遂に実現。範馬刃牙vs範馬勇次郎。振り返る戦いと愛の歴史。

Netflixアニメシリーズ「範馬刃牙」。新章始動。
7月26日（水）から「外伝ピクル＋野人戦争編」、
8月24日（木）から「地上最強の親子喧嘩編」と連続配信される。

徳川家当主にして地下闘技場の主。徳川光成が（金と権力に物を言わせ）開催した最大トーナメントを制し、チャンピオンとなった範馬刃牙。

彼の実父にして地上最強生物、範馬勇次郎との親子喧嘩が遂に開戦する。

今作がきっかけで原作をチェックした者として今一度、その死闘を振り返ると共に本作の魅力を述べたい。

最凶死刑囚編

記念すべき第1弾は最凶死刑囚編。「敗北を知りたい」という共鳴から死刑囚5人が東京に集結。刃牙を筆頭に愚地独歩、烈海王、花山薫、渋川剛気による全面戦争が行われた。

何事も初手が大事と言わんばかりに、水深200mから泳いで脱出、手のひらに真空を作り防弾ガラスを破壊、耳から息を吹いただけで脳が飛び出るなど目を疑う人外チートぶりが1話でお披露目。

武器使用解禁。出会った瞬間戦闘開始。もはや試合ではなく殺し合いのゴア描写連発。地上波版では幾つもの修正が施されるハードコア作となった。

実際に国内外の凶悪犯が揃って脱獄＆東京集結なんて事が起ころうものなら、外出禁止レベルの緊急事態宣言だが、一切お構いなく話は進行。

後述のSAGAを筆頭に、第2期EDは女性アイドル？の「♪ほんと～、ヤバ～い」の歌詞をバックにモブキャラ総登場と色んな意味で狂気を孕んだ作品。

大擂台賽編

柳の毒手で瀕死状態の刃牙を「戦いで生還させる」と中国に運んだ烈。
明らかに近代医学とは真逆のやり方だが、奇跡の「裏返り」で生還。

100年に1度行われる「大擂台賽」は中国武術の達人称号「海王」を持つ13人と推薦選手3人が最高権威「海皇」の座を争うトーナメント。
しかし、母国勢が相次いで敗退。前回優勝者にして絶対権力者の郭海皇は、海外流出を避けるべく無理やりトーナメントを団体戦に変更。

ここで勇次郎が初の実戦。瓦40枚を手のひらで押し割ると、劉海王（烈の師匠）の顔面生皮を剝ぐ残忍極まりない倒し方で勝利。

「百年も使ったんだ。取っ替えてやんな」

そんな、アンパンマンじゃないんだからというか、こんな痛々しいやられ方あるかね？という程の残虐ぶりに昨今の地上波では異例の全面モザイク。

勇次郎と郭海皇による頂上決戦は引き分け。「いいもん見させてもらった」、「100年後また戦おうぜ」と海皇の行方など、皆忘れて決着。

神の子激突編

最凶死刑囚編から登場。偉大なボクサーを父に持つ青年。マホメド・アライJr.が刃牙の彼女、梢江に一目惚れ。刃牙に勝負を挑む話。

このアライJr.。大擂台賽では光る活躍を見せていたが、板垣恵介先生の特徴で強キャラが急に弱体化するところがあり、彼も受難に遭う事に。

父親は言わずもがなモハメド・アリがモデル。序盤は忠実通り病魔に蝕まられてる様子だったが、密かに息子を倒すためにリハビリしてた事が判明。

独歩、渋川、そしてこの父親による若い芽は摘もうと言わんばかりの汚すぎる洗礼。再起不能レベルに刃牙にボコられ赤子の如く泣きじゃくる姿に見てる側も涙と鼻水を禁じ得ない。立会人の勇次郎は刃牙との対戦を受諾した。

監獄バトル編

来たる勇次郎戦に向けて更なる強化を図りたい刃牙は。全てを筋肉と怪力で解決する最強受刑者、ビスケット・オリバと戦うため、単身アメリカに渡り大統領誘拐を敢行。

大統領を誘拐して全世界に顔が割れるという、普通の高校生なら人生終わったレベルの悪名も、親父同様、強さを持ってアメリカの権力と司法を手懐ける刃牙。無事にオリバのいるアリゾナ州刑務所に収監される。

今回はゴア描写控え目。その代わりオリバの喜怒哀楽が見物。笑うオリバ、真剣なオリバ、恋人に甘えるオリバ、号泣するオリバ、キレるオリバ。。

彼女を寝取られたオリバ

迎えた刑務所内の一騎打ち。刃牙の背中に父と同じ鬼の顔が。一瞬でダウンしたオリバは究極奥義。パックマンに姿を変えた。

サブキャラにも惜しむ事なく豪華声優を使うこのシリーズ。目撃者として語る刑務官の声が江原正士さん（トム・ハンクスの吹替で有名）のもあって、グリーンマイルを連想してしまう。

右がオリバ

まあグリーンマイルも刃牙vsオリバも「奇跡を回想する話」という点では同じなので、板垣版「グリーンマイル」という解釈で良いのでないかと。

で。拳交えばノーサイドという事で。オリバの独断で刃牙は釈放。その頃、コロラドの岩塩層に氷漬けの恐竜と人がいた。
「教科書と違うじゃん！」（ナレーションby古谷徹）

SAGA

色々「！？」となる場面が多いシリーズだが最大級はやはりコレ。
問題作「SAGA」。死刑囚編の途中で行われた刃牙と梢江の初SEX。

地上波版では大半のシーンが全カットされ、期待したであろう一部視聴者を落胆させた伝説的回となった。

視聴者の心境

テーマ、それは「愛」

という訳で。振り返ってみたがツッコミどころが多いのは確か。
そもそも「グラップラー刃牙」のグラップラーって寝技や組技が得意な人という意味に対して実際はパンチで決着ですからね。

アニメ準備期間中もサントリーが公式MADを作る
勇次郎が吉岡里帆に代わってどんきつねになる
全身チ○コのキャラが登場（板垣先生の自伝）
勇次郎○○と判明。世界中にばら撒かれた俺の種と豪語しながら、
ジャック・ハンマーと刃牙しか息子が登場しなかった理由
と話題を事欠かなかったが、作品のテーマとして闘いともう一つ「愛」という要素もあると見た。

刃牙は梢江とSAGAしてパワーアップした。オリバの力の源は恋人をお姫様する事だった。そして明かされる刃牙の亡き母・江珠の記憶。江珠の夫だった勇次郎の湯を沸かすならぬ、身を壊す程の熱い愛

闘いの果てに刃牙は勇次郎から何を感じるのか。
親子の愛か、絆か。憎しみか。驚天動地のバトル目撃まであと2か月。