見出し画像

大規模サービスの開発組織で「0→1」に挑戦できる楽しさ。フロントエンド内製化を経て感じた組織の変化と成長/フロントエンドタスク座談会

TVerのさらなるサービス成長のため、注力しているのがエンジニア組織の強化です。2022年に実施したバックエンドの内製化に続き、2023年はフロントエンドの内製化に着手してきました。

取り組みをリードしたフロントエンドタスク内では「開発スピードだけでなく、不具合を未然に防ぐ体制も整った」と手ごたえを感じています。彼らは内製化をどのように進め、どのような変化を感じているのでしょうか?

組織づくりを担うタスクマネージャーの𠮷田、Androidアプリチームリーダーの鈴木、iOSアプリチームリーダーの小森の3名が、内製化の取り組みと成果について語り合いました。

■プロフィール
サービスプロダクト本部 フロントエンドタスク タスクマネージャー:𠮷田 紳一郎(写真左)
SIerにて大企業向けのシステム開発やインフラ構築に携わった後、個人事業主・スタートアップのCTOとして、技術戦略の立案からエンジニアリング組織の体制構築まで幅広く経験。TVerには2022年5月より業務委託としてジョインし、2023年4月に正社員として入社。

サービスプロダクト本部 フロントエンドタスク:鈴木 白斗(写真中央)
ブラウザゲームのバックエンド・フロントエンド開発を経て、EC事業部門へ異動になったことからAndroidエンジニアとしてのキャリアを歩む。2社目では不動産サービスのアプリ開発を手がけ、2023年4月にTVerへ入社。

サービスプロダクト本部 フロントエンドタスク:小森 英明(写真右)
9年勤務した前職では、サーバーサイドエンジニアを経て、親子向けメッセージアプリの開発をメインに、約7年間iOSエンジニアとして従事。オフショア開発から内製化チームの立ち上げも経験。2023年10月、TVerへ入社。


開発スピードを上げ、エンジニアがますます楽しく働ける環境を目指して

——はじめに、皆さんはどのような経緯でTVerへ入社を決めたのでしょうか?

𠮷田:私は、これまで20年以上、IT業界でシステム開発・インフラ構築など幅広く経験してきました。その中で、以前からTVerの現CTOである田中とつながりがあったんです。前職を離れるタイミングでちょうど田中から誘われ「この人と一緒に仕事ができたら絶対におもしろいな」と直感し、入社を決めました。

鈴木:TVerへ転職を決めたのは、ライフステージの変化がきっかけでした。将来子どもが生まれたときに誇れるような、幅広い年齢層向けのサービス開発をしたいと考えるようになったんです。そのような中、Androidエンジニアとしての経験が活かせるTVerの求人を見つけ、現在に至ります。

小森:私は、前職でオフショア開発から内製化チームの立ち上げを経験し、エンジニアとしてさらなるステップアップの道を模索していました。TVerでは、iOSアプリ開発の内製化をリードできるだけでなく、プロダクトの成長や組織の文化構築にも携われると聞き、入社を決めました。

——お三方が所属する、フロントエンドタスクの体制と業務について教えてください。

𠮷田:現在、フロントエンドタスクには業務委託を含めて20名ほどのメンバーが在籍しています。うち6名は、2024年1月に迎えたばかりの新たなメンバーであり、社内でもとりわけ急速に拡大しているチームのひとつです。

2023年、私たちのタスクではフロントエンド領域における開発体制の内製化に注力して取り組んできました。

構想が生まれたのは、2022年4月にTVerのサービスを大幅にリニューアルした直後のことです。2023年4月に1人目の社内Androidエンジニアとして鈴木が入社してから、実際に内製化へと動いていきました。Androidチームは、2023年10月に内製化が無事完了しています。

iOSチームは、小森が入社した2023年10月より立ち上がりました。現在は協力会社から徐々に業務を引き継ぎながら、ゴールを目指しているところです。

——なぜフロントエンド内製化の取り組みを始めたのでしょうか?

