あばれんぼう

暴れん坊将軍9 第19話 「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」

ヤツが帰ってくる。大江戸を恐怖のどん底に陥れたあの彗星が!!

放送日時:2018年8月11日(土) 20:00 時代劇専門チャンネル。

終末思想の流行

1998年。世紀末が近づき恐怖の大王の降臨やY2KでUNIXが爆発するという与太話が現実感をもって語られていた前史時代。人々の希望は千々に乱れ大破壊と救済を共に願う終末思想に囚われていた。

世界中で隕石衝突映画が大ヒット。人々はアルマゲドンのハゲに泣き、ディープインパクトが大陸を薙ぎ払うのを大喝采。日本産の映画では実現不可能な大スペクタクルに日本人はどこか他人事だった時代だった。

暴れん坊将軍9 第19話 「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」が出現するまでは。

もう他人事ではない

どこか海を隔てたフィクション世界の出来事であると思われた隕石の衝突、世界の滅亡が逃げ場のない日本で発生する。急激に現実感を伴い落下してきたエピソードに人々はショックを受けた。(徳川吉宗は実在の人物なのですい星の衝突は実際にあった出来事なのでは?もうだめだー!) 視聴者の混乱は想像に難くない。なぜ、こんな恐ろしい映像作品を制作してしまったのか。

人類文明への応援歌

現代では三大隕石衝突映画(映像)として、挙げられることも多い「アルマゲドン」「ディープインパクト」「暴れん坊将軍」が同時代に連続して公開されたことは偶然ではなく、社会不安に対する文化的なカウンター。たとえ、カタストロフを迎えても文明は死なないという人間賛歌。だからこそ今を精一杯よりよく生きるのだという人生への応援歌なのだろう。人類は強いストレスに対して免疫を獲得し進化しつづけている。隕石衝突くらい乗り越えられる試練だ。製作者はそれを信じているし、江戸っ子を応援している。

平成最後の夏=世紀末

#平成最後の夏つまり世紀末だ。
あなたは前世紀末に訪れた終末思想と人間賛歌に触れ合い、よく生きることについてもう一度考えてみるべきだ。夏休みの宿題や絵日記にも描こう。おともだちやおとうさんおかあさんにも教えてあげてください。


追記

2019/3/7早朝からテレビ朝日で再放送があるようです。チェックイットアウト!



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