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  • 何も変わらない。

    よかったら見てください。 超短編小説を集めたものです。 話は一つ一つで終わりです。

最近の記事

雨の日の朝と

雨の音は心地がいい。 ぺちぺち?ぴちゃぴちゃ? ぽちゃぽちゃ?ふふっ ぽちゃぽちゃはないか... 彼女はベッドに横になりながら笑った。 僕は彼女を抱き寄せる。 なに?ふふっ 暑いじゃん、やめてー。 少し暴れる彼女を無視して 僕は深く抱きしめる。 この感覚を忘れたくない。 この気持ちを刻み込みたい。 深く染み込んでいくように、 確かに感じるこの温もりと声と君をすべて。 いつのまにか静かになった彼女は、 もぞもぞと寝返りをうって向かい合う。 顔と顔を合わせるのは恥ずか

    • itoi

      性別とかどうでもよくて、 恋か愛かとかどうでもよくて、 落ち着く人といれればそれでいい。 それ以上もそれ以下も無くて、 一緒に居たいと思える人と、 話せればいいし、 会えればいいし、 見れればいいし、 なんでだろう。 欲張りになっていくよ。 全て君と居たい。 ずっと君と居たい。

      • 炭のような優しい恋

        バーベキューの時に 火をつけるため使う固形燃料が 燃えるような恋ばかりしてきていた。 なんだろう。不思議だ。 君といると落ち着くんだ。 なんだかじわっと心が温かくなるような。 優しく柔らかい気持ちだ。 最初はドキドキして、 嫉妬して取り乱して、 君を好きになって 辛くて辛くてたまらなかった。 そして、君にきつい言葉をぶつけてしまった。 それでも君は優しくしてくれて、 何もなかったかのように、 なんでも無いよというように接してくれた。 そこから、君といるととても落ち着く

        • あいとわ

          何が怖いのか、 決定的な何かがないと 踏み出せないのか? 俺が肯定してあげるから、 全て肯定してあげるから。 自分に自信持っていけよ。 大丈夫だよ。 って背中押すけど、 一番君に抱きしめて肯定して欲しいのは 自分なんだ。 #愛 #確実な愛 #人の気持ちはわからない

        雨の日の朝と

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        • 何も変わらない。
          6本

        記事

          刻まれ重ねられる

          今日も君と話せた。 今日は君を見れた。 今日は君と話せた。 今日は君とご飯を食べた。 今日は会えなかった。 今日も会えなかった。 今日はLINEをした。 今日は話せた。 今日は君を見れた。 今日はLINEが来た。 今日は何もなかった。 今日は話せた。 今日は君を見た。知らなかった。 今日は家にいた。 今日はLINEが来た。見なかった。 今日はLINEを見た。心配してくれた。 今日はLINEを返した。返ってきた。 今日は君を見た。辛かった。

          刻まれ重ねられる

          捨てたいけど大切なモノ

          君とは友達以上になれないことは わかってるよ。 だけど、少しだけ君も 僕のこと好きだったらなぁって思う。 僕が悲しい時に君は優しく声をかけて 背中に手を当ててくれた。 君が悲しそうにしてる時に、 僕も背中に手を当てようと思ったけど、 僕の隠している心が邪魔をして、 優しく話しかけることしかできなかった。 こんな感情を持ってるから 君に最高の優しさや言葉をかけることを 躊躇ってしまう。 こんなことしたらバレてしまう? こんなことするのは自分を好きになって欲しいから? そう思

          捨てたいけど大切なモノ

          キミのせいだ。

          キミが楽しそうに話してるから、 ボクは目をそらして下を見る。 キミのせいにして、 キミを嫌いになりたいんだけど、 いくら下を見ても、 少しでもキミを見たくて、 またキミを見て、 下を見る。 #好き #アンビバレント

          キミのせいだ。

          つっぱしる衝動

          カミングアウトと同時に告白することは、 相手への配慮が足りない。 カミングアウトは告白ではない。 カミングアウトは別にする必要がない、 わざわざ私は男性が好きなんていわないでしょ。 昨日は頭がおかしかった。 ずっと好きだった。 性的に好きだったわけではない。 友達として好きすぎて、 僕は嫉妬した。君の笑顔に。 自分は別にゲイではない。 だけど、バイかもしれない。 でも、男とヤりたいとかじゃないし、 女ともヤりたいから好きになるってこともない。 僕は精神的な恋愛者だ。 肉