𠮷田:内製化の目的は、大きく2つあります。1つ目は、組織としてスケールしやすい環境を作ること。そして2つ目は、ビジネスサイドが期待するスピード感を追い越す勢いで、迅速にユーザーへの価値を提供することです。

その背景には、解決したい技術的な問題がありました。TVerのサービスリニューアル後、改めてアプリの品質検証を行ったところ、技術的負債がかなり蓄積されている状況が明らかになったのです。

このままメンテナンスをし続けていくと、開発スピードの担保が見込めなくなってしまいます。開発を内製化して、柔軟に対応できる体制を構築する必要があると考えました。

——𠮷田さんから問題提起をされたのでしょうか?

𠮷田:CTOの田中やサービスプロダクト本部長の穗坂に、毎日のように内製化のアイデアを伝え続けていたら「じゃあ、𠮷田さんに任せるよ」と言われ、取り組みを主導することになりました。当時は提案というほどきちんとした形で発信できていませんでしたが、挑戦の機会をもらえてありがたかったですね。

私はフロントエンドタスクのタスクマネージャーとして、まず組織づくりに注力しました。内製化が実現できれば、TVerはエンジニアにとってさらに楽しく成長できる環境になるはずです。

そのように組織が目指す未来を語り、共感してくれる仲間を集めていくプロセスも楽しみながら、採用活動に取り組んでいます。

内製化によって、意思決定のプロセスと他チームとの連携がスムーズに

——2023年4月、鈴木さんの入社とともに立ち上がったAndroidチームは、どのように内製化を進めていきましたか?

鈴木:私たちは「担保されている開発スケジュールを遅らせず、かつクオリティを今以上のものにする」を目標に設定し、内製化を進めていきました。

入社当時、TVerに感じたのは「いろいろな人が紡いできた歴史が見えるプロダクトだな」ということです。アプリ内の各動作が個別最適化されているゆえ、遷移がスムーズでない箇所が複数見られ、クラッシュ率にも改善の余地がありました。

そこでまずは、パートナー会社に現状の開発工程を詳しくヒアリングした上で「内製化するならどういった進め方がベストか?」をチームで議論していったんです。スムーズでない工程のボトルネックを突き止めて対処し、社内ではその問題を持ち越さないように引き継ぎを行いました。

取り組みを進める中では、一日に何十個と改善したい箇所が見つかります。そのたびに掲げた目標に立ち返り、優先順位をつけたり、タスクを取捨選択したりするのが大変でした。

そうして試行錯誤を重ねつつ、結果としては理想的な形で内製化の完了に至りました。今まで以上に早くリリースサイクルを回せる体制になった上、クラッシュ率も大幅に改善されたのです。求められていた結果を出せて、安心しましたね。

——iOSチームのリーダーを務める小森さんにも、内製化の取り組みを聞きたいと思います。

小森:iOSのほうはアプリ上で大きな不具合は発生していなかったものの、システムが機能拡張しにくい構造になっていた点は大きな課題として捉えていました。そのため「ユーザーに価値のある体験を届ける」視点での機能開発や改善にも着手できていなかったのです。

Androidチームと同様、まず取り組んだのは現状を把握することです。ソースコードや社内資料を読み込みながら、プロダクトへの理解を深めていきました。

また、チームとして成功体験を積み上げるため、最初は難易度の高くないタスクから着手するようにしました。短いサイクルでの実装、機能追加、バグ修正を繰り返すことで、開発のテンポ感を上げていこうと考えたのです。

チーム全体で一定の手ごたえを得られた段階で、次のステップとして挑戦しているのが、他タスクも巻き込んだ規模の大きな開発案件です。機能開発の企画から実装までをリードするテクニカルディレクターや、Androidチームのメンバーにも知恵を借りつつ、より複雑な問題にも対処できるチームになってきました。

2024年1月現在、引き続き内製化の完了に向けてチーム一丸となって取り組みを進めています。

——内製化に向けた一連の活動を経て、フロントエンドタスク内でどのような変化が生まれていますか?

