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コロナ禍における社内コミュニケーションの最適解を導き出してみた 【ビデオ通話、チャット、対面】

みなさんこんにちは!
GMOタウンWiFiにて組織改善に励むのんにゃんです。

今回は、このコロナ禍において多様化した社内コミュニケーションツールの中で果たしてどれが正解なのか、リアルに会うことは本当に無意味なのか、オンラインだけだと馴染めていない人はいないのか…このようなことを調査し、まとめました。

「なんとなくリアルで会った方がいい気がする」、「いやいやビデオ通話で十分でしょ」、といった感覚的な事柄について論理的な根拠を探すことができたので、コミュニケーションについてモヤモヤしている方はぜひご覧ください。

社内向けに発表した資料をスライドシェアに上げていますが、この記事では補足しながら説明できればと思います。


1. コミュニケーションツールの種類について

社内コミュニケーションを以下の6つにカテゴライズし、縦軸を同期/非同期、横軸を聴覚/視覚にして分布させてみました。

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1-1. 対面

実際にオフィスに集まって行うコミュニケーション方法です。対面は、完全に同期的(=リアルタイム)であり、視覚と聴覚を両方とも必要とし、非言語的手がかり(※後で説明します)が最も多く存在するコミュニケーションです。

1-2. 音声通話

離れた場所で音声のみで行うコミュニケーション方法です。slackの音声通話や、ZOOMなどのビデオ通話においてもカメラをオフにした場合、音声通話となります。基本的には同期的ではありますが、通信環境の影響により完全に同期的とは言えない(少なからずラグが存在する)ので、対面よりもやや下に位置させています。

1-3. ビデオ通話

離れた場所でカメラをオンにし、お互いの顔が画面で見える状態で行うコミュニケーション方法です。コロナ禍により主流のコミュニケーション方法の一つになった企業も多いのではないでしょうか。こちらも音声通話同様に、通信環境の影響で完全に同期的とは言えません。また、顔が見えているため、音声通話よりも非言語的手がかりが多くなりますが、対面ほどの量ではありません。

1-4. チャット

slackやchatworkなど、文字によるコミュニケーション方法です。メールと比較すると、相手がオンラインかオフラインかが分かったり、リアルタイム性が問われるコミュニケーションのため、半同期的なものであると定義しました。使うのは視覚ですが、見る対象は相手の顔ではなく文字だけとなります。

1-5. ボイスメッセージ

LINEなどで、声を録音して送るコミュニケーション方法です。活用している企業は少なそうなので、今回は割愛します。

1-6. メール

一般的に、即時性を求められない文字によるコミュニケーション方法です。チャットのような会話形式とは異なり、ルールやマナーが多く存在しています。現代のオンライン上でのコミュニケーションにおいて、最も非同期的と言えるのではないかと思います。


2. 非言語的手がかりによる影響と矛盾

非言語的手がかりとは、コミュニケーションにおいて相手の考えや気持ちを理解する手がかりとなりうる、表情・視線・ジェスチャー・声のトーンなどの非言語的要素のことを指します。

以下は、さまざまな研究や実験から明らかとなった、コミュニケーションにおける非言語的手がかりの多さと、伝達の正確さを図にしたものです。

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2-1. 「対面の方が伝わりやすい」はウソ?!

社会心理学の研究の蓄積により、オンラインでの非言語的手がかりの少なさは、円滑なコミュニケーションにおいて問題ではないことが分かったそうです。

私たちは、非言語手がかりの多い対面で直接話すことが一番伝えたいことが伝わりやすいと思い込んでいるだけであり、実際は非言語的手がかりが少なければ少ないほど、情報が正確に伝わるそうです。むしろ、非言語的手がかりにより正確さが阻害されてしまうのです。たしかに直接話すと、その場ではよく理解できたと感じますが、後から振り返るとあまり覚えていないというようなことがよくあると思います。

対面と比較して、音声通話やビデオ通話は聴覚に集中できるので、情報処理速度が上がり、より正確に情報が伝わるのです。

人の脳の情報処理能力には限界があります。実際に会ってコミュニケーションをとる場合は5感で情報を処理するので1つ1つの感覚の精度が落ちてしまいます。しかし音声通話やビデオ通話の場合は実際に会うよりも聴覚に集中できるので情報処理速度が上がりより正確に情報が伝わるのです。

(引用元:https://kayakura.me/video-chat/)

2-2. 非言語的手がかりがないと、「伝わった」ことが伝わらない

ではなぜ、私たちは対面の方が伝えられたと思い込んでしまっているのかというと、それは非言語的手がかりが「伝わった」と伝えることに有用だからです。細かな表情やジェスチャー、視線によって、人は「伝わった」ことを伝えているのです。ビデオ通話だと目が合うことはないですし、小さな表情の変化には気が付きません。さらに、反応があったとしてもタイムラグのせいで何に対する反応なのか分かりにくいと思います。

