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Sa・Gaシリーズの最終進化形「サガ・スカーレットグレイス」(前)

サガ最新作の話をしようと思ったんですが、その前提として私のサガシリーズへの偏愛を述べる必要がありそうなので独立記事にします。(サガスカだけ読みたい人は後編を待ってね)

おもち大好き氏「Sa・Gaシリーズ」を語る

「世界三大RPG」という言葉はご存じだろうか。女神転生シリーズ、サガシリーズ、メタルマックスシリーズのことである。

(テレビゲーム媒体を限定としたもので選定基準には個人差があります。異論がある場合は取り下げて頭脳戦艦ガルとアルテリオスを入れても一向に構わん)

この中で私は特にサガシリーズを愛飲しておりゲームボーイ版「Sa・Ga2 秘宝伝説」によって倫理観や美意識や正義感を育てられたといっても過言ではない。これらの作品はコンシューマRPG黎明期から世紀を超える長期間にわたって少年少女の心の内に沈んだ澱(オリ)を食らい燃やし続けて人知れず連綿と受け継がれてきた名状しがたい何かである。私はメタルマックスをプレイしたことないし、深く語れるほど女神転生を把握していないので今日はサガシリーズについて語ろうと思う。

「Sa・Gaシリーズ」とは

「Sa・Ga」 #とはサーガ(伝承)性(生き物のもつ性質)佐賀(佐賀県)等の複数のミーニングを併せ持った造語でシリーズ間に共通する舞台は少ない。

シリーズ共通の特徴は、複数の主人公から選択することができ、物語や攻略方法の自由度が高い独特のセリフの言い回し、サイバーパンクから西洋ファンタジーまで取り込むジャンルの節操のなさ選択肢の取り返しがつかない、というキャラクターと共に歩み「自分だけの物語を紡ぐ」という自由さだろうか。

ゲーム的な楽しさとしては、主人公パーティの組み合わせがプレイヤーごとに異なるので攻略方法を共有しにくいというのが面白かった。たしかに攻略しやすい最適解はあるけど、逆に「そんな方法があるのか!」とか「次のプレイでやってみよう」等の意欲を誘うので繰り返し遊ぶことができる、特筆すべき「ゲーム性の高さ」を持ったシリーズである。

例)「俺はゆうしゃせんしそうりょまほうつかいだぜ!」と「ぼくはうみうしうみうしスプライトおおとろろだぜ!」では攻略方法が共有できない。コミュニケーションの断絶!!しかし、同じ世界の話だから会話が弾むので、その断絶こそが心地よい。

私はファイナルファンタジーシリーズに不案内で比較はしにくいんですが、あまりにも個性的な選択肢、没個性でカスタマイズ可能な主人公、アクションが成長に直結するシステム、つまり自分だけの特別なゲームになり得るポテンシャルを秘めている。私はサガシリーズのそんなところが好みで愛飲しているんですよ。

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<ゲーム性の話>

「Sa・Gaシリーズ」の個人的評価

そんなわけで、シリーズを総括して語り始めます。興味を持ったらバーチャルコンソールとかで遊んでみてください。論評の最後に点数をつけますが、これは客観的な評価であり未プレイの場合のオススメ度と思ってもらえればと思います。(個人的な事情で特別ボーナス加算あり)

目次

ゲームボーイ時代
魔界塔士 Sa・Ga(5/10点)
Sa・Ga 2 秘宝伝説(10/10点)
時空の覇者 Sa・Ga 3 完結編(6/10点)

スーパーファミコン時代
ロマンシングサガ(8/10点)
ロマンシングサガ2(9/10点)
ロマンシングサガ3(7/10点)

プレステ時代
サガフロンティア(8/10点)
サガフロンティア2(未プレイ)

ワンダースワン時代
魔界塔士 Sa・Ga(4/10点)
ロマンシングサガ(5/10点)

プレステ2時代
アンリミテッドサガ(200円/10点)
ロマンシングサガ ミンストレルソング(9/10点)