𠮷田:大きく3つの変化があったと思います。1つ目は、開発スピードが明らかに向上したこと、2つ目は、TVerのプロダクト品質が向上したこと。そして3つ目は、未然に不具合を防げる体制が構築できたことです。

鈴木:内製化によって社内で連携しやすくなったことが、開発スピードの向上に寄与していると感じます。とくに、他のタスクからプロダクトの仕様や改善要望について気軽に相談してもらえるようになったことは、大きな変化です。

これまではパートナー企業に依頼をするため、しかるべきレポートラインでの伝達が必要でした。現在は、よりざっくりした内容のやり取りが社内でできるようになり、それがスピーディーな着手につながっています。

実際に、アプリ上のプッシュ通知サービスでささいな不具合があった際、問題の発生直後にマーケティングタスクから報告が来て、すぐに対応できた事例もありました。

小森:加えて、フロントエンドタスク内でも、問題解決に対するアプローチが洗練されてきたと感じます。𠮷田さん、鈴木さんと、QA業務のリーダーも含めて「プロダクトとしてどうあるべきか」という全体を俯瞰した視点からすり合わせできるようになったためです。内製化によって、組織がさまざまな面で進化できたのではないでしょうか。

多様なステークホルダーが関わる唯一無二のサービスだからこそ、エンジニアとして成長できる

——皆さんがTVerで働く中で感じる、仕事のやりがいや魅力について聞かせください。

小森:内製化をはじめ、0→1の組織づくりに携われる点におもしろさを感じています。しかも、月間ユニークブラウザ数が3,000万MUBを超える大規模なプロダクトを提供している環境で取り組める。この掛け合わせは、TVer以外ではなかなか味わえません。

ユーザーに対する継続的な価値提供の責任がある中で、業務効率化のためのワークフロー再構築や、プロダクトのさらなる成長についても同時に考えて挑戦できるんです。かなり貴重な環境なのではないでしょうか。

鈴木:コネクテッドTV向けの開発も行うなど、TVerはさまざまなプラットフォームに派生していける土壌もあります。さらに、放送局各社や広告会社などステークホルダーが多く、多様な立場の方々が関わるのも大きな特徴です。

そのような中で、自分たちが考えた提案や改善によってより高い価値を提供できることに、責任感と充実感を持ちながら日々仕事しています。

𠮷田:TVerが他のプロダクトと明らかに違う強みは、放送局が制作したクオリティの高いテレビ番組を扱える点にあると思います。

一方、世の中で多様な娯楽が存在する中で「テレビ離れ」と呼ばれる現状もある。その中で、プロダクトを通じてコンテンツの楽しさや魅力をどのように伝えていけるかを考えるのは、難しくもやりがいがあるんです。

——どのような人が、TVerで活躍できると思いますか?

鈴木:逆説的ですが、決めたことだけをこなすのが好きな人は、TVerにはあまりいないような気がします。

仕様を100%の状態まで固めてから機能開発に取り組むことは、ほぼありません。70%の状態から、いかにさまざまな人を巻き込んで100%、120%を目指していけるかが重要なんです。その過程を楽しめる人は、TVerの環境が合っているのではないでしょうか。

𠮷田:技術面だけでなく、ビジネス的な観点でもプロダクトの成長を追求できる人は、絶対にTVerの仕事を楽しめるはずです。「もっとこうしたらいいのでは?」というアイデアを気軽に出し合い、議論しながら、責任を持って遂行できる環境がTVerにはあります。

また私自身マネージャーとして、エンジニア一人ひとりが気持ちよく働き、結果を出しながら成長できる職場づくりについて常に考えています。ぜひ、私たちと一緒に楽しみながら、プロダクトを成長させていきましょう!


株式会社TVerでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。

TVer Tech Blogもぜひご覧ください。

取材協力:CASTER BIZ recruiting

この記事が参加している募集

転職してよかったこと

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!