大手の経理からエンジニア専門の採用担当になった話
こんにちは。株式会社i-plug (以下、i-plug) コーポレートマネジメント部採用チームの宮﨑です。
わたしはエンジニアやデザイナー、サービス開発に携わる方の採用をメインに活動しています。i-plug Advent Calendar Day15🗓で、何を書こうかな〜?と悩んだ挙句、自分がしてきた “これまでのエンジニア採用での取り組み” を共有することにしました。
エンジニア採用(特に中途・経験者採用)で悩んでいらっしゃる方、多いですよね?少しでも感じることがあれば幸いです。
大手企業の経理から ITベンチャーのHR(人事)へ
まずは自己紹介をさせてください🙋♂️
わたしは 30歳まで大手企業の経理担当として働いていました🧾仕事内容としては単体決算から連結決算、税務申告、子会社監査や親会社監査対応など、財務以外ほとんどの経理業務を担当させていただきました。
一方、大手では“自身が貢献している実感を得難い”という感覚があり、一つのキャリアを突き詰めていくことに限界を感じていました。
「もっとフロント(社外)に出て活動したい」
いつしか、そんな想いがふつふつと湧いてきたのです。もともとヒトに関わることが好きだったこともあり、以前からHR(人事)に興味を持っていました。大手では難しいけど、IT ベンチャーなら未経験でも HR ができるかも!考えた挙句、思い切って転職をしました。IT 業界を選んだ理由は単純で、これからはますます「オンラインで価値提供していく時代になる🖥」と思ったことと、なんとなく「キラキラしてそう✨」と感じたからでした。
転職を経て、いざ“エンジニア専任の”採用担当者へ
転職先は、自社サービスを開発しつつ、受託開発がメインの当時 8期目の IT ベンチャー。80名くらいの規模でした。当時、受託事業を更にスケールさせるため、新卒・中途あわせて年間60名程度の採用計画(7割エンジニア)が立てられました。
上記の目標人数(年間60名)は、1人で達成するにはかなり無謀な数値でした。採用をされている方なら分かっていただけると思います。
(当時はそんなことは知る由もなかったのですが・・・)
しかし、社内には採用担当がいない状態。採用専任のメンバーを採用することになったのですが、外部から採用するよりも社内のことを分かっているメンバーをアサインしよう、という流れになり、、
(・・・っきたーーーーーー‼️‼️‼️)
と。すぐに立候補しました✋
入社して半年ほど経ち、このタイミングで経理からエンジニア採用担当にジョブチェンジしたのです。
いろんな IT ベンチャーの採用担当者と会う機会が多いですが、この経歴を辿っている人は珍しいと思います。(わたしは出会ったことがありません。)自身のキャリアを考えたとき、新しい可能性があると思っていたし、今でもこの選択は正しかった、と思います。
本当にエンジニアリングを理解するため
エンジニアが必ずといっていいほど使う、飛び交う横文字やプログラミング言語の違いも理解できませんでした。
( LAMP.. なにそれ?明るいの?💡 )
( フレームワークって?建築系?🏗 )
( PHPって..?本でしたっけ?📗 )
( Ruby ..宝石商?💎 )
こんなわたしがしたことは、以下の3点でした。
1. めちゃくちゃググる!🖥
ググれば情報は出てくるぞ
2. エンジニアに教えを乞う!👨🏫
これが早い&意思疎通できる!でも時間をもらう(ありがたや!)
3. 候補者の CV を募集しているチームに見せ、ひたすら壁打ち!🎾
求める人物像をより確かなものにするんだ!
当初はこの3点に長い時間をかけていました。
ありがたいことに、優秀な方々が素人のわたしにも分かりやすく教えてくれました。おかげで、以前は、宇宙語で記述されたように思えた CV(職務経歴書)も、自分でスクリーニングできるようになりました。エンジニアの会話や考え方が多少理解できるようになってから、だんだん採用を進めていくことが楽しくなっていきました。
現在はその IT ベンチャーを辞め、別のベンチャーや AI スタートアップで国内・海外人材の経験者採用、新卒採用、労務管理、社内フローの整備、育成・評価などの制度設計を経験し、現職の i-plug でエンジニア採用の専任担当として就業しています。
エンジニアが希少な転職市場における基本戦略
労働人口の減少も叫ばれる昨今の転職市場においても、特に“エンジニアの求人倍率”が飛び抜けて高いことはご存知でしょうか?
▼業種別の求人倍率
IT・通信 → 7.85倍(全体平均2.81倍)
つまり求職者1人につき8件も求人が!
