最近の記事

Aim for the LA28「子どもの才能を伸ばしてあげたいっ!」

先日、オリンピックが終了し、日本の選手が沢山活躍したので、「うちの子も…」と取らぬ狸の皮算用を始めた人も多いことだろう。 ここで最も気になるのは「才能」 うちの子には何かの才能があるのだろうか? もし何か才能があるのなら伸ばしてあげたい、と思うのは親心というものだ。 だがしかし、自分ちの子が金メダリストになったらいいのになぁと思いつつ、才能もないのにお金と時間をかけ、土日の休みを返上して頑張っても、大した選手になれずに終わってしまっては無駄だしなぁと思っているのだとしたら

    • Aim for the Paris2024最終回「君は「うなぎのエリック」を知っているか」

      うなぎのエリックの話 「うなぎのエリック」ことエリック・ムサンバニさんは、シドニーオリンピックの100m自由形に赤道ギニア代表として出場した。 オリンピック主催側がスポーツの普及を目的に、オリンピック標準記録を達成していなくても、各国に男女1名ずつの出場枠を与えているが、エリックはその枠で出場したのだった。 ろくな練習施設もないので、スタートの飛び込みやターンの練習はやったことがない。深くて透明な水がなみなみと溜まった50mプールを見ることさえ初めてだった。 エリックはス

      • Aim for the Paris2024「LA28は本当の平和の祭典でありますように」

        Paris2024オリンピックが終わった。 日本はたくさんのメダルを獲得し、大いに盛り上がった。 Tokyo2020に向けて選手を強化した、その名残というか効果の継続というか、その影響は大きかったと思う。 また、メダル獲得数を考えた時、やはりロシアの不在の影響は大きい。 Tokyo2020でのROCの獲得メダルは金20銀28銅23計71。これが各国に分散されたわけだ。 例えば男子体操。日本は団体、個人総合、種目別で金3銅1を獲得したが、Tokyo2020の時のメンバーから

        • Aim for the Paris2024「中国金メダルのインパクト」

          Paris2024 新体操(RG)団体決勝 結果 これは後世に語り継がれる歴史的出来事になるのではないだろうか。 中国はロシアのコーチがいるとは言っても、演技構成はとても中国的で、京劇などの伝統的舞踊の匂いを感じさせるものだった。 Tokyo2020の後、採点に「芸術性」が独立して加えられたことによって、RG界では「芸術とは何か」という議論が渦巻いた。 クラシカルなバレエ的価値観に縛られてきたRGが、一層コンサバティブな方向へ行くのかと思いきや、ダイバーシティの方向へ向か

        Aim for the LA28「子どもの才能を伸ばしてあげたいっ!」

        • Aim for the Paris2024最終回「君は「うなぎのエリック」を知っているか」

        • Aim for the Paris2024「LA28は本当の平和の祭典でありますように」

        • Aim for the Paris2024「中国金メダルのインパクト」

          Aim for Paris2024「選手の名前は、できるだけオリジナルを尊重しようよ」

          日本のオリンピック中継で一番気になるのは選手の名前の呼び方である。外国選手の名前を勝手に自分流に変えて呼んでいいものなのか?と思うのだ。 私は今までいろいろな場面で何度もそれについて言っているのだが、まったく改まる気配がない。ま、私がなにか言って変わるわけはないのだが・・・ 中国の選手なんかは頑なに漢字の日本読みで呼ぶ。 例えば、Zhang Bohengをチョーハクコー、Xiao Ruotengをショージャクトー。 解説の米田氏が間違ってシャオルーテンと言おうものなら、アナ

