忘れえぬおばあちゃんに三味線を

ギターもハーモニカもピアニカも弾けないけど三線だけは鳴らせるヤスです、こんにちは。

器用そうでさ、ヤスはほんと不器用だよね。

そうなんです。まー、不器用。


ネジのあたまはドライバーを回せばつぶすし、電動ドライバーなのにやっぱりつぶすしで。高倉健をたとえに出そうかと思ったけど誰も元ネタわからんだろうと、たとえに出せないくらいに不器用で。


そんな私が唯一弾ける楽器が、三線です。沖縄のあれね。正確には奄美大島の三線、奄美三味線なんですけど。


YouTubeで三味線を弾いてる人の動画を見てコピーして覚えました。独学です。奄美大島の郷土料理を出す居酒屋に行きましてね、そこの大将にちょこっと手ほどきを受けたくらい。


なんでネジ頭つぶしのヤスが三味線に惹かれたかというとね、おばあちゃんのせいです。


うちの祖父母は鹿児島県の奄美大島出身。戦争終わりに大阪に出てきました。そんなわけで奄美文化が強いヤス家でしたので私にとって第二の故郷は奄美大島です。


おじいちゃんが亡くなったあと、おじい大好きだったおばあちゃんがボケましてね。まぁ、ボケんと辛いですよ。おじいちゃんを覚えてるのは辛い。忘れたい。それぐらいおじいちゃんを愛していたおばあちゃんです。


おじいちゃんの葬式で出棺の時、「いややぁー！行かんといてぇー！わたしも連れて行ってー！」っておばあちゃんは棺にすがって大声で泣き叫びましたからね。もうさ、私も家族も親族も大号泣ですよ。今おもいだしても泣ける。


そんなおばあちゃん。認知症でとうとう溺愛していた孫（私）のことまで忘れてしまいまして。


あー、悲しい。「あんた誰や？」って目で見られるんですよ。でもどうしようもない。


そんな時に親戚のおっちゃんが昔話をしてくれました。


「みんな若い頃な、ヤスがまだちっちゃかった頃は、親戚が集まったら誰かが三味線弾いて、指笛鳴らして、踊ってな。酒飲んで、よー騒いだもんやで。あんたのおばあちゃんは、踊りも歌もうまかったんやでー」


もう三味線弾きの親戚も鬼籍に入って居ない。ヤス一族のエンターテイナーは誰もいない。


……じゃあ私が、やろうか。


「そうか！三味線に興味あるんか！」と親戚のおっちゃんは嬉しそうにしてくれまして、奄美大島から三味線をわざわざ取り寄せて、私にプレゼントしてくれました。


そこから独学で三味線練習です。沖縄の三線と違い、奄美三味線はマイナーです。ちょっと弾き方が違うんですよ。教室が少ないんですね。だから奄美の人のYouTubeを見て、手の動きや指運びをコピーします。


1曲だけある程度弾けるようになり、実家に行きました。おばあちゃんの前で三味線を見せ、覚えた曲を弾きました。


「……ん？あんた、いや、あんたちゃうわ。ヤスやな。なんで三味線弾けるようになったんや？うまいなぁ〜」


……え？


あれ？
ヤスって言った今？


「……そうやで、おばあちゃん。おれが三味線弾くからな、歌いや」


覚えたての1曲しか弾けない私。機嫌良く歌うおばあちゃん。繰り返し繰り返し、何度も何度も同じ曲を、2人で歌って弾いて。


「なんや、あんたまたその曲かいな」


「そうやで、おばあちゃん。歌えるやろ？」


♪いきゅんにゃーかぁなぁー♪わーきゃぁくぅーとぉーわぁすぅりぃてぃー♪いぃーきゅんにゃぁーかぁなぁー♪

意味：
いってしまうのですか？愛しい人よ。私のことを忘れていってしまうのですか？愛しい人。

たのしかったで、おばあちゃん。


……そんな不器用な私ですけど、三味線をペンにもちかえてメンバーさんに記事添削サービスをしてます。


おばあちゃんを楽しませるためだけに覚えた三味線を聴いてみたいって人も、ぜひうちのサロンファミリーに♪

[画像協力：さちわ]
[サロン開始から1079日]


※noteメンバーシップは非公開にしました。

◆サロンメンバーさんの近況

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和の心を愛する人生100年時代のお金の専門家（6冊目の著書絶賛発売中！）。日本人向けの『米国債投資』とは？チャンネル登録者数8000人！視聴者累計100万人！
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