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「書くのがしんどい」を読んだら、自分の不器用さが「7万PV」に化けた話

「誰でもできるような仕事をすることに、力を注ぐ意味がわからない」

昔、会社の同期と電車に揺られながら、そんな言葉を投げかけられてショックを受けた。
というのも、私は「超」がつくほど不器用な人間だからだ。

同期の仲間達が口頭でさっと説明を受けただけでできることが私にはできない。
一回一回気になるところを訊いてはメモを取り、実際にやってみて失敗しては怒られつつメモを取る。
私をこれまで育ててきてくれた上司たちには本当に頭が上がらない。

自分にしか出来ない仕事なんてそうそう見つかるわけもない。
仕事のできる同期とは違って、人並みに「誰でもできるような」仕事をすること自体が、私にとってはベリーハードなのだ。

そんな私でも、大手小売りチェーンに属していた頃には得意なことがあった。
それは「新人スタッフの教育」だ。

どんくさい私でも、5年10年と働いていれば人並みには仕事ができるようになる。
新人スタッフのミスしそうなところは、かつて自分がミスしてきたところだ。
先回りして、どういうことに気をつけたほうがいいのかを指摘することができた。
更には、会社のマニュアルや業務指示でわかりにくいところがあれば、勤務頻度の少ない学生のアルバイトさんでも「こう書いてあればわかりやすいのに!(少なくとも自分は)」という視点で変更提案を出し、たまに評価してもらっていた。

でも、これも働く人数が多い会社組織にいるから活かされる能力なのではないか。
もし、会社を辞めて独立したら・・・。
この程度の能力では、同期が言ったように「誰でもいいような仕事」しかできないどんくさいやつと思われて、到底フリーランスとしてやっていくことはできないんじゃないか・・・。
実際、独立してお店をはじめた今でもそんな悩みはつきまとっている。

そんな私のコンプレックスを吹き飛ばしてくれる本に出会った。
それも、これまで月間3万〜5万PVだった状態から、10万PVまで上がるというぶっちぎりの結果付きで。
もし、私と同じような悩みをあなたが持っていたとしたら、ぜひ手にとって読んでほしいなと思って、このnoteを書くことを決めた。
今回はその感謝も込めて、竹村俊助さんの「書くのがしんどい」という本をご紹介したい。

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「書くのがしんどい」 ならどうするのか

書くのがしんどい。
そんなタイトルの時点でこの本を買うことは自分の中で決まった。

著者の竹村さんのことは、これまでもツイッターnoteで拝見してきた。
前田裕二さんの『メモの魔力』や、水野学さんの『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』など、自分が読んできた本の編集等に関わってこられたこともあって、いつもnoteを書く上で参考にさせていただいてきた。

特にプロフィール欄なんて、竹村さんの教えにしか従っていない。
お店の名前でなく、自分の名前でSNSの発信をしようとしたきっかけは竹村さんの影響だった。

でも、竹村さんはWORDSの文章教室というnoteでのマガジンで、惜しげもなくノウハウを公開してきてくださってる。
じゃあ、本はわざわざ買う必要はないか・・・。
そんな想いは、本のタイトルが発表された瞬間に吹き飛んだ。

自分も半年間、noteを毎週のように書き続けてきたけれど「書くのがしんどい」集中し、文章をキーボードで打ち続ける作業は本当にしんどい時がある。
ただ、そのしんどさにも波があるので、その理由はなんだろう?と思いながら過ごしてきた。

そんな私のしんどさを、この本はどうやって解消してくれるというのか。
それは本の裏面を見ると即座に理解できた。

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CHAPTER1 書くことがなくてしんどい――書く以前の「取材」と「思考法」
CHAPTER2 伝わらなくてしんどい――「わかりやすい文章」の基本
CHAPTER3 読まれなくてしんどい――文章を「たくさんの人に届ける」方法
CHAPTER4 つまらなくてしんどい――商品になる「おもしろい文章」はこうつくる
CHAPTER5 続かなくてしんどい――書くことを「習慣」にする方法
CHAPTER6 書けば人生は変わる――「しんどい」の先にある新たな自分

「書くのがしんどい」竹村 俊助 裏表紙の帯より引用

これまで自分が意識してきた「書くことのしんどさ」の解像度がどれだけ甘かったのかを思い知らされた。
そのぐらい、竹村さんは書き手のしんどさを言葉にして、順序立てて一冊の本の中で説明してくれるのである。

ああ、これはマストバイだわ
はじめはアマゾンで予約しようと思ったのだけど、発売日当日に手に入れるために本屋での購入に切り替えたぐらい、この寄り添い具合はありがたい。

