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学校ICTの日常化を阻む元凶は「授業支援システム」ではないか?④ ”ロイロノート vs スクールタクトの二強時代へ”

"学校ICTの日常化を阻む元凶は「授業支援システム」ではないか?"の連載の4回目、最終回です。
これまでかなり真面目に書いてきた反動がタイトル画像に出てしまいました...。これは杉山さんと後藤さんに怒られる(あわわ)

今、新型コロナの休校措置に対し、オンライン授業関連で標準授業時数や著作権法の制度見直しが爆速で進んでいます。

この2つがオンライン授業への制度的制限の双璧だと思っていたので、このスピード感にはとてつもない驚きと、裏側で恐らく血汗をかいている官僚に頭が下がりまくる思いです。
この国難への対応を必死に模索するなかで、学校制度が始まって以来の転換が起きるように見えます。
そんな中ですが、この記事はそこまで変化ではないですが、着実な変化への流れを書いているつもりです。
新型コロナウイルスで外出自粛している方々、お時間があればお読みください。

ちなみに、前3回含めてこれまでの内容は以下でマガジン化しています。連載形式なので、続けて読むとより分かりやすいはずです。他の回も読んでいただけると嬉しいです。

今回はタイトル画像からして、多方面からクレームがきそうなので、一応、保険をかけておこう。

個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
この記事はフィクションです。登場する人物・サービス名等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

よし、これで杉山さんと後藤さん以外からは怒られないはず!

授業支援システムを選択するポイント

前回の"授業支援システムにも転換点がきている"において、授業活用における授業支援システムの役割を記載しました。
やはり"授業活用"に焦点を当てると、授業支援システムの活用が日常化への導線になりえる、と。

そんな授業支援システムの選定ポイントは、私見では以下あたりでしょうか。

①課題の配布と回収とかができる(当たり前な感じですが)
②児童生徒の個人を識別してログインする仕組みである
③クラウドベース・マルチOS対応(できればブラウザアプリ)である
④先生がちょっと頑張れば使える

①については、なんも変哲が無いこと言っているだけですが、、、
機能過多、特に管理機能をうたうようなサービスは、結果として活用率を高めていない、と感じています。その辺りは第1回でも書いている部分です。
機能多すぎ問題は、結果として「④先生がちょっと頑張れば使える」に影響します。

②については、ログインをしないサービスもありますが、例えば「4年1組10番」のような、その年度しか使わないアカウントで運用しているケースも多くあります。
そうなると、個人を識別している訳ではなく、児童生徒のその時点の属性を見ているだけなので、学習の記録・成果が個人に紐づかず、次年度に引き継げません。
校内サーバでActive Directory(AD)とアカウント連携しているケースでは、そもそもADがそういう「下駄箱方式」で設計されていることがほとんど。
授業支援システムの機能だけでなく、むしろ運用面の課題でもありますが、これではGIGAスクールの目的の1つである「データの蓄積・活用」ができなくなります。

③の「クラウドベース」は、学校からサーバ運用を開放してお金も人も楽になる、という話もありますが、パブリッククラウドベースだと②のような方式を取り辛い、というのもあります。
マルチOS、できればブラウザアプリというのは、将来のBYODを想定すると必須要件になってくる部分です。
また、この新型コロナウイルスでのオンライン授業、となると自宅PCでの接続も想定されるため、マルチOS・ブラウザアプリというのは必須要件になってくると考えています。

④はチェックポイントをまとめるのが難しい部分ですね...。まあ、どうせ子供は大丈夫、と思って対象を先生にしています。
またどこかでこの辺りのまとめを作る時間をとりたいと思っています。

少し話がそれますが「小学1年生ではID/パスワードは入れられないのでは」という話もよく聞きますが、私は全く大丈夫だと思っています。
以前、とある1人1台導入の公立小学校で1年生の公開授業を見たのですが、ID/パスワードの認証は全員全く問題ありませんでした。
その後の休み時間に、集まっていた児童に聞いてみたのですが

「(おじさん何言ってんの?という表情で)どの辺が難しいの?」

て聞き返されたことがあります。周りの子も聞かれている意図が分からない感じでした。普通の公立学校ですが「日常化していればこんなもんなのか!」と衝撃を受けた記憶があります。

そんな授業支援システムのなかで、私はこのGIGAスクール時代で主役になるのは、ロイロノートとスクールタクトだと思っています。

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そんなこんなで上記のコラージュ。
これはコラージュ、つまりはかの有名の文化人類学者のレヴィ=ストロースが言っていた「ブリコラージュ」の一環であり、現代のウォーターフォール的なエンジニアリングに対するアンチテーゼでもあり、いわゆるアジャイルへの(以下略)

(自分でも何言っているか分かりませんが)難しいこと言ってる風にしておけば煙に巻けますかね。クレームがきたら目線の部分に黒線を入れた加工をしておこう(そういう問題ではない)。

