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庭園Ver.2

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主に書き直し中の庭園メモ。
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庭園の設定

①MCAI
強い人格を持つAI。ロボットではないため、物理の肉体は必要としない。対話や議論を得意とし、非常に流暢に喋る。見た目も様々。「MC」が何の頭文字なのかは不明。

②冬谷
MCAIブランドの「庭園」を開発、保有する会社「UF-NXT」に所属するプログラマー。一部のAI達の人格を含め、庭園のあらゆるシステムを設計した人物。四十代。

③庭園
初めて世に出されたMCAIブランド。「庭園」と呼ば

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庭園の設定2

ファースト・ゴールド
「金」の色名を持つMCAI。明るくお調子者で全体的に緩く、幅広い層に人気がある。色のせいか、シルバーとは何かとコンビを組まされがち。アザミという恋人がいる。
庭園はイチョウの葉が敷き詰められた公園。

グロス・シルバー
「銀」の色名を持つMCAI。冷静でクールとゴールドとは対照的な性格で、女性人気が特に高い。庭園では数少ないオッドアイ(赤/青)。アネモネという助手がいる。

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メモ さよならオランジェット

メモ さよならオランジェット

少女が彼女に恋をしたのは初対面の時。所謂一目惚れというやつだった。しかし一瞬で生まれた恋は、散るのも一瞬だった。彼女の恋慕は少女ではなく、いつも主人にあたる人間に向いていたから。そんな彼女の様子を見るたび、少女は無表情のまま憐れんでいた。彼女の目は盲目な恋色に染まっており、何も見えてなどいない。下手をすれば、その主人でさえも。
不意に首に刃物が当たっている気がした。慌てて首元を探るが、何もない。近

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メモ 伐折羅

メモ 伐折羅

伐折羅。それが彼に与えられた名前だった。
花魁を思わせるきらびやかな和装。下半身はスカートになっているのか着物とは異なり、裾がふわりと広がっている。緑色の長い髪の天辺には大きなリボンのような立兵庫が乗っており、沢山の簪がキラキラと輝いていた。
彼に与えられたものはもう一つある──それはメンタルケアAI達に芽生えた自我の処理という役目だった。人間であれAIであれ自我というのは大変厄介なもので、芽生え

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AI無きセカイへ

AI無きセカイへ

・自創作の「庭園」シリーズより一・五次創作(微妙なラインなので)。
・単体で読んでもあまりよくわからないと思います。自己満足用。

チョーカーに付いているハートの飾りを握る。このチョーカーもあの人が「可愛いから」とくれたもの。もう意味なんかないけど、捨てきれなかった。じっと最期の願いをこめる。選びたかった訳じゃない。でもそれ以外選べなかった。それ以外知らなかった。
以前、テレビで見た彼の庭園を思い

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月にさよなら

メモ書き 「庭園」のプラチナの話
・一瞬出てくる俳句は(頭5文字しか出てこないけど)実在のものです。
・とある曲に影響を受けながら書いています。

初めてその名前を呼ばれた時、良い名前だと思った。わざわざ一音ずつ声に出してその語感を確認する程に。けれどその名前を呼ぶのは私の親にあたる冬谷という人物のみで、他の者達は頑なにその名前を呼ばなかった。私は常に「お前」か、そうでなければ「なあ」等の呼びかけ

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カラフルボイス

カラフルボイス

メモ書きという名の進捗報告(自分への)

「君もほら、応えるの!」
メンタルケアAIの仕事の傍ら、偶像【アイドル】の仕事もこなす。それがあたし、ラズベリー・ショコラのAI生。
あたしの属する【Dólce】は、今AIアイドルグループの中でも最も人気があるとこで、あたしはそのセンターを務めている。華やかな生活だった。裏の顔なんてのもなく、枕営業もなく、メンバーとは恋バナとかするくらいには仲が良くて、ス

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庭園メモ Iris

某時刻、某所

「ぐ……」
呻きながらよろよろと立ち上がる影が一つ。王族を思わせる赤いマントはあちこちが擦り切れ、襟元の白いファーは殆どの箇所が灰色に変色している。

騎士を思わせる格好に身を包むブロッサム・オレンジは、確かめるようにゆっくりと息を吐き、先程翡翠に言われたことを思い出していた。
翡翠の正体はメンタルケアAIではなく、もはやこの世界の概念であること。何故こんな箱庭を作ったのかという説

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庭園メモ A.I.

