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原田マハさんの「さいはての彼女」を読み終えた

この世界には二種類の人間が存在している。輝いている人間と輝くことを忘れてしまった人間だ。輝いている人間は輝くことを忘れてしまった人間の魂を救うことができるということ。この物語のテーマはそんなことろにあるのだと思った。

仕事の奴隷になって輝くことを忘れてしまった女性起業家のスズカさん。ハーレーダビッドソンを自在に操るナギという謎の女の子。異なるタイプの二人が北海道の女満別空港周辺の道路で出会うところから物語が動き出していく。二人はハーレーに乗って一緒に旅をすることになる。

なぜナギちゃんはハーレーダビッドソンに乗って北海道を旅しているのか?
ナギちゃんはどうしてこんなに輝いているのか?
途方もない苦しみを背負い、それを乗り越えた過去のはなし。そしてスズカさんはナギちゃんの輝きの原点を発見していく。

人間という不思議な生き物は、その人間の器に釣り合った大きさの苦しみを引き寄せるようにできているらしい。大きな苦しみを与えられた人間は、それだけ大きな心の器を持っている証拠だと思う。

わたしたちが輝くためには苦しみが必用なのかもしれない。この物語を読み終えた後で、そんなことを考えていた。


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