          つっぱしる衝動

          鈍色の純情

          ジリジリとうるさい太陽の熱視線を 隠してくれる雲が私は好きだ。 生活の音を消してくれる雨はもっと好きだ。 雨粒が跳ねて踊り狂う水溜りは ずっと見ていられる。 いつも世界は広いのに、 この世界には私しかいないように 感じさせる傘を広げて、 いつもするイヤフォンをカバンにしまい、 私は学校に向かう。 今日は雨だから、 多分は私は教室に2番目に入る。 いつもは1番目だけど、 雨の日は特別だ。 多分、席替えをしてあの人は1番前の席なはずだ。 私は、わざわざ教室に前から入る。

          鈍色の純情

          好きだ

          好きだ好きだ好きだ好きだ... 抑えられない感情は隠しておくべきなのだ。 いつか爆発することのないように、 一人のときに感情を垂れ流して、 涙でもなんでも垂れ流す。 僕のこの感情は恋愛感情だ。 だけど、君にとって僕はただの友達だ。 アンバランスな愛は関係を壊しかねない。 僕は壊したくない。 伝えてしまうことは難しいようで簡単だ。 そう、ただ『好きです』と伝えればいい。 これは、簡単なようで難しい。 隠す必要がないと多くの人は口だけで言う。 隠さないで伝えた時に多くの人

          好きだ

          透明

          「ねぇ、まだ班決まってないよね?」 グループワークの講義だなんて知らなかった。 入学から2年間、自分は一人で大学に行き、 高校の時の友達と会った時だけ話す生活だった。 友達と会えなかった日は一言も話さず家に帰った。 大学では簡単に友達ができる人とできない人がいる。 僕は後者だった。 勇気を出して話しかけた子は、 いつのまにか他の人たちと仲良く話していた。 僕はいつのまにか一人だった。 でも、僕はそれを受け入れた。 慣れると人は一人が楽だ。 わざわざつるんで購買にいく、

          ビールいっぱい。

          女子っつうのはヨォ。 トイレも一人でいけんのよな笑 俺はいつも一人でヨォ。 「泣くなよ、てかお前いつの話してんだよ」 水滴のついたジョッキは 触った瞬間に滝が流れる。 だってさ、俺だってトイレいっしょにいきたいっ なんで俺はさー1人なの? 「彼女に振られて頭おかしくなったのか?」 いつも頭おかしいか笑 俺は頭おかしくない!てか、まだ別れてない! ただね、会う回数減らそうってだけ! 「自然消滅狙ってんだろ笑」 うるせーうるせー お前まじウルセェあーーあー。 「お前浮気さ

          ビールいっぱい。

          しかない。

          壇上にいるあいつは誰だ。 さっきから金の話と自分の経験を語る。 そして、今に至るまでにどんなことをしてきたか。 どういうことをすれば良いか。 語る語る。 そしてしきりに彼は言う。 この話を聞いて実際に行うのは3割だ。 そして、継続して行うことができる奴は1割にも満たない。 暑苦しい体育館に押し込められた300人ぐらいの学生の中で、 彼の話を聞いているのは10人もいないだろう。 その中の1割、つまり俺がその1割、1人になってやろう。 日差しと外の気温のバランスがちょうどいい。

          しかない。

          素のままでいて。

          夏になったばかりというのに校舎は蒸し暑い。 こんな古い校舎の癖に保温機能付きなんじゃないかと思う。 近年、では珍しい初夏の真夏日。 生徒達は口々に暑い暑いと言いながら、 夏限定のポロシャツをパタパタとしている。 その中でズボンまで折り曲げている奴がいる。 あいつが大也だ。 クラスの男子上位グループに君臨している。 あんな格好が似合うのがとても羨ましい。 僕も少しだけ折ってみようとズボンの裾に伸ばしたとき、 ふわっと石鹸の香りがした。 「足かゆいの?」 祐美は首にシーブリーズ

          素のままでいて。