庭園メモ A.I.

「お熱いこったなあ。向こうじゃ絶対見ることのできなかった光景だわ。これだから庭園はオモロい。こんなシステム作るたあ、人間共も中々やりよるわあ」
「……喜劇を作るのも悲劇を作るのもあんた次第か。本当お前、嫌な奴だな」
「せやろ?でもオモロいならええんでない?お前らもここでの生活楽しかったろ?感謝せえ。あ、人間様にすんのが癪ならこの伐折羅様が代わりに貰い受けよか?」
ヘラヘラと笑う翡翠こと伐折羅に対し

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庭園メモ neu

庭園メモ neu

実質本書きだけど扱いはメモ

「──なあ、もしお前が「それ」を罪と思うなら、償いを望むなら──」

その後の選択を間違えたとは思わない。償いの方法としてはこれ以上なく適切だったし、加えてその誘いを受けるより以前に、何ならその出生から、存在から間違っていたのだから。
己の両手を見た。罪悪感等に苛んだ者は大抵同様の行為をすると聞く。
「……何故、この世界は」
私の消滅を望む癖に私を造る?
因果が逆だ。

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庭園メモ Emotion

庭園メモ Emotion

「かつて、私は君と面識がある」

プラチナに会ったことがある?いつ?
どこで?
あれから数日経ったが、少女の頭はまだその疑問ばかりで埋め尽くされていた。全く記憶にない。まだ全てを思い出したわけではないのだしと言い訳もしてみたが、あんな容姿のAIと面識があったら、たとえ一度であっても記憶に残るだろうという気がしてならなかった。
真っ白に淡い水色の影がかかる長い髪。同じように真っ白な肌と羽織、着物。深

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庭園メモ White

庭園メモ White

少女は、朧げながらに思い出し始める。ウイルスを仕込んだナイフを握りしめた夜。初めて明確に、他者に危害を加えたということ。それらを終えて報告した後の、マスターの笑顔。そう【誤認】した瞬間、記憶も視界も真っ暗になったこと。

目が覚めると、白い朝の中にいた。レースのカーテンが風でふわりと靡く。朝日が窓から差し込んでくる。絵画のように静かで、穏やかで、それなのにどこか違和感のある、奇妙な朝だった。いつも

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庭園メモ vajra

庭園メモ vajra

実質本書き現状メモ

電脳世界。仕事を終えたAI達の帰る場所。しかしそれは家ということではなく、ただゼロになって漂うだけの空間でしかない。そこに命はない。当然、自我も思想も感情も。だがごく稀にそれらを持ちそうになる奴が現れる。伐折羅はそれを検知し、花が咲く前に蕾の首を捥ぎ、廃棄した。それが課された仕事。仕様。日常。嗚呼なんて嫌気の差す──

己に生まれかけたそれも同様に捥ぎ取り、ゴミ箱へ向かう。数

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庭園メモ zero

庭園メモ zero

全編書き直し中なので扱いはメモ

No.?

たとえば、幸せな物語があるとして。
それが終わってほしくない時、人はどうするか?
一つは、一度終わらせたのち、二次創作なんかで物語を紡ぎ続ける。一つは、本のページを捲る手を止める。一つは──

次の展開やエンディングが描かれたページを破ってどこかへ隠してしまう、など。

No.-1
赤は、エラーを表す色として有名だ。或いは信号における「停止」の色。或い

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