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ブックエンド難民に広めたい『直角には81度足りない本立て』

本が好きだ。

もっと自分より本が好きな人はいくらでもいるだろうけど本が好きだ。

ジュンク堂で本をまとめ買いして電車に乗ってたら、赤の他人に「なんでそんなに本を買ったんですか?」って聞かれたり。

その程度には本をよく買う。

そして、必然的に本を机や本棚に並べることになる。

その時に使うものといえば『本立て』
ブックエンドなんて呼び名もある、皆さんご存知なL字型のあいつである。

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ブックエンド。

こいつがないと本がドミノ倒しのように倒れていってしまうことがある。
倒れていった先には床が待っているだけ。
ピタゴラ装置的なワクワクなどかけらもない。

「あー・・・」

しばしの静寂の後、自分がページの折れた本を片付け直すという憂鬱な作業だけが待っているのだ。

確かに細い本だと自立することもできないし、左右からブックエンドで挟み込んであげる必要があったりもする。

ただ、個人的にこのブックエンドが苦手だ

本を安定させるために背が高かったり、重かったりもする。

それゆえなぜか妙に存在感を放つ。

おれ、本を倒れないように押さえてるんだぜ。
おまえ、俺なしじゃ本もきれいに片付けられないだろ。

気のせいかそんな声まで聞こえてくる(気のせいです)

それは機能ゆえの必然なんだろうけど、なんかいい手段はないものかとずっと思っていた。

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そんな私のもとへ、株式会社Yの三宅さんから提案されたのがこれ。

SOGU 9° BOOK STOPPERだった。

三宅さんといえばコピー用紙をきれいに揃えるためのトレーを作ってしまう男だ。

ただ、紹介された鉄の板は普段見慣れたブックエンドとは違う。

ちっちゃい。

そして直角じゃないのだ。


商品名には9° BOOK STOPPERとある。

つまり角度としては9度直角にはだいぶ足りない。

鉄の板を目の前にして固まる私に三宅さんは下の図を用いて説明をしてくれた。

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「この板で9度の角度を本につけてあげると、本が本立てになるんですよ!」



「・・・ああ」

「・・・・・・なるほどなるほど」

「・・・・・・・・・あああああああああああああーーーーーー!!!!!!

三宅さんのブランド「SOGU」のプロダクトの感動はだいたい遅れてやってくる。

これ、私の悩みを見事に解決してくれるプロダクトだというのを理解するのに多少時間がかかってしまった。

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そう。

できることなら写真のように、端っこの本を自然な感じに傾けて飾っておきたい。

さも、自然とこうなりました
ぼく意識してませんよ・・・的な。

ただ、前職はインテリアの展示を毎日やってきた私は知っている。

こういう置き方をしていると、いつのまにか本が倒れて崩壊してしまうことを。

まるで賽の河原で石を積むかのように。
本が倒れては直し、本が倒れては直す。

この問題を私は「賽の河原問題」と呼んで悩んでいた。
いったい前世でどんな悪いことをしたというのか・・・

そしていつしか面倒くさくなって諦める。
L字型のブックエンドを立てるのも癪に障るので、なんか適当に横に積んだ本とかで止めちゃうのである。

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その本が倒れちゃう状態を意図的に、かつ継続的に作れちゃうのが9° BOOK STOPPERなのだ。

9度の角度は本を自然に傾けた時に安定する角度。

ブックエンドのように押さえつけるのではなく、ただ本を置くだけ。

本立て、というよりは『本を本立てにする道具』なのだ。

SOGUというブランド名は『削ぎ落とすの削ぐ』という言葉に由来があるという。

デザイナーの三宅さんはこの9° BOOK STOPPERを「売れなくてもいいから作りたかった」と言っていた。

その意味は今になってよく分かる。
これほどブランドコンセプトを強烈に伝えてくれるプロダクトはないだろう。

本立てに不要な要素を削ぎ落としていった結果、本を押さえつける直角の鉄板は姿を消した

代わりに生まれたのは本の足元で黒子のように気配を消すブックストッパー

本棚の主役であるべき本を最大限に引き立ててくれる最高の脇役なのである。

脇役というと、主役より劣っているかのように聞こえる。

しかし、主役がたとえトムハンクスやハリソン・フォードであったとしても、脇役が全員エキストラではとても映画なんてとれない。

脇役にもプロがいる。

9° BOOK STOPPERはまさにプロの脇役なのだ。

いま、このプロの脇役は、おしゃれ本屋の代名詞ともなっている代官山などの『蔦屋』さんでも使われているという。

そこでは並んだ本の前に表紙をアピールする形で本を置く際にも9° BOOK STOPPERが新しい形で使われていると三宅さんから教えてもらった。

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なるほど。こうやって使うことで、本が棚から落下しない。

かつ最大限に本が目立つ

9° BOOK STOPPERの脇役力には驚かされるばかりだ。
文具女子博もよいけれど、脇役文具博も開くべきなのかもしれない。

そのときには9° BOOK STOPPERは表彰台に近いところにいると、私は勝手に確信している。

ぜひ、同じような悩みを持つ皆様。

9° BOOK STOPPERを試してみて下さい

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