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抜毛症歴15年のわたしが抜毛改善法について語る

割引あり

抜毛症になってから随分長い時間が経ち、振り返ってみるとこれまで試してきた改善法も結構色々あったのでまとめてみようと思います。色々ありすぎて長くなりましたがどれも実体験に基づくわたしの正直レビューなので読んでいただけたら嬉しいです。

これまでのあらすじ

抜毛のきっかけ

わたしの抜毛症が始まったのは今から15、6年ほど前、小学校4年生の頃だった。きっかけは、母も抜毛症(たぶん、軽度の)だったから。母は時々髪の毛を抜いたりハサミで切ったりしていて、わたしがどうして?と聞くと「ぼこぼこした変な髪の毛が気になるから」と言っていた。

それを聞いてからわたしも自分の髪の毛の中に「ぼこぼこした変な髪の毛」が混ざって生えていることに気がついて、そういう髪の毛を探し出しては抜くようになっていった。
そのうちにだんだん髪の毛を抜くこと自体が癖になってしまって、ぼこぼこしたりチリチリしていたりしない普通の髪の毛であってもとにかく構わず抜くようになった。もしかしたら単なる「母親の真似」だけではなくて、何らかのストレスのはけ口にしていたのかもしれないけれど、今となってはどうしてやめられなくなったのか思い出せない。小さい頃は母親ゆずりのくせ毛がコンプレックスだったから、ひょっとしたらそういうのをぶつけていたところもあるのかな。

抜毛症黎明期(?)の思い出としては、授業で自画像を描くときに生えかけの毛が頭頂部にぴょんぴょんとしているのを描くかどうか迷ったことや、頭頂部の髪が薄くなっていたために、それまで母親が毎朝ツインテールに結んでくれていた髪の毛をポニーテールに結ぶようになったこと、隣の席の男子に「どうして髪の毛を抜いてるの?」と聞かれて母親と同じように「変な髪の毛が生えてるから」と答えたことなどを覚えている。

抜毛との闘い

その後、中学に上がっても、高校に進学しても、大学に行っても、就職して一人暮らしを始めても、抜毛癖は治らなかった。自分でヘアセットするようになってからは三面鏡とにらめっこしながらハゲ隠しのためにヘアアレンジをし、お小遣いがあれば地肌を黒くするために黒染めスプレーを買い、できる限り友達との温泉やプールイベントなどを避け、とにもかくにももう15年以上自分で自分の髪の毛を抜く癖がやめられないまま生きている。

中学生の頃にネット検索をして、自分が「抜毛症」という精神疾患なのだということを知り、それ以来、色んな抜毛症の改善方法を試したりしてきた。今のところ、わたしはどれを試しても完全に抜毛症とおさらばできたわけではないのだが、他の方には有効な方法もあるかもしれないので、いろいろ試した内容とその感想をここに記しておく。同じように抜毛症で悩んでいる方の参考になったら嬉しいです。


通院・薬

発症してから一人暮らしを始めるまではネットの情報等を参考に自力での抜毛症の改善を目指していたが、それ以降はAGAクリニック(要は薄毛治療専門のクリニック)とメンタルクリニック(2箇所)への通院経験がある。
AGAクリニックでは、毛を抜いてしまうことに対する治療はできないが髪を生やす手助けはできると言われ、発毛促進の薬の処方と経過観察をしてもらっていた。
1軒目のメンタルクリニックでは薬を処方してもらっていたが医師の先生の無神経な発言に腹が立ったため転院。
2軒目のメンタルクリニックではカウンセリングをしてもらっている。

発毛促進効果のある薬―★★★☆☆

AGAクリニックで処方されたもの。
毛の成長速度を上げる薬で、ハゲてしまった部分の修復を助けてくれる。ただ、副作用で身体の体毛という体毛が濃くなったり(今まで生えていなかった部位にまでムダ毛が生え始めた)むくみや頭痛が出たりしてちょっと怖かったのと毎日薬を飲むのが面倒くさかったので最近は飲むのをやめている。
もちろん髪の毛を抜いてしまうことへの直接的なアプローチではないので自然に抜く本数が減るなどということはないが、髪が増えやすくなる(ちょっと抜毛を控えたときの効果が見えやすくなる)ためモチベーションの維持には効果があったと思う。
保険診療ではないので費用的にはちょっと高め。
※この記事は薬の自己判断による服用を推奨するものではありません。服用方法や副作用について必ず適切な機関で説明を受けてから処方してもらってください。

