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Aim for Paris2024「選手の名前は、できるだけオリジナルを尊重しようよ」

日本のオリンピック中継で一番気になるのは選手の名前の呼び方である。外国選手の名前を勝手に自分流に変えて呼んでいいものなのか?と思うのだ。
私は今までいろいろな場面で何度もそれについて言っているのだが、まったく改まる気配がない。ま、私がなにか言って変わるわけはないのだが・・・

中国の選手なんかは頑なに漢字の日本読みで呼ぶ。
例えば、Zhang Bohengをチョーハクコー、Xiao Ruotengをショージャクトー。
解説の米田氏が間違ってシャオルーテンと言おうものなら、アナウンサーが慌てて、びっくりするくらい強い調子で「ショージャクトーですねっ」と訂正する始末。滑稽だ。
おそらく中国の選手といえども、大会への登録に漢字を使っているとは思えないし、パリから届く映像のどこにも”張博恒”なんて書いてない。だから、Zhang Boheng(チ(ヂ)ャン・ボーヘン)選手とチョーハクコーという呼び名を結びつけるものは何もない。初めて見る人は混乱するばかりだ。
同じように漢字の名前を持っている韓国の選手の場合は、おそらく韓国での発音に近い呼び方をしている。国によっての扱いの違いにも戸惑わされる。

漢字の国だけではない。ブラジルのRebeca Andradeはアンドラージに近い発音なのに「アンドラーデ」、Simone Bilesはシモーンに近い発音なのに「シモーネ」と、頑なに言い続ける。

もちろん中国語の発音は難しいし、他の外国の名前の発音も難しい。
しかし、だからといって勝手に呼びやすく変えてしまっていいものか? しかも中国の選手なんかはまったく違う呼び方に。

日本のKishi Rina選手なんかは外国の人でも発音しやすいと思うが、Ushioku Kohane選手となると、アメリカ人あたりは「ユーショック・コヘイン」と呼びそうである。でも、MLBの放送なんかを見ていると、アメリカのアナウンサーが、発音しにくい日本人の名前を一生懸命練習して日本での呼び方と同じになるように努力している。人の名前に対するリスペクトを感じる。
そりゃそうだ。名前を間違って呼び続けるって非常に失礼だし、恥ずかしいことのはずだ。ここ日本でもね。
「日本国内で日本人だけに向けて放送しているんだからいいじゃん。どうせ本人も聞いてないし」という判断か? もしそう思っているのなら、このグローバルの時代に、あまりにも怠慢じゃないだろうか。子供たちの教育にも良くない。

だいたい、本人にインタビューするときもそう呼ぶんだろうか? チ(ヂ)ャン・ボーヘンさんに向かって「チョーハッコウさん、残念でしたね」って? ぶっ飛ばされるぞ。

NHKなんかは、NHKを規定する法律に「中国人の名前は、漢字の日本読みで呼ぶこと」と書いてあるのかもしれない。だとしても、もうそろそろ考え直すべき時が来ているのではないだろうか?
文科省も外務省も、全部ひっくるめて、いっせいのせで変えればいい。中国に「うちの国民の名前を変な呼び方するから日本の車は買わな~い」とか言われる前にね。

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