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「撮影が終わる頃には得意なカクテルを作っていたいです」町田啓太インタビュー【ドラマ特区 西荻窪 三ツ星洋酒堂】

いまや日本はもちろん、アジアからも注目される俳優・町田啓太。満を持して初のドラマ主演! バーテンダーに扮したドラマ『西荻窪 三ツ星洋酒堂』について、共演する森崎ウィンとの“数年越しに叶えた夢の話”や、彼を支える存在の話など、じっくりと話を聞いた。

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取材&文/吉田可奈


――放送中のドラマ『西荻窪 三ツ星洋酒堂』主演のオファーを受けたときの感想を教えて下さい。

純粋にうれしかったです。当たり前ですが、主演はドラマの中で一番フォーカスしていただき、さらに作品に長く多く関わらせていただく大事な役目。なので、撮影がすごく楽しみでしたし、これは今までよりもさらに頑張らないといけないと思いました。

――演じる“雨宮”は、ミステリアスで美しい青年のバーテンダーという役どころですが、この役をどう捉えていますか?

まだ原作も途中なので深くはお話しできないのですが、雨宮は、バーに集まったみなさんや、同級生2人と深く関わっていくことで自分と向き合い、心が動いていくんです。それに、どんな人でも雨宮に対しては、自然と心の内を話してしまうんですよね。それはなぜだろうと考えたときに、彼はどんな人に対しても柔らかく、丁寧に気を遣えるからだと思ったんです。雨宮が相手を尊重して話すと、対する相手も現状よりも少し前を向けるんですよ。ただ、雨宮は相手の為だけにそうするのではなく、自分がそうすることで、自分の存在価値を見出しているのかなとも思いました。なので、みんなが心を許して、つい話したくなるような“柔らかさ”は大事に演じていきたいです。

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――同級生役は森崎ウィンさんと藤原季節さんが演じますが、共演してみていかがでしたか?

お2人とも、ドラマでは今回が初めての共演となるんですが、森崎ウィンくんとは、数年前にバラエティ番組で1度だけお会いしたことがあるんです。その時に「いつか一緒に何かができたらいいね」と話していたので、夢が叶ったように思いました。

――すごく素敵ですね。

うれしいことですよね。なので、今回、森崎ウィンくんの名前を聞いたときに、すごく楽しみだったんです。しかも、現場で一緒になったときに、ウィンくんは飛行機が大好きなことを知ったんですよ。僕も航空系の学校へ行っていたので、飛行機の話ですごく盛り上がったんです。本当に無邪気に話される方なので、すぐに打ち解けることが出来ました。藤原季節くんも、好きな映画の話で一気に仲良くなったんです。季節くんは年下なんですが、全然年下の感じがしないくらいしっかりされていますし、真っ直ぐで気持ちがいいんです。お2人ともすごく柔らかいので、このドラマの雰囲気にすごく合っているなと思いました。この2人が演じるキャラクターもすごく素敵なので、雨宮と3人のシーンも楽しんでもらえると思います。

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――もうすでに同級生のような雰囲気が出来ているんですね。

そうですね。すでに冗談が飛び交っていたりと、かなり盛り上がっているので楽しい撮影の日々を送っています。

――バーテンダーを演じるうえで、どんな練習をされましたか?

実際にホテルでご活躍されている、世界でも有名なバーテンダーの方に教えてもらいました。まだ練習し始めて日が浅いので不安要素はあるんですが、すごく丁寧に、わかりやすく教えて下さるので助かっています。家でも練習してから現場に入ったのですが、バーテンダーの所作ってすごくキレイですし、グラスの持ち方や、お客さんに対しての心遣いなど、やらなくちゃいけないことがたくさんあるんですよ。これはがんばらなくちゃなと思いました。

――得意なカクテルなどはあるのでしょうか。

それが、まだないんです。これまで、カクテルは自分でも作ったことがなかったので、今回の撮影を通して、得意だと言えるものを作りたいなと思っています。ちなみに1話でコスモポリタンマティーニが出てくるんですが、それはなんとか、ちゃんと作れるようになりました(笑)。

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――ドラマの中では缶詰をアレンジした料理が出てきますが、おもしろいなと思ったレシピはありましたか?