▼職種別の求人倍率
技術系(IT・通信) → 10.29倍(全体平均2.81倍)
つまり求職者1人につき10件も求人が!
会いたくても、会えない・・・!
引用元:転職求人倍率レポート(2019年11月)doda 調べ
これは全国での平均値ですが、都市部にロケーションを絞ると、さらに数値は悪化します。また、優秀なエンジニアであるほど転職市場になかなか現れず、知人の紹介で転職先を決めたり、フリーランスの道を選ぶ人も増えています。優秀なエンジニアは言うまでもなく稀少です。
そんな市場においてエンジニアと出会い、自分たちの仲間を作るため、まずは<求める採用要件>を明らかにしていく必要があります。
1. 募集背景を知る
なぜ(どんな経緯で)エンジニアが必要なのでしょうか?
2. 期待している役割を定義する
新たなエンジニアに何を期待しますか?
3. must / want 条件を定義する
自社のエンジニアとして必須となるスキルや経験はなんでしょうか?
また、推奨するスキルや経験はなんでしょうか?
4. ポジションや給与など諸条件を整理する
より詳しい条件を洗い出して整理します。
これらをしっかりとまとめてから、実際の採用活動を実行します。
手法別の採用戦術を立て、確度を高める
エンジニア採用活動において、わたしがこれまで取り組んできたことを手法別にご紹介します。戦略、採用においては求める募集要件に従って、取り得る手法から最適な戦術を実施していきます。
・手法1:💁♂️人材紹介
・手法2:📲ソーシャルリクルーティング
・手法3:🏹ダイレクトリクルーティング
・手法4:✈️外国人採用
・手法5:🤝リファラル採用
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手法1:💁♂️人材紹介【十八番(おはこ)になる 】
人材紹介会社を利用する際、わたしが取り組むことは以下の 3点です。
【人材会社利用時の3つの秘訣】
1. CA に伝わるように自社の情報をできる限り開示する
2. 自社の想い(ビジョン)を戦略・戦術も含めて言語化し伝える
3. 定期的に連絡を取り合う
心がけていることは
〜 紹介会社にとって十八番 〜
になること、です。
会社によって異なりますが、人材紹介会社では通常、候補者担当(CA:キャリアアドバイザー)と企業担当(RA:リクルーティングアドバイザー)が分かれています。自社の情報が適切に共有されていなかったり、優先順位が下げられている可能性もあります。
そのため、CA との面談の場を作っていただき、できる限り情報を伝えるようにします。その際に、チーム構成や募集の背景、自社の強み・弱みなども大事ですが、コーポレートビジョンをなぜ達成したいのか?という想いを伝えるようにしています。時間をかけて自社のことを知ってもらい、要求の解像度を高めることで、人材紹介会社にとっての十八番となり、CA に優先的な紹介を働きかけます。
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手法2:📲ソーシャルリクルーティング【惹きつける】
SNS を利用したダイレクトリクルーティング採用の手法で、主に Twitter や Facebook などで網を張ります。外国人採用であれば後述のとおり Linkedin を利用することが多いですね。まずは前段階として、自社の企業アカウントを用意し、定期的にコンテンツを発信することでフォロワー数を増やしていきます。候補者はフォロワーから探すこともあれば、キーワード検索で探すこともあります。
他のダイレクトリクルーティングと同様、応募意志がない潜在層へのアプローチになるため、メッセージでは「惹(ひ)き」が大事になってきます。わたしはよく「弊社エンジニアとお話しませんか?」とか「CTO と話をしませんか?」といったように、まずは面談の場に来ていただくことを最優先にスカウトメールを送ります。相手にとっても、いきなり面接といった条件ではなく、面談など障壁の低い投げかけが自社を惹きつけるきっかけになることでしょう。
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手法3:🏹ダイレクトリクルーティング【着目点を明らかに】
待ちの採用(わたしはあまりこの言葉が好きではないですが・・・)ではなく、こちらからスカウトメールを送り、潜在層へアタックする手法です。Green や Wantedly を活用するケースが多いです。そのサービスに登録された候補者にアプローチをしますが、SNS と比較すると転職意欲もあり、オファーへの承諾率は高い印象(それでも承諾率は高くて 20%くらいです。) 。スカウト文面がテンプレート化しないように以下 3点を大事にしています。
【スカウト文面をつくる3つの秘訣】
1. 候補者が経験した技術のどこに着目したのか
2. どういう背景でスカウトしたのか
3. 役割として何を期待しているのか
以下はメールの一例です。
弊社では BtoBtoC の新規サービス開発をしておりまして、BtoB は大学、BtoC は学生の方です。