問題は、これが実際に伝わったかどうかと無関連に生じてしまっていることです。つまり、きちんと伝わっているにもかかわらず、非言語的手がかりの少なさにより伝わっていないと感じてしまうのです。

3. 雰囲気の共有

「雰囲気」は、一人の感情を他者が次々と感じ取って「模倣」し、「伝染」され、それが集団の中で「循環」されることにより醸成されます。

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「楽しさ」「幸せ」「笑い」は対面の方が共有されやすく、一体感を味わうことができます。また、「笑い」には人間にとって「同じ文化を共有した仲間であること」を証明する機能があるとのことなので、こんなご時世だからこそ大事にしていきたいものです。

反対にオンラインの場合は、タイムラグにより感情が寸断され、共有することが困難になってしまいます。「笑い」に至っては、シラけたムードになってしまうので、仲間意識を育むことが非常に難しくなります。

コロナ禍での転職者の定着率が悪いと嘆いている企業も多くあるかと思いますが、もしかしたら「笑い」を共有できていないことが一つの要因かもしれません。

笑いが共有できない理由ともう1つの弊害はテンポ感が一定ではないことです。笑いはテンポが命ですが、テンポはビデオ通話の場合「タイムラグ」によって寸断を繰り返します。よって教授が笑わせようと思っても、本来なら笑ってもらえるところで笑ってもらえず「白けたムード」が漂うのです。

(引用元:https://kayakura.me/video-chat/)

以下は、弊社のパートナーに2021/03/31~2021/04/02に取ったアンケートの一部です。オンラインでもオフラインでも安心したコミュニケーションが取れているパートナーが多くいたのでホッとしましたが、やはりオンラインの方が安心できる人はかなり少数であることが分かりました。

これも上記の研究通り対面だと、「楽しさ」や「幸せ」、「笑い」といった雰囲気を共有できるのでより安心できる人が多いのではないかと思います。

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4. 結論:目的によってコミュニケーション方法を使い分ける

非言語的手がかりの少ないコミュニケーション方法(主にオンライン)は、内容を正確に伝達することに優れ、反対に非言語的手がかりの多い対面では雰囲気の共有をすることができます。つまり、それぞれに長所と短所があるので、会議の目的に合わせてコミュニケーション方法を使い分けるのが良いでしょう。これを機に、本当に必要な会議なのか改めて考えることもオススメします。

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4-1. 正確に内容を伝えたい場合は、「チャット」or「音声通話」

非言語的手がかりが非常に少ないチャットや音声通話は、内容を正確に伝えることに優れています。実際に私がこの内容をパートナーに発表した際は、ZOOMを最小化して誰の顔も見ずに行いましたが、何にも気を取られることなく伝えることに集中することができました。発表後は、再度みんなの顔が見えるように戻し、様子を伺いました。

このように、場面に応じて自分で設定を変えていくことで、より良いコミュニケーションが取れるようになるかもしれません。

相談や議論ではなく、まとめた内容を発表する際は、チャットや音声通話が適しています。

4-2. 心のつながりを大切にしたい場合は、「対面」

どれだけIT化が進もうとも、私たちはやはり人間なのです。特に新入社員が入ってきた場合などは、コロナ対策をしつつなるべく対面でコミュニケーションを取った方が、もしかしたら離職防止に繋がるかもしれません。

今では対面は貴重なコミュニケーションだと思いますので、その際は「楽しさ」や「幸せ」、「笑い」を共有できるような時間になるといいですね。

4-3. 心のつながりを大事にしたいけど物理的に集まれない場合は、「ビデオ通話」

雰囲気を共有したいが物理的に集まるべきでない場合には、ビデオ通話が良いでしょう。しかし、普通にビデオ通話をしているだけでは「楽しさ」「幸せ」「笑い」が共有されづらいことをきちんと念頭に置いていないと、むしろ心の距離がひらいてしまう可能性があることを忘れないでください。


長くなってきてしまったのでこの記事はここら辺にしておき、次の記事では弊社で具体的にどのようなルールや意識を持ってもらうようパートナーに伝えたかを書いていければと思います。

また、弊社のパートナーがビデオ通話や書き言葉において何に不安を覚えているかのアンケート結果もご紹介します。

それでは次の記事👇でお会いしましょう。

本記事は、以下の記事を主に参考にし、新たに図などを挿入いたしました。とても実りのある記事を世の中に出していただき、どうもありがとうございます!

KAYAKURA.「ビデオ通話の社会学-疑問解決・ストレス解消 知って得するビデオ通話の豆知識-」.https://kayakura.me/video-chat/,(2021/04/15)

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