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デキるエンジニアは無意識に使っている|高コスパ文章術【略語】

以前の記事で
文章中の障害(ノイズ)を
無くすスキルの一つとして
【略語】というものがあると紹介しました。

当記事では、私が実際に使用している
略語の効力・使い方をお教えします。

略語の効力

皆さんも、略語を意図的に使う事もあれば、
無意識で使っているケースもあると思います。
たとえば、
「略語」という言葉自体も
「省略言語」の略になっており、
省略する事で文字を50%カットしています。

シンプルですが
「文字数の削減」「読解コストの低減」
これが略語の効力です。
これだけでは、
イメージが付きづらいと思いますので、
もう一つ例を挙げてみます。

たとえば、
「文章術」(3文字)という略語をほどいてみると
「文章力を高くする技」(9文字)となります。
更にほどいてみると
「文章を書く力を向上させるスキル」(15文字)
となります。
15文字⇒3文字となっているので、
80%カットです。
とんでもない効率ですよね。

同じ意味にも関わらず
文字を少なくできるのが、略語の効力です。
冗長で内容の薄い文章を、
密度の高い文章
にできるとも言えます。

略語の使い方(作り方)

それでは、
略語を使って文章を書こうと思った場合、
どういった事を考えればよいでしょうか。
それは
 ①重複を消す事
 ②他言語への言い換え 
です。
例を挙げながら順を追って説明していきます。

①.重複を消す事
 先ほどの「文章術」を例にして説明すると
 原文「文章書く力を向上させるスキル」には
 意味の重複があります。
「文章」「書く」もの、と考えると
 どちらかは省略できるので
 ここでは動詞「書く」を省略し
「文章を書く力」⇒「文章力」となります。
 ※名詞「文章」を省略し、
 「書く力」ともできます。

②.他言語への言い換え
 ①で原文を「文章力を向上させるスキル」と
 省略しましたが、
 次は言語の言い換えをしてみましょう。
 スキルという英語を日本語に置き換えると
 どのようになるでしょうか?
 「技能」「技術」「能力」「術」など
 色々と思いつきます。
 この中で一番短い「術」を採用すると
 「文章力を向上させる術」となります。

①-2.重複を消す事
ここでもう一度、重複をチェックして削除します。
「文章向上」には
 力は向上させるもの。という薄い前提があり、
向上させる」には
 術も何かを向上させるもの。
 という前提があります。
 これらの中で重複している「向上」を消すと
「文章術」となります。

つらつらと説明してきましたが、
正確に言うと
略語を考え出す時、いちいち意識的に
こんな事をしている訳ではありません。
ただし私たちの脳では
これと同じような事が無意識に高速で起こり、
略語の生成を行っていると考えられます。

無意識にしている事を意識的にする事で、
新たに見えてくるものもありますので
自分の文章を添削する際に
 ・重複はないか
 ・他言語への置き換えはできないか

といった視点を持ってみると
より良い文章にできるかも知れませんね。

略語の注意点

略語のメリット・使い方を説明してきましたが、
略語には注意点もあります。

先ほどの例で私は
「文章は書くもの」という前提で
話を進めましたが
実はそこに落とし穴があります。
読んでいて気付いた人もいるかも知れませんが、
「文章は読むもの」でもあるのです。

そうすると文章力という言葉には
2つの解釈が生まれます。
 ①文章を書く力
 ②文章を読む力
 の2つです。

この時、私は
 ①文章を書く力 ⇒文章力
 ②文章を読む力 ⇒読解力
 という
それぞれに対応する熟語を知っていた為、
例文の場合は
「文章力」を使用してOKと判断しましたが、
他のケースでも同様とは限りません。

略語を使って言葉を言い換える際には
誤解を招く可能性がある。
という事を、常に考慮しておく必要があります。
分かりやすい文章を書くための文章術で、
結果的に意図しない内容を伝えてしまっては
本末転倒なので、略語を使う場合は、
ご注意頂くようお願いします。

当記事は以上です。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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