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驚愕映像が楽しみすぎる久しぶりのガチっぽい本格SF「ザ・クリエイター/創造者」見た

The Creator/2023年製作の映画
鑑賞:2023.10.23 記事公開:2023.10.29
監督、脚本:ギャレス・エドワーズ

あんな予告編を見せられたら行かないわけにはいかない。
タイミングもよくIMAXでみれた。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

見どころ!

 映画はあまり面白くないけれどもギャレス・エドワーズなので問題はなし。ビジュアルは驚異的に凄かった。『Tales From the Loop』の雰囲気で、ロボットのイメージは士郎正宗風。未来感は、PSのゲーム『ワイプアウト』のプロダクトデザイン風。タイプフェイスなども同じくTOMATO「ワイプアウト」風で懐かしい感じ。スターウォーズやサイバーパンクとは一線を画し、差別化しようと一歩進んだSFビジュアルに挑戦していて素晴らしい。個別の要素は見慣れてはいるが、世界観として提示されたことのない未来世界の味わいで発明級かもしれない。
 オリジナリティとしては、生活の中に溶け込んでいるロボットやテクノロジーが東アジアの自然と調和した世界だろうか。展開が早すぎるのでじっくり堪能できないが、見たことのないものを見せてもらっている興奮がある。

お話としてはイマイチな部分もあり

 お話としては残念なことに「またこれか」という印象。まるっきり青デカい人をロボットに置き換えたアバターみたい。あれだけ精巧なロボットデザインをしているのだから、AIをただ擬人化しただけではない今までにないAIのあり方が見れるんじゃないかと期待していた。
お話の流れから発生する状況は絵面がベトナム戦争の映画を思い起こさせられる。
 エンタメ映画の歴史で、悪いやつをやっつけてスッキリしたいから、インディアンからナチス、イスラム教徒と悪者がコンプラ発動でスライドしていったけど、悪くできる奴がいなくなって宇宙人ならと嬉々として殺してたら、さすがにそればっかり・・・となったのか、回り回って結局俺たちになってしまったように見える。
「自分たちの論理で他民族を圧倒的な武力で虐殺する」やつを悪者にするのは、自分たちがやったネイティブアメリカンへの仕打ちに蟠りわだかまりがあるんだろうか。
 それでも、悪いのは俺じゃなくて「軍人の奴ら」としているあたりが何とも。

嬉しいキャスト陣

 キャストは「ブラック・クランズマン」があまりにも良かったジョン・デヴィッド・ワシントンが嬉しい。忙しい映画なので、段取りをこなすだけで精一杯のキャラクターだったろうか。魅力のキュートさがあんまり堪能できなくて残念。
 アルフィー役の女の子はなかなか良い佇まいだったけど、実在しているのかな?存在感勝負な役だったけど期待には応えてたんじゃ無いかな。綺麗な子どもの子だった。エディマーフィーの「ゴールデン・チャイルド」を思い出す。面白かったなぁ「ゴールデン・チャイルド」。評判良くないけど。
 キーになるミステリアスな女性役のジェンマ・チャンさんは最近よく見る綺麗な人な印象。欧米のイメージするアジアンビューティなのかな。
 嫌な軍隊の女上司アリソン・ジャネイさんもいい仕事してたんじゃないかな。これくらいの年齢の米国女優に今更こんな役が来るなんて本人もびっくりだろうな。
 渡辺謙さんもよかった。頭に穴空いてるけど全然違和感ない。すごい。
 今作の主役は人ではないと思う。その中でこれだけ存在感を見せるのはさすがのメインキャストさん達。

 音楽のチョイスが、内容に沿った感じではなく、ちょっとミスマッチ感がででいる使い方が面白かった。効果音はどれもそれっぽくて良い。爆発や地上スキャニング時の音など、テクニカル系のものに付随する音はどれも良かった。

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