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右目と左目と母の話

皆さんは、ご自分の左右の目のうちどちらがより好きですか。

わたしは自分の右目の方が好き。なぜなら二重幅が安定していてよりかわいらしい印象をもっているから。
左目はいつも大体奥二重になっていて、右目と比べるとやや切れ長の印象がある。それはそれでクールなので、左目も決して嫌いではない。

こんなふうに、目の左右差について考えるとき、いつも思い出す母とのやりとりがある。


幼い頃、人間の右目と左目の形は実は少し違っていて左右対称ではないのだということに初めて気がついた時期のこと。わたしは母親にこう聞いた。
「わたしの右目と左目、形が違うよね。どっちが好き?」
母親は少しわたしの目を見て考えたあと、片方の目を指してこう言った。
「こっちの目の方がかわいい感じだね」
そしてもう片方の目を指して、
「でも、大人になったらこっちの目がきれいな感じでいいかもね」
とも言った。


母親がそれぞれどっちの目を指して言っていたのかはもう忘れてしまったが、それ以来わたしは、自分の目は「かわいい目」と「きれいな目」のふたつで構成されていると信じるようになった。
20年くらい経った今でも、このときの母親の言葉のおかげでどちらの目もまあまあ好きでいられている。
左目のまぶたを整形して右とおそろいの二重にしようかな、なんて思う日も正直あるんだけど、このやりとりを思い出すと左右差もいとおしい感じがして保留にしている。実際左目には右目にはない魅力もあると思うし。

ふたつの目にそれぞれうれしい言葉をかけてくれた母に感謝。

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