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【キャリア】総合学科という選択肢!自分らしい高校生活をデザインする

高校時代、私は「総合学科」という一風変わった高校に通っていました。
この学科は、「普通科」や「専門学科」とは全く異なる特色を持っており、その影響力は大学生活にも及んでいます。

今回は、そのような総合学科の高校で、私が経験した良かったことをお話しようと思います。少し長めですが、最後まで読んでいただければ幸いです。


総合学科とは

「普通科」と「専門学科」に並ぶ、第三の学科として、1994年(平成6年)から導入された学科のこと。国語、数学などの基礎科目から、工業、商業、情報、スポーツ・福祉、芸術まで、普通科と専門学科の特徴を併せ持つカリキュラムが整備されています。

総合学科の特徴とメリット

特に印象に残っているポイントは、次の通りです。(※学校によって異なる可能性はありますが、基本的な部分は共通していると思われます)

自由な科目選択
■ キャリア教育の充実

ノーチャイム
課題研究

自由な科目選択

これは、「自分で時間割を作ることができる」ということです。主に、2年次から本格的に科目を選択できるようになります。自由選択枠が設けられており、その枠内で開講予定の科目群から、自分が受けたい科目を選ぶことができます。これは、大学での科目選択とほとんど同じで、それだけでも魅力的です。

しかし、「自由な」という言葉を誤解しないよう注意が必要です。というのも、必ずしも希望するすべての科目が受けられるとは限らないからです。例えば、単位数の関係で、1つの科目に2つ以上の枠が必要な場合、その枠の影響で、受けたい授業が選択できないことがあります。

例)数学Ⅱプログラミングの科目を受けたい場合
水曜日3限:数学Ⅱ▲ / 日本史A / 英語演習 / …
金曜日4限:数学Ⅱ▲ / 世界史B / プログラミング / …
⇒ 金曜日4限の枠で、数学Ⅱ▲プログラミングが被ってしまう!

とはいえ、複数の枠が必要となる科目の中には、別枠でも開講されている場合があるので、希望する科目をより多く受けられる組み合わせを選ぶことになります。

例)数学Ⅱプログラミングの科目を受けたい場合
月曜日1限:数学Ⅱ■ / 物理基礎 / 簿記 / …
火曜日3限:数学Ⅱ■ / 化学基礎 / 音楽Ⅱ / …
水曜日3限:数学Ⅱ▲ / 日本史A / 英語演習 / …
金曜日4限:数学Ⅱ▲ / 世界史B / プログラミング / …
⇒ 数学Ⅱ■プログラミングを選択できる!

また、「物理基礎」と「物理」のように、特定の科目を履修していないと、次年度に希望する科目を受けることが難しくなる場合があるので、そのような科目は優先的に選択する必要があります。

こう聞くと、「全然自由じゃない!」と思うかもしれませんが、これは大学でも同様です。履修したくても必修科目の都合で履修できない科目や、次年度に履修する予定の科目のために履修する科目というのは、当然あります。

つまり、「自由な科目選択」とは、「どうすれば、より多くの希望する科目を選択できるのか」や「将来必要となる科目は何か」を自分自身で考え、決定できることを意味します。この経験は、情報収集や意思決定のスキルを養うために重要であり、私も大学生活でその経験が活かされています。

キャリア教育の充実

総合学科では、1年次から3年次まで、自分の進路について考える授業があります。前半では、自己分析や卒業後の進路パターンについて学び、最終的には、「将来何をしたいか / 何になりたいのか / 何が必要なのか」を一人ひとりが自己探求することになります。

これは、進路決定のプロセスとしては、当たり前のことのように思えます。しかし、1年次から学業だけでなく、将来像について意識的に考え続けられる環境があることは、とても良いことだと思っています。

ノーチャイム

基本的に授業と授業の間にチャイムがありません。そのため、教室間の移動や体育の着替えなど、時間管理をして行動する必要があります。これは、大学生活でも重宝する習慣です。

課題研究

課題研究とは、自分の興味関心のある分野で、何らかの課題を設定し、その解決方法を考え、論文形式でまとめる授業のこと。いわば、大学の卒業論文の高校バージョンですね。これは、総合学科の特権とも言えるほど、重要な授業です。

進路に関係する内容であれば、事前に知識やスキルを身に付けることができ、学校推薦型選抜や総合型選抜(AO入試)などの大学入試で活かせる可能性もあります。

いずれにしても、取り組んだことを自身の経験として語れるだけでも、大きな武器になります。私自身も、課題研究を通して大学入試に合格することができました。

総合学科に向かないかもしれない人

「総合学科に向かないかもしれない人の特徴」について、個人的な考えを述べたいと思います。主に2つあります。

1つ目に、「自由な科目選択」に対する姿勢です。苦手な科目を避け、楽に単位が取れるような科目を選ぶ傾向がある人です。このような選択は、短期的には、ストレスを軽減できるかもしれませんが、長期的には、将来の選択肢を減らしてしまう可能性があります。私の場合、英語は大の苦手でしたが、将来を見据えて、意識的に英語関連の科目を選んでいました。

2つ目に、学力で上位の有名大学に進学したいと考えている人です。総合学科は、「進学校」とは異なる特色を持つ高校です。そのため、周囲と学力を競い合い、お互いに切磋琢磨できる環境を望んでいる方には、不向きかもしれません。

…とはいえ、これらは個人のやる気次第だと思います。高校の同級生で有名大学に進学した人も多くいるので、そういう人たちと一緒になるのが良いと思います。

最後に

「総合学科」は、興味関心のあることを自己探求し、自分らしい高校生活を送りたい人にとって、非常に魅力的な高校です。私自身も卒業生として、その学校生活を振り返ると、通っていて良かったと思っています。高校選びの選択肢として、「総合学科」を入れてみてはいかがでしょうか。

最後になりましたが、数あるサイトの中からこの記事を最後まで見てくださった方にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました!

少しでも参考になれれば幸いです。


参考/関連ページ

【総合学科について(1)/文部科学省】

【総合学科について(2)/文部科学省】

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