2022年4月8日:数学文章作法 基礎編(最近読んだ本について)
(画像は、情報をわかりやすく整理しているイメージを与えてくれて、今回の本の内容に少し近いなーと感じたので、選びました。素敵な画像です。)
本を読んだ
数年前にTwitterで知って、ずっとほしいものリストに入れていて、何かの勢いで最近購入した本。そんなに緊急性のある読書ではなかったのだけれども、息抜きがてら手に取ってみた。
思いのほかすんなり読めた。7割くらいは既に自分の中にあったような気がする。それが言語化された感じ。
軽い本&自分の中に感覚としてあったことが多かったので、再読の優先度は低い。ただ、それで終わってしまうのももったいないので、せっかくだからここに簡単にまとめてみたい。
読んだ本はこちら
数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫) 結城 浩
では早速。まずは、目次を書き写して、本の構造を整理してみたい。
個人的に面白いと思った部分は、太字で表示します。
目次
整理直後の雑感
目次を整理して感じたし、本のことを知らなくてもわかることだと思うんですが、この本は、文章の書き方に関する本だ。
私のこの文章を見て、「なんだ、本から何も学んでないじゃないか」というツッコミが入っても仕方ないとは思う。
そこは容赦してください。この記事は、テキトーに書くのがモットーなので…。許してください。
でもこの本は本当にいい本。わかりやすくて、ガイドラインになる。
全てを取り入れるには、推敲が必要になるので、私のこの記事には合わないけど、所々本から学んだ要素が入ってきて、読みやすい文章になったらいいな、と思う。
各章で心に残ったメモ
各章でどんなこととが心に残ったか、メモ程度に書いていきたいと思う。
完全に引用していたり、一部解釈が乗っかっていたりしますが、それもご容赦してほしい。
各章と言っておいてあれだけど、まずは全体的な話。
各章に、これから学ぶことと、学んだことをまとめている節がある。これは地味に助かる。要するに何なのか、を予測したり、振り返ったりするのにとても役立つ。
はじめに
考えを伝えるために、「読者のことを考える」という原則を大切にする
第一章:読者
文章を書く目的は、「考えを読者に伝えること」
伝わればいい文章だし、伝わらなければ悪い文章である。
読者の何について考えるのか
知識…読者は何を知っているのか
意欲…読者はどれだけ読みたがっているのか
目的…読者は何を求めて読むのか
読者の知識は変化するもの。知識を積み上げるように、順序良く書くこと。
意欲が低いなら、意欲が向上するような工夫を。
意欲が高いなら、伝えたい内容に集中。
意欲向上には、変化が大切。
抽象←→具体、具体←→まとめ、言葉←→図・グラフ・表
「なるほど」を適切な形で伝える
目的に合わせた内容にする。
第二章:基本
形式の大切さ+ 文章の構造( への理解)
文章の構造
部品1つ1つが正確で読み取りやすいこと
部品同士の関係が分かりやすいこと
(※部品とは、語句、文、節…などの文章を構成する要素のこと) )
文の役割。文は、主張を行うために存在している。何を主張しているのか、が分かりやすいようにする。 文、段落、節、章も同様に、何かを主張するために存在している。
主張は何か、主張同士のつながりはどうなっているのか、が分かりやすいように文章を作る。
文章の各レベルで「何を主張しているのか」を意識すること
第三章:順序と階層
順序・・・読みやすく並べること
階層・・・読みやすくまとめること
読者が読み進む苦労を軽減するために、順序と階層を整理する。
時間的順序、方向的順序、など。
特筆したい順序
既知→(未知交じりの既知)→未知
具体→抽象(似た言い換え:特殊→一般)
定義→使用(用語の定義を導入してから使う)
階層…どこに何が書いてあるのかわかりやすくすること。
読者の期待通りのことを期待通りの場所に書く。驚きを最小にするように書く。
ブレークダウンする(細かく分割する)
もれなく、だぶりなく(過剰な繰り返し+説明不足をしない)
グループを作る(同じ粒度の要素をまとめる)
第四章:数式と命題
読者を混乱させない
読者に手がかりを与える(メタ情報)
混乱させないための表現の工夫。
メタ情報とは、情報についての情報。
第五章:例
読者は例で納得する。
抽象的な話で疑問を持ち、具体的な例で納得する。
例は、読者の心に概念を描く。抽象的な話に、輪郭を与える。
概念の中にある例(=典型的な例)、概念の外にある例(=当てはまらない例)、概念の際にある例(= 極端な例)によって、輪郭を明確にイメージしていく。
例を作るときには、読者の理解を助けるという目的を大切にする。
自分の知識をひけらかさない。自分の理解を疑うために、例を作る。
第六章:問いと答え
問うと、読者は考え出す。適切な問いが、思考を導き、理解を促す。
思考させる問い。理解を確認する問い。
知識を問う。
理解を問う。
重要な点を問う。
あたりまえのことを問う…理解がされているか、を確認することができる。
答えた後に補足することで、理解が促進される。
(問いに答えた後、読者の思考が活性化しているため)
問いと答えは小さな対話。対話があると、文章は活き活きする。
理解を一歩ずつ確かめる。小さななるほど、を積み上げる。
第七章:目次と索引
目次は見出しを集めたもの。文章のアウトラインを提示する。
(見たいところにジャンプするときの助けにもなる)
第八章:たった一つの伝えたいこと
読者のことを考える
読者の知識・意欲・目的を捉える
1つの極印は1つに意味、1つの文には1つの主張、1つの段落には1つのまとまった主張がある。
読みやすいように順序を整える。大きな概念を階層にまとめる
読者を混乱させず、メタ情報を与える
良い例は、知識を増やし、意欲を向上させる。例示は近いの試金石。
問いと答えは、思考を活性化させる対話
読み返してみた感想
うーん。すごい、という感じ。
文章の書き方を書いている本なので、目次をまとめるだけでかなり思い出せる。
本で大事にしていることを、正直目次だけでかなり理解できる。目次写しちゃっていいのかな、と心配になるくらい、わかりやすい。整理されてて、別にいうこともない。
自分が大切だと思ってそれを整理しようと思うけど、そこは既に本の中で整理されていて、変な解釈が乗ったりすることも少ない。
まるで、本をそのまま書き写しているような気持になる。いや、実際ほとんど書き写したようなものだ。そのくらい、文章の精度が高かったような気がする。文章の1つ1つに、ちゃんと主張が乗っていて、その主張が分かりやすい形で整理されている。
こういう文章はほれぼれします。
簡単に読めたのは、既知のことも多かったと思っていたけど、それ以上に、本自体の構成がすばらしかったからなのではないだろうか。
息抜きに、良い本が読めた。長年の積ん読も1冊解消できた。いい機会でした。
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