サービスは LAMP 環境でしておりますが、実装だけでなく企画、価値探索、市場調査、要件定義、設計まで一緒にしていただける方を探しております。
現状のプロジェクトメンバーはエンジニア 1名、デザイナー兼ディレクター 1名、Bizdev 2名、セールス2名、CTO + ベトナムのオフショアチームの構成で、設計〜実装フェーズのスピードをあげたいと考えております。プロフィールを拝見しまして、
・PHPでの開発の経験が豊富である点
・上流から下流まで様々な工程のご経験がある点
・リードエンジニアをしたご経験がある点
上記に特に興味を持ちまして、ご連絡を差し上げました。また、新規サービスに携わりたいという点もマッチしていると感じました。
既存のメンバーのテックリードをしていただき、大学・学生向けのサービス開発をしませんか? ご興味ありましたらまずは弊社エンジニアとご面談の機会をいただけますと幸いです。
候補者の CV にある情報の“どこに着目したのか?”を記載しないと、よほど会社にブランド力がないかぎり、そのスカウトメールは埋没します。上記 3点を気にするだけでもかなり違って見えるのではないでしょうか。
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手法4:✈️外国人採用【生活情報も添えて】
国内の労働人口が減少するなかで、外国人の人材を採用することもありますよね。わたしは Linkedin で直接スカウトするか、外国人専門の人材紹介会社を利用します。(一部の国では求人媒体が普及している国もあり、利用することもありますが、今回は割愛します。)
既に日本で就業されている方だと障壁は少なくて済みますが、初めての方にとって外国で就業することは、もちろん容易ではありません。自社の情報以外に日本で生活するための情報を共有をすることも有効かもしれません。
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手法5:🤝リファラル採用【皆で認知獲得を】
優秀なエンジニアであれば、知り合い経由で転職される方も多いです。
(いわゆる「リファラル採用」です。)
わたしの周りのエンジニアも、そういった方が増えたように感じます。リファラル採用をする際、わたしが取り組んでいることは以下の 4点です。
【リファラル採用における4つの取り組み】
1. 求人について自社のメンバーに理解・協力してもらう
2. 勉強会やコミュニティに(めっちゃ)出席する
3. イベントのスポンサーになる
4. 勉強会やコミュニティを立ち上げる
リファラル採用は自社の全メンバーがリクルーターになり得ますので、自社が出している求人情報を周知する必要があります。Refcome や My Refer といった便利なツールがあるので、そちらを利用するのも有効だと思います。わたしは少しでも転職意欲がありそうなお知り合いがいれば、社内で連絡をいただくようにしていました。ちなみに i-plug のエンジニアは、自らが採用活動をする意識が強く、 HR 的にはめちゃくちゃ助かっています・・・!
また、わたし自身が勉強会やコミュニティにできる限り出席するようにしていて、connpass や TECH PLAY、Peatix などのイベント告知サービスで探しています。イベントのスポンサーになることも結構有効です。スポンサー枠がない場合でもイベントオーナーとお話して、スポンサーになる代わりに自社の紹介をさせていただく、など認知を上げておくことが後々効いてきます。
大規模な勉強会やコミュニティを立ち上げるのは大変ですが、テーマを絞って小規模に実施することもあります。この場合も上記のサービスを使って告知しています。自社の単独開催よりは他社とタッグを組んだほうが、集客の面で期待できるかもしれません。ただし、事業領域が被らないようにだけ気をつけています。あとはアウトプットを増やすため Qiita や Wantedly でテックブログを開設し、定期的に記事をアップ & SNS でシェアしています。
特にリファラルでは、できることもコネクションも限られるため、社内の協力体制、接点や機会を大切に、認知獲得を目指しています。
エンジニアたちのチーム創りに貢献したい
今回は HR がする業務のなかでも採用に絞って、わたし自身がしてきたことをご紹介しました。同じエンジニア採用で悩める方、何か感じることはありましたか?
大変ではあるものの、なんだかんだ、わたしはこの仕事が大好きです。これからもエンジニアに寄り添って、一緒に価値を提供できるチーム創りに貢献したい、と思っています。
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ちなみに i-plug ではエンジニアを絶賛募集しています!
若年層の雇用課題を解決するため、OfferBox や他新規サービスも絶賛開発中です。ご興味のあるエンジニアの方はぜひエントリーしてください。エンジニアメンバーやわたしと一緒にお話しましょう!
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