
2019年痛みの最前線「5Es」
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疼痛治療はいまだ確立されていません。
特に慢性疼痛は長年、
●生物医学モデル(biomedical model)
●構造モデル(structure model)
●姿勢-構造-生体力学モデル(postural–structural–biomechanical model)
●運動病理学モデル(Kinesiopathological Model)
●動作の質モデル(Movement Quality model)
と言われる様な、ヒトを身体的構造や機能から評価し、アプローチするモデルが使用されてきましたが、結果は失敗に終わっています。(自称「治せる」は除き)
恐らくこれらの大きな間違いはヒトを機械的に扱ったことです。
人は構造と機能だけで構成されているわけではありません。
過去疼痛治療に失敗してきた我々は新たなアプローチを必要としています。
それは機械的ではなく人間的である必要があります。
E-based enactive approach(5Esに基づいた積極的なアプローチ)
ここで紹介するのは5Esと呼ばれる理論です。
この5Es基盤となっているのはギャラガーの「4Es」です。
4Esでは、認知は
(1) embodied(身体化された)
(2) embedded(環境に埋め込まれた)
(3) enacted(行為に基づく)
(4) extended(拡張された)
としています。
この4Esに
emotive(感情を生み出す)
を追加し、5Esとします。
これは5Esを表す痛みの認知の図です。これを読み終わると理解できると思います。
ひとつずつ解説します。
embodied(身体化)とは
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