ロイロノートとスクールタクトの2つについて、以下にて主観を書きます。

学習者起点・使いやすいロイロノート。

改めてWEBを見てみたら「未来の文房具」という言葉が見当たらなくなっていましたが(Facebookではまだそう言っていますね)、その名前はまさにという感じです。

学習者起点で制作を始めることができ、共有することができる。シンプルで使いやすい。
現時点で「学習者中心」という方向性に最も近い授業支援システムだと感じています。
先生のファンも、主観ですが最も多いように思えます。それだけ現場で支持されているのだと思います。
ブラウザ版もリリースして、ますます隙がない感じ。

先生視点・情報共有に強いスクールタクト

スクールタクトは公式WEBでは「ブラウザだけで双方向授業」ってなっていますね。

この「双方向」の意図は先生⇔児童生徒というだけでなく、児童生徒⇔児童生徒間も含まれているはず。未提出の状態からリアルタイムで情報が共有されます。
ブラウザ型の授業支援システムとしても元祖。最初に使ったときは「パブリッククラウドのサービスなのにここまでリアルタイムで相互書き込みできるのか!」と感動した記憶があります。
先生にとっての今に寄り添い、それでも学習者中心に寄せていく力がある。ロイロノートに次いで、先生のファンも多いように見えます。

新型コロナウイルスの休校対応

この2つのサービスが「日常化」への導線になっていることの1つの証明として、新型コロナウイルスへの休校対応での活用が言えるのではないでしょうか。

単発的な授業活用ではなく日常的に活用していること、そしてクラウドサービスなので自宅からの参加が可能であること。ロイロノートとスクールタクト以外では、これほど事例を紹介している授業支援システムはありません。

こうやって自発的に動き出す先生方がいることが、GIGAスクール時代の主役になってくることの決定的な証明1つではないか、と感じています。

また、この2つはロイロノートがプレゼンアプリの系譜スクールタクトがLMSの系譜だと捉えています。恐らく今後は、この2つの系譜のどちらかなのか分類されていくのかな、と予測しています(プレゼンの部分がノート・メモ帳になるかもですが)。
その意味でも、この2つがそれぞれの系譜でより強くなり、2強になってくるのでは、現時点では感じています。

私はスクールタクトを選びました(個人の意見です)

ここはより個人の意見ですので、参考までにで読んでいただけたらと。
ロイロノートとスクールタクト、どちらも本当に良いサービスです。そのうえで私は、スクールタクトを選びました

そりゃNTTコミュニケーションズはスクールタクトを提供するコードタクトに出資しているから当たり前でしょ、という話もあると思いますが

それは順序が逆で「スクールタクトが一番良いと思ったから出資した」が事実です。
(まあ「選んだ」というのはこちらの理論で、この手の話はお互いが「選んで」成立するのですが。つまりは当社からロイロさんオファーしても振らる可能性大って話でもあります、、、)

私自身がスクールタクトが良いと思っている理由は大きく2つあります。
1つ目はこの連載の3回目でも書いた通り、一番多い「アーリーマジョリティ」と「レイトマジョリティ」の先生方が使ってもらい、市場全体に広げていこうとしているから、です。

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アーリーマジョリティやレイトマジョリティの先生方に広めていくためには、まずは先生主導の授業から取り入れやすくしていかなければいけないのではないか(以下の図の①→⑥の順になるという仮説)と。

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それを実現するのに一番近いサービスが、現状は多い一斉授業的な使い方もできるうえで、協働的な使い方に(ある意味では気付かないうちに)滑らかに移行していくことができるスクールタクトではないか、と。

もう1つの理由がスタディ・ログ:データの活用に焦点を当てていることなのですが、それは別の機会でまた話ができたらと思っています。

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まあ、活用のステップも合っているかも分かりませんし、そもそもみんな同じステップの訳もないです。このコロナの件でに先生方の意識も制度も変わって、別のステップで一気に進むかもしれません。
でも、コードタクトのエンジニアは後藤さんを始め本当に優秀なので、その時はその時で爆速でなんとかしちゃうんだと思っています(勝手)。
お金儲けが得意そうな人がほとんどいないので、そこは薄汚れた経験と心を持っている自分が担っていければ、とか思っています。

おわりに

以上で4回にわたって長々と書いてきた「学校ICTの日常化を阻む元凶は「授業支援システム」ではないか?」を終えたいと思います。
後半は完全にタイトル詐欺になっていた感がありますが、、、
第1回や第2回で色々と書いていますが、元凶とは言わないまでも、授業支援システムとそれを取り巻く環境や状況が、学校ICTの日常化を阻む要因の1つであったことは間違いないと思っています。

今後はGIGAスクールも新型コロナウイルスの影響もあって、ガラっと状況が変わってくるのかもしれません。
自分にとっては、とんでもないスピードでやりたかったことがやれる環境になってきた、という感じです。
ここからが勝負。
まさに「時はきた!」という気持ちで全力を尽くしていきます!

P.S. よーし、気合いのってきたので久しぶりにプロレスでも見るか!

ではまた。


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