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使うたびに『君ならできる!』と暗示をかけてくれる『革のお道具箱』は配慮の塊でできていた

「山下さん。これ、好きじゃないですか?」

厳密には一緒に働いていないけれど。
東京で年下の後輩にある画像を見せられた瞬間、本当は目を閉じたかった。

やばい。

これを見てはいけない。

これを見たが最後、自分は負けを思い知ることになるだろう。

そう。雑貨好きとしては結構自信を持っていた自分はいま。
みっともないことに、この後輩のほうが素敵な雑貨をたくさん知っているということを認めたくない気持ちを抱えている。

けど。

・・・見たい。

このまぶたの先に自分がまだ知らない、かっこいいものがあるのであれば見るしかない。

プライド・・・はもういいや。
君がナンバーワンだ。

潔く目をひらいてスマホに映された写真を見る。
そこに映っていたのは、シンプルな革のお道具箱だった。

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ああ。

だめだ。

これは、まちがいなくいいものだ
私は後輩に毅然と言った。

「間違いなく好きだわ」

今回は、雑貨の知識にそれなりに自信のあった私が、年下の後輩に一瞬で白旗をあげた。
そんなプロダクトのお話である。

ブランドの名前は.URUKUST(ウルクスト)

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「つくる。(TSUKURU.)」を逆から読むことで生まれる音をブランド名にされている。

道具の写真を見た瞬間に良さがわかった。
それを決定づけたのは、ペンをいれるための部分。

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「べ、ベルトループになっとるやん」


そう。
この手の革の製品はいくつも試してきた。
例えば、アメリカでどうしても欲しくなって探し回った結果、大型のダルメシアンを放し飼いにしている店で買ったノートカバーがある。

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ペンの入れられる幅は予め決められていて、例えば太めの万年筆や多色ボールペンを入れようとしても入らない。
無理やり入れても革が伸びたり傷んだりとろくなことはない。

タイトなジーンズにねじ込む30代を過ぎて緩んだ私というボディが入らなくなってきたように。
太いペンには太いペンホルダーが必要なのだ。

それがどうだろう。
このベルトループなら幅を調整することによって太いペンも細いペンも入るじゃないか。

全体的な見た目もシンプル。
その上で実物がない状態で後輩さんは情報を更に渡してくれる

「この道具を作っている方。
 革の道具を作りかたの本を出してるんですけど、型紙までちゃんとのせてるんですよ。
 そんな本、ないですから」

あー。
そのパターン。そのパターンね。
なんだろう。革細工なんてやったこともないのに、そのエピソードを聞いただけで丁寧な人柄が浮かび上がってくる。

これはもう自らの目でも確認をせざるを得ない。

私は月に一度だけ開放される.URUKUSUTさんの横浜のアトリエに向かった。

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雨の日。

駅から少し離れた場所にアトリエはあった。

商品の名前は「ORGANISER(オーガナイザー)」

組織立てる整理するといった意味合いを名前に冠しているあたりもとてもかっこいい。

実際にオーガナイザーを手に取らせていただいて、生みの親である土平さんに色々と道具に込めたこだわりをご説明いただき、買わないという選択肢はなくなった。

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まずパッと全体を見た時、とてもシンプルな見た目をしている。

カバーをくぐらせるバンド部分以外は一枚の革で構成されていて、縫い目もない

中を開けるとようやくバンドの固定等に合計6箇所ほど金属で固定をされている部分が見受けられる

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このあたりからも型紙付きの革道具の作り方の本を作られていたことが思い出される美学を感じる。

そして中の道具を仕切るパーツに関してはスッと取り外しができる。


こちらは本体と同じ革と、薄い色のリサイクルレザーが組み合わさって構成されている。

リサイクルレザーは外側の革の部分が馴染んでクタッとなってきた時にも内部から構造を支えてくれる役割も計算の上であえて使われている。

(12/13修正:合皮と記載しておりましたが正しくはリサイクルレザーでした。誤った情報を掲載してしまい申し訳ございません)

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仕切りパーツにはベルトループにペンが3本
その横のスペースにはスマートフォンやパスポートサイズのメモ帳が収まる。
下のスペースには名刺やカードが収められるようにシンプルに構成されている。

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そして、ペンホルダーのベルトループにも驚かされたが、下のカードホルダーの底の部分が綴じられていないのにも驚かされた。

綴じられていたほうが、名刺などが仕切りと一緒に取り外せて便利は便利なのだけど「ゴミとかホコリが溜まりますよね」との配慮。

あー。わかる。

そのゴミが詰まって取り出せないイメージが頭の中ですぐに想像できる。

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本体と改めて仕切りパーツを合体させた時、仕切りパーツの背面がにはB5サイズのノートがスッポリ入るようになっている。

なぜB5サイズなのかというと、作られている土平さん自身がB5サイズが好きだからとのこと。

どれくらい好きかと言うとオーガナイザーとちがう商品で、B5ノートピッタリのサイズだけど、ノートを出すときにチャックが引っかからないように耳たぶのような逃げ場を作ってピッタリ収められるケースを作っちゃうほどお好き。

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ちなみに身近でB5サイズなものとなると、ipad miniだったり、キンドル端末なんかも入るサイズなので、愛好家の方にもおすすめできます。


最高な革製の持ち運べるお道具箱とも言える「.URUKUST ORGANISER」

海外でもミュージアムショップ等で取り扱われているそうですが、かっこよさだけでなく、内部構造にまで様々な配慮が行き届いているため、「日本的だよね」と言われることも多いそうです。

持ち運び、使うたびに仕事ができる気分に上げてくれるこの道具

丁寧に作られた道具は、持ち歩いているだけで使う側にも影響を与えてくれるんだなと実感できたきっかけでもあります。

うちのお店で一番高いけれど、開店時からおすすめしたいと思い、取り扱ってきた商品でした。


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教えてくれた後輩くんにはひたすら感謝です。
(ちなみに私の買ったオーガナイザーもどんどんといい表情になってきています)

ぜひ、文具好きな皆様から、ギフトにお悩みな方までおすすめでございます。


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ドケットストア店主。無印良品を運営する良品計画で店長などをつとめ独立。文具と収納用品のラベリングをテーマにしたお店を大阪府箕面市で運営。三角コーンで看板を作ったり宝塚の老舗カフェ百合珈琲のPMをしています。 https://docketstore.storeinfo.jp
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