雑誌『MEZZANINE』×紀伊國屋書店新宿本店｜「本屋で都市を編む」対談レポ #03
2020年9月17日より紀伊國屋書店新宿本店４階でスタート、11月3日に大盛況のうちに終了した「本屋で都市を編む」ブックフェア。
「さまざま分野で活躍する総勢35名にも及ぶアーバンシンカーたちが選りすぐった70冊を展開する」という大規模な選書フェアは、どのようにして生まれたのか？
また、このフェアで伝えたかったこと、さらにはこれからの書店と都市の在り方について、フェアの企画者である『MEZZANINE（メザニン）』編集長の吹田良平さんと、紀伊國屋書店新宿本店 建築書ご担当の中西さんにお話を伺いしました。
お二人の対談を全4回のレポート形式でお送りします。
気になる本、たくさんあります。
―ちなみに、中西さんが把握しているなかで、売れている本はどのタイトルですか？
中西さん：『東京裏返し 社会学的街歩きガイド (集英社新書／吉見俊哉)』ですかね。新刊っていうのもかなり大きかったと思います。
あとは、『都市計画の世界史 (講談社現代新書／日端康雄)』。これはわたしも買いました。
都市計画の歴史の本って意外となくて、しかもコンパクトで買いやすく、わかりやすい。都市や建築の歴史の本は結構あるんですけどね。
でも、『MEZZANINE VOLUME４（トゥーヴァージンズ／吹田良平）』も売れていました。
吹田さん：そうですか、手前味噌ですがありがとうございます！
中西さん：あとは『ストリートファイト 人間の街路を取り戻したニューヨーク市交通局長の闘い（学芸出版社／ジャネット・サディク＝カ－ン、セス・ソロモノウ）』も売れていました。
これも新刊というのが強かったですね。
―選書者の方が選んだ本のなかで、お二人が気になったタイトルを１点ずつ教えてください。
中西さん：１点……難しいですね。たくさんあるんですけど、吹田さんは？
吹田さん：１点はちょっとあれですけど、例えば僕の好みとしては『ハードウェアハッカー～新しいモノをつくる破壊と創造の冒険（技術評論社／アンドリュー・バニー・ファン）』、こういうのが好きなんですね。
いわゆるセンス・オブ・ハックというか、ちょっとパンクの匂いのする、まさに街のダイナミズムをそのままページに定着させたような息吹が伝わるアブない本です。
『ハードウェアハッカー』と『プロトタイプシティ（KADOKAWA／高須正和他）』も読んでいてとてもワクワクしますね。
あと、家や事務所で手に取る頻度が多いのが『無形学へ（水曜社／山村崇他）』ですね。
18名の研究者による共同執筆ですが、今僕が一番注目してる山村崇先生、佐久間康富先生、吉江俊先生の考察に触れられる本になります。
中西さん：私も『無形学へ』は気になりました！
あと、これは漫画なんですけど『ベルリンうわの空（イースト・プレス／香山哲）』。こちらも買って読みました。
見た目はちょっとサブカル系で読む人を選ぶ本なのかなと思っていたのですが、読んだらすごく平易な表現。市井の人間の生活の視座から、「自分が住む都市がどんな都市かを考えていく」という内容です。「生活からの視座」っていうのがわたしのなかで結構ポイントかもしれないです。
教科書に載せてもいいんじゃないかっていうくらいとてもわかりやすくて、こういう視点をみんなが持っていたらもっと「街や都市を良くしよう」という気持ちも出てくるんじゃないかと思いました。
吹田さん：『ベルリンうわの空』作者の香山さんの作品が掲載されている『MOMENT（リ・パブリック／白井瞭）』もいいですよね。気になる雑誌です。
中西さん：そうですね、『MEZZANINE』と目指すところが似てるなと思って注目していたので、今回フェアに入れられて良かったです。
あとは『ベルリン・都市・未来（太田出版／武村光裕）』。
メディア美学者である武邑光裕先生の著書ですが、まず「メディア美学者」とは？ という部分が気になっていました。
以前から売れ方もよくて、前回の『MEZZANINE』フェアのときに仕入れたら“待ってました！”とウェブストアで買ってくれる方もいて。
この本は弊店にないといけないんじゃないかと思うようになりました。
吹田さん：わたしも昔から超リスペクトの武邑先生です。
＞＞第4回へつづく。
【プロフィール】
吹田 良平
1963 年生まれ。
(株)アーキネティクス代表取締役。『MEZZANINE』編集長。
大学卒業後、浜野総合研究所を経て、2003年、都市を対象にプレイスメイキングとプリントメイキングを行うアーキネティクスを設立。都市開発、商業開発等の構想策定を中心に関連する内容の出版物編集・制作を行う。主な実績に渋谷QFRONT、「北仲BRICK & WHITE experience」編集制作、『日本ショッピングセンター ハンドブック』共著、『グリーンネイバーフッド』自著等がある。
●WEBサイト：https://www.archinetics-inc.com/
●Twitter：@Mag_MEZZANINE
●Instagram：mezzanine.mag
●note：MEZZANINE（メザニン）
【INFORMATION】
紀伊國屋書店 新宿本店
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-17-7
●WEBサイト：https://store.kinokuniya.co.jp/store/shinjuku-main-store/
●Twitter：@KinoShinjuku
●「本屋で都市を編む」特別ページ
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吹田良平さんが編集長を務める雑誌『MEZZANINE』はこちら。
また、電子書店での『MEZZANINE』配信がスタートしました！
紀伊國屋書店さんの電子書籍サービス「Kinoppy」をはじめ、kindle、honto、楽天kobo、など各電子書店をご確認ください。
グローバルな雑誌なので、海外在住の方にもご高覧いただければなによりでございます！
ただ……
紙の質感にこだわった『MEZZANINE』、
できれば、できれば、紙で読んでほしい……！
もしご興味のある方は紀伊國屋書店さんはもちろん、お近くの書店でお求めいただければうれしいです。
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