見出し画像

映画『セブン』からみる、映像vs文章の違い(ネタバレあり)

1.『セブン(SE7EN)』の内容を知っている方を前提としています

 これはネタバレどころか、少なくともこの映画を観てある程度内容を覚えている方、そしてラストシーンの描写を覚えている方を前提にお話します。

なのでラストシーンのブラット・ピットの演技(表情)を覚えていない方にはわからないかもしれないです。
その辺はご容赦ください。
思い出すヒントとして、この投稿のアイキャッチ画像に映画のラストのミルズ(ブラット・ピット)の顔を載せています。

2.コーラにメントスを入れてみた最初のやつ出てこい!と思った

 これを読んでいる方の中には、実際に執筆活動をしている方もいらっしゃると思います。
このnoteを書くという行為も、文章で自身の考えや気持ちを伝える一つの手段だと思います。

しかし一方で、YouTubeやTikTokなどの映像SNSは大人気です。
そしてその映像の強みを十分に活かして人気な方も沢山いらっしゃいます。

私が一番印象に残っているのは「コーラにメントスを入れる」系の動画が流行った時でした。
あれを文章で表すことはほぼ不可能で、多分「コーラ・メントス」のキーワードを見ただけで動画をついつい見ちゃった方も結構いたのではないかと自分は思っています(私もです

その事を映画の『セブン』を観たときにも思いました。

3.ブラピ良いとこ取りしすぎ!と感じました

 最後にミルズが犯人のジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)に銃口を向けて葛藤するシーンなんですが、あのミルズの表情の移り変わりを文章で表すのは非常に困難だと感じました。

上の画像を見ただけも分かるかと思いますが、とても人を殺す前の顔では無い表情であることがわかると思います。

映画的に言えば、大罪の一つである「憤怒」に加えて、刑事として・また犯人の思惑通りに犯人を射殺してはいけないという「理性」のせめぎ合いの「葛藤」を表しているように見えます。

このシーンを解説したサイトを見ると、犯人のジョン・ドゥは「悪魔」そのものであり、ミルズを「憤怒」の罪に陥れるものだと書かれていましたが、そんな宗教的な事や「原罪」や「7つの大罪」の知識が無くても、ブラット・ピットの演技(表情)にその全てが詰まっているように私には感じられて、これはやられた!と思いました。

どんな脚本だったのか気になりますし、ブラット・ピットの迫真の演技も凄かったです。

4.時間が足りない現代人には仕方ない事なのか・・・と感じる

 文章でも人に深く印象を付けることはできるとは思っています。
「太陽が眩しかったから」の一言で、作者の思想や人間の不条理さを表すこともできるとは思っています。

それに文章と映像では、そもそも人の心理を表す方法が違っていると思っています。

文章では人の心理を描くことで、そこから人の様子だったりその場の情景を頭の中で思い浮かべるものだと思っていますが、映像ではその逆で、その場面を描いてしまって、そこから人の心理について感じてもらうものかなと個人的に思っています。

なので一概にどちらが優れているかは言えないとは思っています。

ただ一言言うなら、文章の方がより詳細に描く、描かないと読み手に伝わらない事もあるなと思っていて、映像だとそれが瞬時に汲み取りやすいかなとは思います。
それこそ『セブン』のブラット・ピットのラストの演技で脚本家が伝えたかったことが集約されているように感じたので、そこは「時間」という差があると思います。

5.文章が無くなるとは思わないが、主流はすでに移っていると感じる

 でも今や映像の方が主流になっている流れは否めないと思っています。

SNSなどは特にその流れは顕著だと思っていて、みんな手っ取り早く情報を取り入れたいならYouTubeの10分ほどの動画を見て大体の事を把握しちゃう、そしてなおかつ楽しいコンテンツを発信している方が沢山いるので映像で事足りちゃうというのは事実かなと思います。

言葉だとTwitterでしょうか。
後は調べたかったらWikipediaで大体分かっちゃうので、こうなるとこれは「言葉」であり、「文章」に至る前の問題になっているとは感じています。

去年の書籍の出版数は鬼滅の刃のおかげで良かったみたいですが、私個人的には「あれ?半沢直樹がまたテレビドラマ化されたのに池井戸潤の事が一切触れられないの?」と思いました。

こうなるとお手上げのように感じました。

6.最後に

 私はこういったブログや電子書籍が最後の砦かなと思っています。

noteだとそれこそ文章から物語まで、または自身の知識や経験を書かれる方が大勢いらっしゃるので、幅広い人が集まったSNSで面白いなとは思っています。

何せYouTubeのように映像を撮って時間をかけて編集するという手間が無く、発信する側としては情報や文章を発信しやすいというメリットがあると思います。
「時間」をうまく使える発信手段かなと思います。

それから電子書籍でしょうか。
電車でもたまにスマホで電子書籍を読んでいる方も見かけるので、その恩恵は多大だと思っています。
スマホ・タブレット・PCとどんな環境でも読めて、しかもかさばらないというのは大きなメリットだと思います。
Amazon Kindle Unlimited様様だと個人的には思っています

これから自身の考え・意見や情報を伝える上でこの先どういう経過を辿っていくのかは分かりませんが、少なくとも映像だけの世界になってしまうことは無いと個人的に思っています。

この記事が参加している募集

#noteでよかったこと

48,301件

#note感想文

10,635件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?