          Aim for Paris2024「選手の名前は、できるだけオリジナルを尊重しようよ」

          Aim for the Paris2024「GOATバイルスの唯一の敵は自分」

          女子個人総合は、シモーン・バイルス選手が、もう決められていたかのように金メダル。 段違い平行棒で落ちそうなミスをしてもダントツの点数で優勝するんだから、まさにGOATである。 この先、少なくとも私が生きている間は、男女合わせてSimone Biles選手を超える選手は出てこないだろう。 もちろん、技術的に、あるいは点数として超える人は現れるだろうけれども、そのレベルで10年以上世界のトップに居続けることは難しいに違いない。 ただ、それだけに精神的なコンディショニングには苦労し

          Aim for the Paris2024「GOATバイルスの唯一の敵は自分」

          Aim for the Paris2024「新たなヒーロー リトルジャイアント登場」

          リトルジャイアント”オラ”岡慎之介選手 優勝おめでとう!! 伸び盛りで迎えたこのParis2024で、安定したオールラウンダーらしい演技を積み重ねた。 正直言って、メダルに届けばいいなぁ程度に思っていたので、期待を大きく超えてきた岡選手には脱帽するしかない。 選手によっては怪我をするとそのままくじけていってしまうのだが、岡選手は2年前の大怪我を成長に変えた。そういう楽天的な思考も、とんでもなく緊張する決勝を戦うには良かったのだろう。 2位のチャン・ボーヘン選手。 最初の床

          Aim for the Paris2024「新たなヒーロー リトルジャイアント登場」

          Aim for the Paris2024「体操・団体総合 優勝おめでとう!」

          Paris2024体操・団体総合 結果 男子は日本優勝。素晴らしい。 中国のミスで、もらった勝利? 確かに、直前に選手交代を余儀なくされた中国チームの選手達は悔しかっただろう。交代で出場したスウ・ウェイデ選手は、前に見たときには日本の脅威になる選手という印象だったが、今回は半分観光気分の補欠で来ていたのだろうから、ものすごく緊張する場面に放り込まれたら、鉄棒のあのミスも仕方ないだろう。そういう状況になってしまった中国のチームマネジメントの失敗である。 その失敗を誘発させた

          Aim for the Paris2024「体操・団体総合 優勝おめでとう!」

          Aim for the Paris2024「体操、予選を終えて」

          男子・団体は厳しいぞ! 中国が予選1位なら、いっそ日本は3位のほうが決勝は戦いやすかったかもしれない。 まあ、仕方ない。一人ひとりが0.1点ずつを拾っていって、決勝で逆転を願おうじゃないか。 個人総合は岡慎之介選手が2位で決勝へ。 私、前回までの「Aim for the Paris2024」には書いていませんでしたが、家族や知人には「オカシンがどのくらいの順位に来るか楽しみなんだよ」と言っていたので、楽しみだ。 橋本選手が3位。 指の怪我が思ったよりも重症だったようで、練習

          Aim for the Paris2024「体操、予選を終えて」

          Aim for the Paris2024「感動的な雨の開会式」

          オリンピック大好きな私は、この開会式も大きな楽しみのひとつだ。 その国の文化、芸術、スポーツの粋を集めて開催されていて、毎回、驚きと感動を与えてくれる。 今回は、夏季大会史上初めて、スタジアム以外の場所でセレモニーを行うということで注目を集めた。 それによって一番良かったのは、選手団の入場行進じゃないだろうか。 毎回毎回、バラバラでダラダラで時間ばかりかかる入場行進は、正直言って開会式の汚点だった。近頃はほとんどの選手は開会式に出ていないから、コーチや役員ばっかりの行進を

          Aim for the Paris2024「感動的な雨の開会式」

          Aim for the Paris2024「体操の見どころ」

          もう間もなくだ。 思えば3年前の今頃は、毎日、体操の競技会場の有明体操場と、練習会場の東京ビッグサイトに通っていた。 そう思うと、やっぱり3年は短い! さて、体操は開会式翌日から予選が始まる。 女子、団体総合は、Tokyo2020優勝のロシアがいないので、バイルス選手の復活したアメリカが圧倒的に強いだろう。2位争いはブラジル、中国、イギリスなどが横並び。 個人総合ではバイルス選手が抜けている。2位争いは大混戦と言えるだろう。私の推しはブラジルのアンドラージ選手、フランスの