実際、読んでみると読者の状況に合わせていつでも読み返しやすいまとまり具合で、買ってよかったなと満足できる納得の内容だった。

いま、自分にしか書けない、価値のあるものってなんだっけ

実際に本を読みすすめていくと、便利なテクニックがこれでもかと紹介されている。
それをひとつずつ紹介していくと、本の内容のすべてを紹介しないといけなくなるので、一番影響を受けたところを紹介すると「自分にしか書けないこと」は誰にでもあるという項目で書かれた下記の文章だ。

自分が持っている情報の価値は、自分ではわからないものです。
自分が「いい」と思っているコンテンツが、まわりから見るとそんなに価値がなかったり、逆に「こんな普通のこと書いて意味あるの?」ということが、まわりからはすごくおもしろいことだったりもします。

「書くのがしんどい」竹村 俊助 P303〜304より引用

ここには、心当たりがありすぎた。
自分でおもしろいと思った記事の読まれなかったあの寂しさ。
何度繰り返しても慣れないし、大なり小なり落ち込んでしまう。

でも、その説明のあとに続く「こんな普通のこと書いて意味あるの?」という内容はなかなか思い浮かばない。
文具屋だから、扱ってる商品のことを書いたり、お店で考えているアイデアや仕組みは発信してきたけれど、それ以上に書けるようなことがあるというのだろうか・・・。

本のページをめくる手を止めて、天井を睨んで思い浮かべていたら、この頃仕事と関係がないのにお店を営む知り合いに訊かれまくっていたある内容が思い浮かんだ。
でも、お店をやってない人に興味があるかわからないし、どうなんだろう・・・。
そう悩みながらも書いたのが「経産省中小企業生産性革命推進事業「小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)」という名前からしてややこしそうな、この頃苦労して申請した補助金の話だった。

冒頭でご紹介したとおり、どんくさい私は補助金の申請をするために、期限の前の早い段階から商工会議所のやさしい担当者さんに相談しまくって申請した。
初心者がハマりそうなミスはほとんど経験し、暗黙の了解を無視してはアドバイスを受けて修正をして、なんとかかんとか申請書を作り上げた。
だから申請書を作り上げた頃には、この補助金制度に興味のある人にはだいたい説明できるようになっていた。

個人事業主をしている人には役に立つし、この本の言う通りたくさんの人に読まれたらラッキーだなーと思って軽い気持ちで投稿した。
するととんでもないことが起きた。
これまでの記事と比較的にならないぐらいに読まれたのである。

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誰かインフルエンサーがツイートしたわけでもなく、お金をかけて宣伝したわけでもないこの記事は、ひたすら読まれた。
その読まれ具合にあわてて書いた詳しい申請方法についての記事もひたすらに読まれた。

2つの記事で合計7.5万PV(ページビュー)。
これまで書いてきた記事は、最高でも半年かけて4万PV。その記録を一週間で軽々と飛び越してしまった。
気がつけば、良くても月間5万PVだった私のnoteは、ありがたいことに10万PVを超えていた。

本を読んで試してすぐ、自分にしか書けない内容、しかも「不器用さ故の悩み」が「7.5万PVという価値」に化けるという瞬間を味わったのだった。

「誰でもできる仕事」を作ることの価値

今回の補助金の記事がバズるという体験は、私にとってのコンプレックスが実は強みにも成り得るんだということを知るきっかけになった。

誰にでもできるような仕事に悩み、自分のためにメモを取ってマニュアルのようなものを作り、新人の教育に使ってきた「サラリーマン」としての私の日常。
それが、実は個人事業主として働き、日々の忙しさの中で生き抜く方法を探す人々にとっても、有益なものに成り得るということ。
それは私にとっては物事の見方が180度変わるような衝撃的な出来事だった。

「誰でもできるような仕事をすることに、力を注ぐ意味がわからない」

そう言った同期の友達の意見もわかる。
その人にしかできないことは、市場でも大きく価値を持つ。
独自の技術であればあるだけ、利益を得ることができる大きな武器になるだろう。

でも、苦手な仕事を「ドジな自分でもできる仕事」として作業を整理して再構築し、結果として「誰にでもできる仕事」に変換してきた自分の処世術も、noteやtwitterといった媒体を使って発信を気軽にできる現代ならば大きな武器になる
個人事業主は孤独なイメージがあるけれど、noteを通じて自分の得意なノウハウを発信しあって、「社会を生き抜くマニュアル」をみんなで作っていけたなら、新型コロナウイルスの影響を受ける現代も生き抜いていけるんじゃないだろうか。

本の中でも、「コンテンツメーカー」ではなく「メディア」になろうという話が出てくるのだけど、お店やメーカーの人もnoteで誰かの役に立つ情報をあげていたら、結果的にファンが出来て売上につながる・・・というようなことも、この時代あり得ると思う。

そのことを気づかせてくれた竹村 俊介さんには改めて感謝したい。
本当にありがとうございます。

そして、noteやtwitterでの情報発信が気になってるけれど、どこから手を付けていいかわからない。
そんなあなたには自信を持って「書くのがしんどい」という本をおすすめできる。

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