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【日刊辛愛媛】松山市民会館とNHK


 JRの高架化に伴う松山駅の新駅舎開業が9月29日に決まった。日本一みすぼらしい県庁所在地の駅との呼び声高い(筆者も同感)駅舎の70年ぶり新築に、ようやくか、という意見が大半であり、現状維持好きの松山市民も納得だろう。
 これに付随するように、同駅隣接地に老朽化した松山市民会館の移転計画が持ち上がっている。現在、松山城下の堀之内にある同会館は過去の一時期、松山に縁した自分にとっても有名アーティストのコンサートは想い出深い。もともと飾り気のないコンクリート打ちっぱなしのような外観が逆に古さを感じさないが、半世紀お疲れさまと労いたい。移転する新会館が同規模になるか、一部経済界から要望のあるアリーナになるか不明だが、高松に中四国最大規模のアリーナがまもなく完成すれば、コンサートもそっちへ向かうのが収益面からみてもやむを得ず、市民会館の同規模移転が妥当と考える。

松山市堀之内にある市民会館とNHK松山局

 さて、堀之内にはもう一つ老朽化したNHK松山放送局があり、これも新築が課題となっている(NHKのHPに将来計画を確認)。堀之内地区はもともと松山城に連なる敷地として国の管理下にあり、野球場や競輪場、テニスコートや市民プールが次々と郊外に移転し現在は広大な公園となっていて、市民会館移転後に残存するのは県立美術館と同局のみである。これらが文化施設として将来も現在地に改築はありうるが、同局の役割が四国の拠点放送局を維持するならば、それなりの規模と機能性が必要であり、移転新築が望ましいのではないか。
 となると、市民会館と仲良く松山駅周辺に移転するか、もしくは例えば道後に近く土地活用方法が定まらない県民文化会館前の県有地に移転も候補となり得ないか。後者の場合、警察や大病院、地元では東大・京大以外なら卒業大学名よりネームバリューある伝統的進学校、更には国立大・私大等、NHKが好む文化教養施設も多い。市役所や県庁からは離れるが、市街地の狭い松山で遠距離というほどでもない。

 以上、今日も勝手に松山の発展的将来像を描いてみたが、とにかく街づくりのスピードが遅い土地柄。それだけに、どんな形であれ再開発には時間がかかることは、冒頭の松山駅が証明している。