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「名探偵じゃなくても」、家族だもんね😂


これはまだ文庫じゃない。
でも、早く読みたくて、単行本をすぐに買った。

涙が止まらなかった。

だって、ぜりーですらタイムトラベルを出来る物語なんて、そうそうないもの。

「名探偵じゃなくても・・おじいちゃんは私のだい好きなおじいちゃんだもん」
主人公のことば。

ぜりーは祖母をかさねた。
唯一認知症って、タイムトラベルをできるらしいってことば。

そうかもしれないって思う実際のぜりーのおばあちゃんの出来事がある。

⭐︎⭐︎

車いすで過ごしていた晩年。

認知症の診断をされる直前の真冬。
北国の地面は氷と水とでこぼこのスケートリンク。

「歩くのがこわい。」と一緒に回転ずしを食べに行っても、少しでも車いすに乗ろうとしてた。

でも、あの猛吹雪の真夜中。
祖母は・・自宅から急に現金を何枚も持ってパニックになって、ポストに投函したんだ。
現金をちぎって、バラまいてもいたらしい。

しかも車いすを使わないで、自力で歩いて・・コートも着ずに・・サンダルを履いて・・一番近いポストに向かったらしい。

おばあちゃん。
きっとさ、本当はさ、こわいけれど、自力で歩きたかったんだよね?
歩くのがこわいって言っただけだね。きっと、そうだったんだよね?
いろいろあって、バラバラになった家族のために、お金を貯めていたの知ってるよ。
おばあちゃん、言わないんだもん。
大事なこと、なんにも。

でも、タイムトラベルをしたあのとき、おばあちゃんはそこでは歩いていたんだね。
じゃあきっと、過去の楽しい思い出も混じっていたんだね。
そこには誰がいたの?
ぜりーは居たかな?

ケアマネから真夜中に緊急で連絡をもらったマミとぜりー、そして家族は一目散に、祖母宅に向かった。

ベッドで祖母が泣いていて、ひたすらに左手でベッドをたたいていた・・

あのあと・・ショートにいくことにもなるんだけど・・

ぜりー、びっくりしてさ、みてらんなかったよ。
あのときのおばあちゃん。

でも、おばあちゃんもそうだったんだね。
自分のこと、自分でみてらんなかったんだね。
だから、ベッドをしきりにたたいた。

気づけなくて、ごめん。

今なら話せる。
もっと、聴きたかったよ。

☆☆

おかげで・・あのときが思いだせた。
でもね・・思いだしてから、、、しばらく経ったんだ。
その今がある。
すぐには書けなかった。

辛かったものは書くのも話すのも勇気がいる。

おばあちゃんの許可もほしかった。
そして、ぜりーが語るなかで・・ぜりー自身が語ることを許せるか否か。
そこに耐え抜くまで、ぜりーは時間がかかる。
だから、書くときに書く。

そこまでの覚悟が、必要な内容だってあるんだ。

⭐︎

主人公の女性をまもった青年男性2人。
どちらも・・それ相応に大変な過去をもっていた。
それすらも、この本のおじいちゃんは・・解いてくれるんだ。
といてもくれるし、ほどいてもくれるから「解いて」と書いているよ。

そして・・多分続くんだろうって予感のするヒッチコックの映画に魅了されたこわい人。
他にもこわい人は2人いる。
おじいちゃんは、自らの認知症の症状に絶望しながらも、それを活かしきって、孫を助けている。
皆と協力しながら。

最後に・・主人公の親友の家族の「女の子」に語りかけるあのシーン・・泣けちゃったな・・

ねぇ、おじいちゃん・おばあちゃん。
ぜりーもね・・イギリス行きたいよ☆

ありがとう。

⭐︎

続きが書かれること、心待ちにしております。

202407141907 ぜりー

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