スキル構築は陣取りゲーム。自分の拠点を大切にしよう。
8年前の今くらいの話をしよう。
わたしの最初の社会人スキルは「開発ドキュメント作成・更新能力」でした。
新卒で入った会社の、最初に配属されたチームは
・既存開発メンバー全員が結束済み
・しかも新卒の私だけが唯一のディレクター
・勿論上司もチームにいない
という、人によっては配属1週間で逃げ出しそうな環境でした。ちなみに着任してから諸事情でプロジェクトサイズが大きくなり(ただの横展開かと思ったら新規開発案件になる)、その条件下で始まった開発合宿からは1秒でも早く逃走したい程度の圧力でしたが、なんとか開発場所のトイレの個室で泣く程度で乗り切りました。
正直この程度で済んだのはメンバーの中で1人だけ、私に気軽に話しかけてくれた人がいたからです。彼にはいまだに頭が上がらないです。彼がいなかったら普通に休職する可能性も否定できず、今のようになれたか自信がないので。
彼からのお願い事ならば、今もきっとまじめに聞くと思う…と思ってたらポケモンGOのフレンド申請が彼からかっ飛んできてて、確認してほっこりして、秒で承認しました。えっと…自分キモい!
実録・新卒Dのポンコツ挙動
当時は開発上で出せるバリューがヘルプ文言書くくらいしか本当にできませんでした。
文字コードとかも正しく理解してないから変なもんコミットして、ビルドされたものでステータス500出してエンジニアからマジで怒られる…とまぁ、現職で「とうせがそこまで言うならそうするわ」とほうぼうで言っていただける今の姿からはだいぶかけ離れたスタート地点だったわけです。
この経験のおかげで、二度と同じ轍は踏ままいと文字コードについて真面目に勉強したので、今は要点を抑えて開発とやり取りできてるので、人生万事塞翁が馬です。
私は上記の通り、キャリアの冒頭で遭遇したので文字コードはディレクターの必須知識だと真剣に思っていましたが、意外と必修知識じゃないらしいことも後で知りました。
いやぁ、マジでボロボロでしたよ。一人前の社会人になれるなんて到底信じられないレベルで。
とはいえ、そんな中でもチーム内で認めてもらわないと1人で生きられるような給与をもらうことすらままならないので、日々必死でした。
もう何が認められるかすらよくわからない中、出社だけはしないといけない気がして、その責任感だけで電車に乗っていました。
面談の中の光
ある時、そのチームの実質的リーダーの方が正直私を扱いかねて、その対策を考えるべく面談をした時、「あなたの書類作成のクオリティ、正直入社3年目の人と同じくらいだよね。そこはとても助かってる」と言っていただいた時に初めての光が見えました。
それならまずここでバリュー出してやる…!と。それが私の最初の小さなスキルです。
そこからはまず、redmine(プロジェクト管理ツールのひとつ)のWikiに、誰よりも早く、きれいに企画資料をまとめることを優先しました。もちろん、チャットなどで出てきた変更差分も迅速に更新です。
だって私にはそれしかできないけど、他のメンバーも困ってたから正直タスクしかないし。
そのうち慣れてきたらチケットを人よりも整理しまくれるスキルや、KPI分析に伴うexcelスキルがくっついてきて、「どこの現場でもどうにか施策立案・進行管理ができる草の根ディレクターもといPM」というスキルの塊が爆誕したという流れです。
スキル構築=陣取りゲーム
自分の少しだけ得意なことってめちゃくちゃ軽視しがちなんですが、人間は別の人間にはなれません。どんなに小さく見えてもそこからしか出発できないと思います。それは自軍が点や線から始まる陣取りゲームのようです。
最初はどんな些細なことでも良いので、他人からふと評価されたことを手がかりに、それをまず徹底的に伸ばす。
余裕が出てきたら、今出来ることの隣にあるスキルに手を出して仕事をして、面積を広げる。今スキルの面積が広大に見える人であっても、この繰り返しを経て面積を増やしているのではないかと思います。
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