DS時代
サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY (6/10点)
サガ3時空の覇者 Shadow or Light (8/10点)

新次世代機時代
サガ スカーレット グレイス(後編で語る)

(ソーシャルゲーム版はわからないので省略)


魔界塔士 Sa・Ga
ゲームシナリオ界のマスターピース。ゲームの創造者を殺す(神殺し)をテーマにしておりアンチ「RPG」の極北となっている。薬物でドーピングする人間。殺した相手の肉を食らい変身するモンスター等、成長システムのくせが強い。ラスボスへの対処方法は伝説となった。(5/10点 部分的に5億点が数か所ある)

Sa・Ga 2 秘宝伝説
「ひほうをよこせ!おれはかみになるんだ」をはじめとする自称アポロン、自称ビーナス等の新たなる神々が続々と登場する秘宝争奪戦。前作からのスケール感が数千倍に膨らんだ。銃器やメカの割合が増したので完全なサイバーパンクSFファンタジー時代劇ファミリームービーに近づいた。越後屋を戦車で砲撃する作品は他に見たことがない。すい星が江戸に衝突する作品なら見たことがある。(10/10点 個人的には二兆点)

時空の覇者 Sa・Ga 3 完結編
ファイナルファンタジーの亜流として出発したシリーズを総括するオーソドックスなレベル製RPG。比較的常識的な作品とされているがそれはシリーズ内で言えばというだけでありクトゥルフ神話をモチーフとした神話性や神々の二面性、時空を渡るシナリオの回収等はいい仕事をしている。だが、くいだおれはオメーはダメだ。(6/10点 後年に再評価された気がする)

ロマンシングサガ
FF亜種を脱して西洋ファンタジーRPGとして再出発したシリーズ第一作。複数主人公、必殺技、変な術、開幕火の鳥、戦闘回数によるシナリオ進行、盛大なバグ等の後年のシリーズに受け継がれる要素が多数登場した。楽曲面においても特徴的なロマサガサウンド・イトケン節が花開き下水道の音楽を聴くためにプレイした人も多いのでは。シナリオは敗れ去った神々の復讐を軸に人間の可能性と団結を描いていく。(8/10点 アイスソードハゲに二兆点)

ロマンシングサガ2
前作をチューンナップして「陣形」や「ひらめき」といった戦闘中に訳の分からない事故が発生するような要素をぶち込んだ傑作。長命種である七英雄との戦いを軸に世代を超えて受け継がれる「魂」と人間の可能性と団結を描く。システムを理解しているプレイヤー以外に対する難易度が高くラスボスに勝てずに泣き寝入りしたプレイヤーも多かったという。なみだをふいて再プレイだ。うんうん、それもまた継承法だね。(9/10点 電球エフェクトに8億点)

ロマンシングサガ3
問題作。プレイヤー側の経験値を要求するクセの強いシステムと雑なシナリオを搭載し、シリーズ最高のビジュアルと音楽というルックの良さを組み合わせた地獄のニュービーホイホイ。最高。(7/10点 最果ての島の音楽に5億点)

サガフロンティア
独特な術系統、独自色の強い妖魔、究極生物と化したメカ。バランスが取れているのかとれていないのかよくわからないバランスといびつに歪んだシナリオと個性的すぎる魅力的な主人公たちに無から沸くラスボス。バニーが好きなら。(8/10点 クイックロードに9千点)

サガフロンティア2(未プレイ)
何か予感があって未プレイです(ごめんなさい)ゲームをしていられる時期ではなかった気がする。

魔界塔士 Sa・Ga(WS)
ワンダースワンでサガができる! 新たに書き直されたビジュアルと後継シリーズに合わせて適正化された成長システムのはずがエスパーにバランスが傾きモンスターだけでは進行できなくなるなど攻略に対する懐が狭くなってしまった。(4/10点 入手困難)

