観ると心がちょっと楽になる映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』

2002年に公開された嵐初主演映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』を10年ぶりくらいに観て色々思うことがあったので書いてみます。

私はこの映画のDVDを持っている。しかも数量限定の初回版。
なぜなら10年前嵐にどハマりしていたからだ。このDVD自体はいにしえからオタクだった友人から「もう観ないから」という理由で受け継いだ。

とにかくみんな若くて可愛い。あどけないけど演技は割としっかりしているように感じた。
アイドル青春映画にとどまらず、苦くて切ないノスタルジーを覚えた。
猿岩石がアイドル的人気だったあの時代だ。

東京は品川区の八潮団地、東京ではあるけれど隔絶された島のような特異な地域が舞台。
この団地に住んでいる5人の物語。高校卒業目前、いつもつるんでいる仲間。

「僕は東京都民だ。だけど原宿デビューは17の時だった。」
シュン(相葉くん)のモノローグと共にみんなで原宿にナンパをしに行く場面からはじまる。
ナンパって言葉、今あんまり聞かないですね。

万引き。暴走族。まあなんていうかとても分かりやすい。

ヒロイン的に登場する女の子がみんなとても可愛い。なんというか人工的ではなくて、素朴な魅力がある。
なんだかそこに安心した。
なんか息がしやすい。

なんでこんなに楽な気持ちになるのかと考える。

きれいすぎない、ちゃんとしすぎていない。
今よりはゆったりしている社会全体のスピード。
どんどん消費される情報もコンテンツも溢れていない。

まっしろ。つるつる。
(きれいに整備されて喪失する個性。)

あくまでこの映画の雰囲気だけど切迫した悲壮感もない。
90年代後半を引きずっている2000年代初頭のあの感じ。ギャルかわいい。
シュンの大学受験もあっさり失敗する。大人も最悪だし、テキトー。チュウ(翔くん)は歩きタバコするし。
(「市民プールに入る女は全員トップレスにしよう!」というさいあくなセリフはある。今やったらやばい。)
全然ちゃんとしていない。



物語終盤。タクマ(ニノ)の家庭は辛い結末となる。
タクマはスケボー留学のため、映画のラストでカリフォルニアに旅立つ。
仲間との別れのシーンで、橋を渡り去って行く。
振り返って笑う彼の美しくて色気があって、哀愁がある表情!
この雰囲気にやられた。すでに役者としての風格があった。
辛い事情を背負わせたくなる監督の気持ち is わかる。
ちなみに私はニノのファンである。

ラストは「LIFE IS HARDだけどHAPPY」でうまくまとまる。
改めて見返して観ると結構いい映画だった〜!と満足した。
実はもう手放そうかとしてたんだけど、やめた。



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