Aim for the Paris2024 「世代間の争いも楽しみの1つ」
Paris2024の体操・女子U.S.A代表に、Tokyo2020個人総合チャンピオンのSuni Lee選手が返り咲いた。
体操に限ったことではなく、Tokyo2020では代表選手は1年延期された上に、その間、まともに練習できなかった期間があって、必ずしもベスト・パフォーマンスを披露できなかったと感じている選手が多いのではないだろうか。
しかも無観客で、湧き上がるような声援や喝采の感動を味わえなかった。
各々が知っているオリンピックに比べて、「イマイチだなぁ」と思ったとしても仕方がないだろう。
そこで、Tokyo2020後に一度燃え尽きた闘争心に火をつけ、もう一度やる気を奮い起こして、本当のオリンピックを味わいたいと、再度チャレンジした選手も多いのではないだろうか。
Lee選手などは、それでまた代表になれるのだから大したものだ。
4年という間隔は、絶妙に新旧の選手を入れ替えさせる期間だと常々思っている。
例えば女子の体操選手の場合、だいたい10代の前半で頭角を現し、強化選手などに選ばれ、10代の中盤から後半で代表入りしていく。そして20歳前後で世界のトップで争う。その間7~8年とすると、オリンピック1回毎に選手が半分入れ替わっていくイメージになる。
体操に限らず、そうやってうまく世代交代していく国は、選手層が厚く、次々と良い選手が現れるということなので、継続して高いレベルが保っていける。
しかし、何らかの理由でそれが滞ってしまうと、そのあと、ガクッと弱くなってしまうことがある。
例えば政治的な理由や疫病の影響など、自分の実力とは関係のないことのせいでオリンピック出場が叶わなかった場合に、その選手は「次こそは」と、もう4年頑張る。もともと実力のある選手だから、本来引退するべき時期を4年延長されたら、次の代表になれたであろう若手はその出番を失う。そして、4年後には引退を延長した実力者たちが一斉に引退し、国としての実力がガクッと下がる。世代交代の継続性がなくなってしまい、その影響は数年続く。
そうかといって、ベテラン選手に「次の世代のためにあなたは引退しなさい」などと言う権利は誰にもない。その引導を渡せるのは、次の世代に選手だけなのである。
Paris2024にはTokyo2020で見た選手が多く再出場してくると思うが、新たなスターもたくさん出現することだろう。
そんな新旧の真剣勝負も楽しもうじゃないか。
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