ロマンシングサガ(WS)
スーファミ版のバグ修正調整版でいくつかの追加シナリオ(魔の島)と悪神三兄妹の妹ポジションが復活するという割と大きな修正が入り一部で話題を呼んだ。バグを修正したらさらに大きなバグが発生するのはシリーズ恒例なのでもはや諦めるしかない。(5/10点 入手困難)

アンリミテッドサガ
シリーズの鬼子。次世代機で装いも新たにロマサガをほうふつとさせる主人公達から一人を選んで冒険旅に出発だ!というところまではよかったが、なぜか「行動するたびにダイスリールで判定」「ファンブルあり」「街フィールド削除」「ダンジョンがすごろく」「フィールド向けアクションスキル(鍵開けとか罠回避)をたびたび要求される」「防具の装備位置にこだわらなくてもよい」「なんなら頭部に鎧、脚部に鎧、ボディに兜を身につけても良い」「成長システムが難解なパネル」「体力が0になっても死亡しない」「LP(生命力/余命)をゼロにするまで決着しない泥臭い戦闘」というテーブルトークRPG風のスタイルにめんどくささを乗算したような独自色の強いシステム。マインドシーカーよりマシ。個性的な術の習得方法に関しては通常プレイではノージツ、ノーカラテのままクリアしてしまうのではないかとすら思わせる不親切さを誇ります。それでも過去シリーズを統合するような幅広いストーリー展開やスケッチモーションの美麗なグラフィック等、珍妙な連携等の良いところもあるので結果的には好きです。そして、ここで生まれた新要素を捨てずに「失敗した作品にも良いところはある」精神が次作以降に引き継がれていくわけです。うんうん、これもまた継承法だね。(6/10点 実売価格105円~210円)

ロマンシングサガ ミンストレルソング
「ロマンシングサガからバグを抜いてストーリーに整合性を持たせて未解決シナリオもきちんと結末を持たせたうえでグラフィックとサウンドをアップデートして過去作の武器耐久度や鍛冶強化やフィールドスキルや宝探し要素を拡張して冒険感を出しつつ未確定要素のランダム性を表に出さないようにリールは隠して術は習得方法が理解しやすいようにしつつ術合成で使い勝手を良くしながらも周回プレイに耐えるように新キャラクターを増やしつつ上級者にはご褒美でエスパーダ・ロペラとか出したげて」「やりました」(09/10点 母ちゃんで二千兆点)

実績解除:「母ちゃん」が実装されました。実績解除:ナイトハルト閣下から何かが失われました。イクゾー!実績解除:ラスボス戦の最中に生演奏BGMバンドがソロ回しを初めて集中できなくなりました。特にベースのディメンション青木さんおつかれさまでした。

サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY
キャラデザをアップデートして3D化したSaGa2。主人公のビジュアルを選択できたり強化された味方モンスターや糸的な連携などの近代化要素でストレスなく楽しむことができる。シナリオがテコ入れされ登場キャラクターに個性が上乗せされた結果、最終ボスである女神(めがみ)のポンコツ感が900ポイント加算。ここまで愛されたラスボスはいただろうか。(6/10点 ダメガミに900点)

サガ3時空の覇者 Shadow or Light
キャラデザをアップデートして3D化したSaGa2。今度はサガ直系システムなのでファイナルファンタジー色は薄まった。時間操作というシナリオの特徴がバトルにも強く影響を与えており強化されたラスボスや裏ボスのおかげで満足感も高い。優等生かと思いきや「戦闘中に成長する」というあまり例を見ない成長システムを搭載。[超絶成長(ハイパーグロウウス)]の快感を味わえるのは本作独自の魅力だ。(8/10点 シリューの魅力がアップ!5点)

サガ スカーレット グレイス(後編で語る)

というわけでサガスカの感想文を書こうとしただけなのに、これまでのシリーズに対する愛憎を注いでしまうことになったのであった。最新作はどのような愛の形になったのだろうか。

「Sa・Gaシリーズの最終進化形「サガ・スカーレットグレイス」(後)」へ続く。


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