メンタルクリニックで処方された薬―☆☆☆☆☆

1軒目のメンタルクリニックで処方されていたもの。イライラを抑える薬?みたいなものを処方してもらっていたと思う。
何種類か出してもらったことはあるが、わたし個人の感覚としては特に抜毛症改善に繋がったものはなかった。わたしは眠気があるときに髪を抜きがちになってしまうため副作用として眠気が出やすい薬はやめてくださいとお願いしていたので、合う薬を探すことが難しかったのもあるのかも。

育毛剤―☆☆☆☆☆

大学生の頃に通販で買った頭にかけるタイプの育毛剤。
匂い(香料?)がおじさまっぽい匂いできつく、全然使う気になれなかった。ほぼ使ってないので効果もわからん。

AGAクリニックでの経過観察―★★★★☆

AGAクリニックでは、毎回通院のたびに頭皮を直接看護師の方に見てもらっていた。症状がよくなっているときは褒めてもらえてモチベーションも上がったし悪化しているときもそれなりに励ましてもらったような気がするのだが、なぜかうまくいかなくて最後の頃はずっと悪化していた気がする。
ただ、自分のありのままの頭皮を他人に見てもらって髪が生えるのを応援してもらう機会は貴重だったと思う。抜毛するとすぐにハゲていくが、抜毛を我慢しても結果が表れるまでにはすごく時間がかかるので、少し毛が生えてきた程度の変化でも喜んでくれる人がいるのは心強かった。「頭皮は健康な状態だから抜くのを我慢すれば絶対に生えてくるよ」などと面と向かって励ましてくださったのは嬉しかったし前向きな気持ちになれた。
デメリットとしては、頭皮を直接見てもらう必要があるので当日は黒染めスプレー等を使用できず前後に予定が入れられないこと。

マイクロスコープでの頭皮観察―★★★☆☆

AGAクリニックで初回の診察時にやっていただいたもの。医師の先生が頭皮にマイクロスコープを当て、それをタブレットで見せてもらった。
ただ自分の頭皮を自分で見ただけなのだが、抜かれても抜かれてもけなげに生えている短い毛が愛おしくなり、守らねばという気持ちが生まれた。
とはいっても自宅にマイクロスコープなどないし、わざわざこのためだけに買うのもな~と思っていたところ、iPhoneとiPadなどの画面をミラーリングできるアプリを見つけた。

このアプリを使ってiPhoneの画面をiPadにミラーリングし、その状態でiPhoneのカメラを起動して自分の頭皮を映すと大体似たような映像が見られる(ズームするとなおよし)。
自分の頭皮をじっくり見てみたいという人はやってみてください。

心理士の方によるカウンセリング―★★★★★

2軒目に通い始めたメンタルクリニックでお願いしているカウンセリング。
AGAクリニックでの経過観察の経験から、誰かに悩みを打ち明けながら、話を聞いて励ましてもらいながら治療したいという気持ちが強くなり、カウンセリングが受けられるメンタルクリニックを探した。
相談している内容が抜毛症のことだけではないのもあり、劇的な効果があるわけではないのだが、心理士さんの質問に答えていく中で抜毛症を改善するヒントのようなものが少しずつ得られている気がする。
例えば、髪の毛を抜くに至る動作を細かく説明したことから、「ターゲットの髪の毛を1本つまむところまでいっても、そこから手を放して髪を抜かないという選択肢を取ることもできるんだ」と気づくことができたり、抜毛の記録をつけたことで自分がどんなときに髪を抜いてしまうか傾向を掴むことができたり。
ただ、これは担当してくださる心理士さんとの相性がかなり重要だと思う。時間の都合で一度他の心理士さんにカウンセリングしていただいたこともあったけど、ちょっと嫌だな~と思う質問のされ方をしたので元の心理士さんに担当を戻した。合わないなと思ったら他のカウンセラーの方を探した方がよいかも。

物理

髪を抜く動作を物理的に邪魔したり頭皮を刺激したりして抜毛を抑制する系ソリューションたち。

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