最初に出てくるのが、和牛ロースの缶詰なんです。実は1缶、2000円もするらしいんですよ。それを聞いて本当にいろんな缶詰があるんだなと思いました。さらに海外のムール貝のオリーブオイル漬けのようなオシャレなものもあったり、たこ焼きの缶詰などもあるんです。すごく奥深いですよね。

――“雨宮”がバーテンダーを務める三ツ星洋酒堂は、どんなお店なんでしょうか。

まず、外観がすごくおしゃれなんです。ギラギラしているというよりはちょっと落ち着いていて物静かそうなヴィンテージ感もあって。お店のなかも温かい色合いで素敵なんです。実は、オリジナルの脚本上で、バーの隣にはお花屋さんと古本屋さんがあることになっている設定で。それを踏まえて、スタッフさんが西荻窪へイメージにふさわしい外観のお店を探しに行ったら、本当に花屋さんと古本屋さんの隣にあるこのお店を見つけたそうなんですよ。残念ながらバーではなかったのですが、これは運命だと思います。

――素敵ですね。今はなかなか難しい状況ですが、例えば町田さんがプライベートでバーへ行くとしたら、どんなことを求めて行きたいですか?

僕にとってバーは、少し休憩する場所のようなイメージがあります。食事ではなく、ちょっと一杯お酒を飲みに行きたいなというときに、バーというのはちょっとした気分転換もできる場所なのかなと思うんですよね。カウンターでお酒を作ってくれるお店の方と少しだけ会話をしたりして……その会話って、きっと何気ないことばかりで。自分の行きつけのバーがあったとしても、その時々でお店にいるお客さんによって空気は違うだろうし、毎回新鮮な空気を感じられる場所なので、すごくおもしろいです。最近は行けてはいないのですが、思い返すと、そんな場所だった気がします。

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――ドラマの舞台である三ツ星洋酒堂へ行く人たちもまさにそういう気持ちなのかもしれないですね。

そうですね。このドラマはでは、気分が落ちていたり、何か欠けていたり、自分に傷があったり、引っ掛かっているものがある人たちがふらっと立ち寄って、そこにいる人たちやたまたま居合わせたお客さんたちと関わることでちょっとだけ前向きになっていくんです。誰もが、自分が心に留めておいたことを少し言葉にできると、楽になると思うんですよ。そういう意味で、このバーはやわらかくて温かみのある空間になっているんじゃないかなと思います。きっと、そういう感覚を持っている方もたくさんいらっしゃると思うので、ドラマを観てシンパシーを感じる方もいるでしょうし、自分を投影して、ちょっといいなって気分が明るくなるようなドラマになっていると思います。

――町田さんはこのバーを“雨宿りできるような場所”とコメントされていますが、町田さんが雨宿りできるような場所はありますか?

場所だけではなく、人にもそう感じることがあります。とくに、地元の友だちは僕にとってすごく大事な存在です。大切な友達とご飯をたべたり、温泉旅行へ行ったりすると、気持ちが解放されてなんでも話せちゃうんですよ。それってすごくいいなと思っていて。きっと、ずっと昔から僕のことを知っているし、僕も友達のことを古くから知っているからこそ、自分を振り返ることができたり、初心を思い返せたりするのかなと思うんです。

――ちなみに町田さんは“西荻窪”と聞いて何をイメージしますか?

僕は行ったことがなかったのですが、西荻窪という街は“夢を持って上京した方が、最初から渋谷や六本木に行かずに西荻窪あたりで落ち着いて、夢を膨らませて叶えていくことが多い”と聞いて、納得したんです。実際に撮影で西荻窪へ行くようになってから、街から包み込むような温かさをすごく感じました。隣のお花屋さんの方ともお話をしたんですが、ご夫婦もすごく仲が良さそうですし、「頑張ってね」「絶対見るからね」って話しかけてくださるんです。その空気感も地元を思い出しますし、不思議で素敵な街なんだなと思いました。

――町田さんは現在、“チェリまほ”こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』や『今際の国のアリス』などの出演により、アジア各国からも注目を集めています。その反響や変化は感じられていますか?

変化はすごくありました。たくさんの方にドラマを観ていただいていることが伝わりましたし、楽しいという声もたくさんいただいて、とても光栄です。これからも、日本、海外、ともに本当に多くの人が喜んでくれるような、垣根のない作品を作ることができたらいいなと思いました。あらためて、このお仕事に希望を持つことが出来ました。

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<プロフィール>
町田啓太●まちだけいた
1990年7月4日生まれ。劇団EXILEのメンバーとして、ドラマ、映画、舞台などで活躍。ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』などに出演。テレビ東京とめちゃコミックのコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」の主演・審査員を務める。また大河ドラマ「青天を衝け」に出演する。
<ドラマ情報>
ドラマ特区『西荻窪 三ツ星洋酒堂』
MBS 毎週木曜24:59~ほかにて放送中
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム、GYAO!にて配信中
見放題独占配信:TELASA、auスマートパスプレミアム、J:COMオンデマンド、milplus

ドラマ公式Twitter:@3boshi_youshudo 
 ドラマ公式Instagram:3boshi_youshudo_mbs

©「西荻窪 三ツ星洋酒堂」製作委員会・MBS 


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