に探索範囲を広げていくことになる。つまり、装備が整って進んでいくほど探索すべき範囲が増えるデザインなのが面白い。(半径が大きいほど円周が長くなる、ということだ)
Steamの早期アクセスでも十二分に楽しめたが、今夏に正式公開されるようだ。コンソール版も合わせて発売されるタイミングなので、より色んな人と遊びやすくなる。とても楽しみだ。
ジャンル : サンドボックス
早期アクセス時点のボス全撃破まで : 80時間
ver 1.0 が待ち遠しい!
Chants of Sennaar
とても雰囲気のある文字解読ゲーム。
文字解読ゲームというと、7 Days to End with You も評価が高い。どちらも遊んだ自分としては、本作が好みだった。その理由は、ゲーム性というより世界観の魅力にある。
タイトルにある Sennaar は、バベルの塔があったとされる地の名前だそうだ。天にも届く高い塔を建てようとして神の怒りを買い 言語が分けられた、という有名な話の舞台だ。
そのようなタイトルなだけあって、単に文字解読というパズルだけでなく、未知の文化との遭遇や、コミュニケーションが成立することで和解していく様子などが描かれており、世界を知っていく探求が面白い。
ゲーム性については、学校で触れたような英語の文型を意識すると整理しやすい印象だった。"SVOC" などのやつである。ここでも、教養がゲームで思わぬ活躍をするのが嬉しい。
(パズルゲームとしては、総当たりで正しい訳語を知ることはできてしまうが、フォーマットの限界かもしれない)
パズルゲームを遊び始めたつもりが、ストーリーや世界観に引き込まれることになった、とてもユニークな作品だ。
ジャンル : パズル・アドベンチャー
クリアまでにかかった時間 : 10時間
noteに興味深い感想や考察を残しているプレイヤーが複数いる。クリア後にぜひそちらもチェックすると楽しめるだろう。
Harold Halibut
ちょっと良いインディーゲームを探しているゲーマーむけとして、本記事で最推しのゲーム。
一見すると地味だが、動かしてみると凄まじいこだわりを感じる作品。
自分で動かせるストップモーションアニメである。ひつじのショーン や最近だと PUI PUI モルカー など、人形をコマ撮りして動かしていくアレだ。雰囲気はサンダーバード (人形劇アニメ) にも近いかもしれない。
それもそのはず、実物を作って3Dスキャンしゲームに落とし込んだらしいのだ。
グラフィック面だけでも驚きだが、繰り広げられる世界観やストーリーもマッチしていて良い。じんわりとしみてくるような良さがある。とくに郵便配達員のサブストーリーは、本当に良かった。
ゲームとしての斬新さや奇をてった派手さはないが、色んな変化球を見てきたインディーゲーマーにこそ本作品を推したい。
ジャンル : アドベンチャー
クリアまでにかかった時間 : 12時間
未解決事件は終わらせないといけないから
タイトルからして、すでに魅力的。
過去の事件を追っていく推理ゲームなのだが、誰が・何を・どの順番で発言したかを考える珍しいタイプの推理を要求される。整合性がとれるようにタイムラインをいじるので、パズルのようなゲーム性がある。発言者が変わると、こうも全体の話の流れが変わるのか、と驚かされた。
エンディングのオチも秀逸だ。決してボリュームがある作品ではないが、濃縮された面白さがある。
ジャンル : アドベンチャー・推理
クリアまでにかかった時間 : 3時間
ghostopia シーズンワン
ゲームというよりは話を読んでいく系の作品だ。
ほどよいラノベ感がありキャラクターがとても魅力的だ。それぞれが別の方向性で、ちょっとおかしい。
Nintendo Storeだとハートフルっぽい雰囲気で紹介されているが、そんなことはない。もっと生暖かく気だるい雰囲気で、良い。
シーズンワンとあるように、ストーリーが未完ではある。だからといって手に取るのを待つのは勿体ない。
そう思えるぐらい、読んでいて面白い作品だった。
ジャンル : ビジュアルノベル
今出ているストーリーを読破するまでの時間 : 5時間
余談だが、ひと昔まえ「やるドラ」というPlayStationのシリーズ作品があった。ゲームでやるドラマ のことだ。Production I.G が関わっていて、なかなかクオリティが高く印象的なストーリー群だった記憶がある。それを彷彿とさせるコンセプトのゲームだった。
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