【12月号 風間俊介 連載】今、頭の中で描いていること（海外旅行編）『ダンスはうまく踊れない』

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僕が『世にも奇妙な物語』の中で好きな話の１つに『そのボタンを押すな』という話があります。1995年放送で、西村雅彦（現・西村まさ彦）さんが主演なんですが、男がなんの説明もなく部屋に閉じ込められ続けられるんですよ。その部屋は殺風景なんですが、壁にボタンがあって「押すな」と書いてある。最初は我慢できているのですが、いつまで閉じ込められるのか、誰も何も説明してくれない不安から、最終的に、そのボタンを押してしまうんですね。その後、秀逸なオチが待っているのですが、それは書くのを控えておきます。とにかく、人間は抑制されると、意識して、その行動を取りたくなる性質がある生き物だということですね。

そうです、分かります。僕も、そうです。
まぁ、今、海外旅行に行きたい。
みんな、思っていることだと思いますが、まぁ、海外旅行に行きたい。

もちろん、今、気軽に海外に行ける状況下ではないことは分かっています。むしろ、分かっているからこそ、意識して、願望は強まるばかりなのかもしれません。『再び、海外旅行に躊躇なく行ける時がきたら、どこに行こう』そんな妄想をすればする程、思いは肥大していき、今の僕は、次に海外旅行に行った際は、今までで一番すごい旅にしたい。などという、雑なんだけど想いだけは強い、小学生時代の作文みたいなことを頭の中で描いています。思いは、抑えようとすればする程、振り子のように反動が大きくなるものなのかもしれませんね。

まぁ、肝心の『どこに行こう』の部分なんですが、