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私「試験前に手が震えるってホントなのか」 30才超えてセンター試験よりも震えた話

私は一浪した。
しかし浪人時代もせっせと読書(センター試験には関係のない)にふけり、まんまと志望校に落ちた。

なぜこれを書くかというと、今まで「本気で」勉強したことがなかったから。
そんな私がスマホも断ち、寝食以外の全てを捧げたのが、スペイン語だ。

一度授業を聞けば大体は分かってしまうからと、復習を全くしない学生時代。
高校入試までは神童。でも興味を持てないものはとことん放置。
好きな国語はほぼ満点だったけれど、大嫌いな数学は赤点。だからコツコツ勉強する子に抜かれていった。

Fラン大に甘んじ、部活動にいそしみ、そちらでは輝かしい成績を納めるも、学業はてんでだめ。英文学科なのに英語が話せないことが未だコンプレックス。

そしていま2022年。なぜか私は子を育てながらスペイン語に燃えていた。

よく聞かれるのが「なんでスペイン語?(英語じゃないんか)」

正直な理由は3つ。
・人生一度は何者にも代えられない「誰か」になりたい。
・英語を話せる人は珍しくもない。でもスペイン語はブルーオーシャン(需要薄とも言えるが)
・セブンルールに出たい

最初の2つは共鳴していて、レアな業種で手に職を持てれば、私も貴重な人材になれるんじゃないかと考えた。
ついでに、孤立した育児で日々削られていく自己肯定感を取り戻したくて。人として輝きたいのだ。
3つ目は妄想だが、よく成功のコツを読むと「本当に成功したと思って生活する・想像する」というのがある。もしかして、あなたにとってはそれは情熱大陸かもしれないし、プロジェクトXかもしれない。
ナレーション「○○の朝は早い」というあれだ。

成功して密着取材を受けたとき、私のセブンルールは何だろうとよく妄想する。
よく行くクリーニング屋のおばちゃんとの会話中も「私がセブンルールに出た暁には、おばちゃん驚くんだろうな。『この人毎週うちの店に来てた!』とか家族に漏らすんだろうな」と想像してニヤニヤしている。


話が逸れた。

今年の夏にスペイン語の試験を受けた。勉強の成果を試すため。なんのために必死で勉強しているんだと言ってくる家人と心の中の声を納得させるために。

なぜ震えたのかは理由がある。
ネイティブとの口述試験があるのだが、日本に住んでいてスペイン語ネイティブと出会うことはほぼ0。つまり本番まで直接ネイティブと話した経験なし。ぶっつけ本番なのだ!

そりゃオンライン英会話サイトで数少ないスペイン語の先生と話したことはある。
しかし英語なら山ほどいても、スペイン語話者となると多くて10人程度。その先生方が日によって居たり居なかったりだから、毎日はレッスンできない。それに目の前にネイティブどーーん金髪どーーんというインパクトには代えがたいのだ。

そんなわけで当日。何百人を前にした単独スピーチよりも、センター試験よりも緊張していたのだ。これから会うのは未知の生物。スペイン人。UFOか宇宙人か?言葉は通じるのか?ワタシノコトバガワカラナカッタラ?

毎日朝食から白米3杯いける私が、ようかんを一口かじるので精一杯だった。


試験では無我夢中だったのに、どこかで俯瞰して見ている自分がいて不思議だった。
ただ試験が終わったことに気づかずに、講師に退出を促された。すごい集中ってこれかと興奮したのを覚えている。


試験結果を受け取った三ヶ月後。
結果はAPTO(合格)。
なんと口述試験のセクションは満点だった。今でも信じられない。

受けたのは初級で、ビジネスで使えるのは中級レベルから。でも試験は読み・書き(手紙を書く)・リスニング・口述の4つのどれが欠けても不合格。採点するのはネイティブだから、本物のお墨付きを貰ったのだ。
初めて自分一人の力で合格した。証拠となる数字もある。これで初めて自分を認められる。それが嬉しかった。


社会から5年も離れ、過去の栄光も捨て、からっぽだった私。
でも0から1を作れたじゃないか。私も捨てたもんじゃない。
生きててよかった!

もしサポートいただけたらマヌカハニーを買って、息子に与えて小躍りさせたいと思います。私も台所の隅でこっそり。風邪にもきく気がするし、おすすめですよ。