          Aim for the Paris2024「体操の見どころ」

          Aim for the Paris2024「選手だって間違うことはあるよ、人間だもの」

          オリンピックと言っても、その期間は約2週間あるので、種目によってはもうすぐだったりまだまだだったりする。 とはいえ、後半の競技だとしても、金銭的に余裕のある競技団体の種目であれば、すでにパリ、あるいはその近くに行っているはずだ。 そんな中、ニュースが飛び込んできた。 体操・女子チームはモナコで調整中だったのだが、日本のエース宮田の”笙子様”(19歳)がタバコでつかまって強制送還されるらしい。 おいおい・・・ びっくりというより、がっかりというか、さもありなんというか・・・

          Aim for the Paris2024「選手だって間違うことはあるよ、人間だもの」

          Aim for the Paris2024「オリンピック放送にはお世話になります」

          いよいよカウントダウンも最終盤。 日程はどうだったっけ。あ、ビデオの予約をしなきゃ。そういや日本以外の出場する選手もチェックしとかなきゃな。と、私の中のオリンピックモードが徐々に濃くなってきた。 ほとんどの競技でテレビ中継があるのは、本当にありがたいと思う。放送局の皆さんも、エキサイティングに伝えようと頑張っているのは分かる。 ただ、その方々にお願いしたいことがある。 第一に、日本人ばっかりダラダラ追いかけていないで、外国の選手の競技もしっかり放送してもらいた。 昔は開催

          Aim for the Paris2024「オリンピック放送にはお世話になります」

          Aim for the Paris2024 「世代間の争いも楽しみの1つ」

          Paris2024の体操・女子U.S.A代表に、Tokyo2020個人総合チャンピオンのSuni Lee選手が返り咲いた。 体操に限ったことではなく、Tokyo2020では代表選手は1年延期された上に、その間、まともに練習できなかった期間があって、必ずしもベスト・パフォーマンスを披露できなかったと感じている選手が多いのではないだろうか。 しかも無観客で、湧き上がるような声援や喝采の感動を味わえなかった。 各々が知っているオリンピックに比べて、「イマイチだなぁ」と思ったとして

          Aim for the Paris2024 「世代間の争いも楽しみの1つ」

          歴史古地図研究会の事件簿 第8話「貫太郎の苦悩」

          #創作大賞2024 #ミステリー小説部門  おいらの家は江戸時代から続く大工の家で、今はそれなりの規模の工務店として、オーストリアからやってきた父ちゃんが社長となって続いている。おいらは長男だから家を継ぎたいと思っている。  小学校の図工はそれほど得意じゃなかったし、中学校の技術・家庭も普通だったから、大工の棟梁って柄じゃないんだろうけど、修行して頑張るしかない。  大学生になって、うちの手伝い兼アルバイトとして、うちの会社の備品である道具の手入れや、材料の下準備などを手伝

          歴史古地図研究会の事件簿 第8話「貫太郎の苦悩」

          歴史古地図研究会の事件簿 第7話「魔法の仙薬」

          #創作大賞2024 #ミステリー小説部門 1 前期試験の勉強に疲れ、リンはふらりと部屋を出た。  もうすぐ日付が変わろうかという時間だ。  真夜中だというのにアパートの階段も、道路も、どこもかしこも明るくて、梅雨が開けたばかりの空に星は数えるほどしか見えなかった。故郷の長野県の満天の星を思い出して、リンは小さくため息をついた。  コンビニに行って、大好きないちごシュークリームを買うつもりだった。けっこう勉強を頑張ったから、そのくらいの贅沢は許そうと思ったのだ。  歩きながら

          歴史古地図研究会の事件簿 第7話「魔法の仙薬」