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国民プロデューサーの眠れない日々がまた始まった! 「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」

文/吉田可奈

運命の2月10日がやってきた

みなさん、ここ数日ちゃんと眠れていますか?

私はほとんど眠れていません。

なぜなら、JO1を輩出した、日本エンタテインメント界で過去最大級の規模となったサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』の幕が切って落とされたからです! 

2019年の秋に韓国の大手エンタテインメント企業CJ ENMと、日本の吉本興業が手を組んで開催された“日プ”こと『PRODUCE 101 JAPAN』は、“どこの事務所にも所属していない”という条件がありながらも6000人の応募を集め、その中から数々のドラマを生み出し大きな盛り上がりを見せ、最終的には国民プロデューサーと呼ばれる視聴者の投票により、11人を選出。その結果、ダンスや歌の未経験者から、元会社員、現役高校生に、これまで芸能活動やバックダンサーをしていたメンバーまで、個性豊かな人物が揃い、今をときめくJO1が誕生しました。

JO1がデビューして約8か月が経過した2021年11月。
早くも彼らの後輩となるアイドルグループを選出する『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』の開催が発表されました。
ただ、今回のオーディションはコロナ禍のために、前回とは形式がまったく異なります。前回のように全員が揃ってお披露目する機会は現状ではなく、国民プロデューサーである視聴者は、いきなり発表された101人(既に辞退者がいるため100人)の宣材写真とダンス映像、歌唱映像、10問10答と1分間PR、さらに五月雨式で公開される直筆メッセージや出勤Photo、リアクションcamなどから毎日11人を投票をしなくてはなりません。

しかも、その期間はたった10日。

この10日間で、最初に40人の脱落者が出ることとなります。

たった! 10日で! 40人が脱落! 

1日1回の投票に悩みすぎて眠れない日々


しかも『PRODUCE 101 JAPAN』“あるある”で、宣材写真は動いている姿とはまったく印象を与えてしまうのです。さらに歌唱とダンスは一発撮り。素人の彼らが自分で考えた1分間PRと10問10答だけで選ばなければいけないという難題に、私たち国民プロデューサーは、その余白に何があったのか、どうしてこの自己PRを選んだのかと考え始めます。そしてこのネット社会だからこそ見えてくる、彼らの歩んできた過去……。デジタルタトゥーと言われるネットの世界、SNSと共に生きてきた彼らの過去はまったくわからないという人の方が少なく、そこには良い情報も悪い情報も連日のようにあぶり出されてしまうのです。


乃木坂46の高山一実の著書『トラペジウム』には、主人公が将来アイドルになったときのために、「いつか流出したこの写真がプラスになるように」と学生時代にボランティア活動に精を出したりするエピソードが出てきますが、まさにいま、現実でそのようなことが起きているのです。

そんななか、練習生の友人たちがSNSで繰り広げる「この子のチャーハンは美味しいです!」「スケボーに対して本当にマジメです!」「この子はいい子なのでぜひ投票を!」という練習生に対する応援メッセージを読んでいると、その練習生の人柄がにじみ出てくるのもたしか。そんな情報の海を泳ぎ切り、歌とダンス、そしてビジュアルの可能性を見て、1日1回の投票権に対し全力で向き合うのだから、国民プロデューサーは24時間休む暇がありません(本当に)。

前回行われた『PRODUCE 101 JAPAN』で誕生したJO1が大ブレイクしているからこそ、今回の『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』には、さらなる注目が集まっており、この記事が公開される2月10日は、すでに101名から60名となる投票の締め切り。練習生も、すでに推しを見つけた国民プロデューサーにとってもつらい2月10日が、ついに終わりを迎えようとしているのです。

101人の時点での注目メンバーをご紹介

さて今回は101人の時点ではありますが、“アイドルになりたい”という大きな夢を掴むために参加した注目メンバーを筆者の独断と偏見で紹介します。

まずは、これまでの経歴から注目されることの多かった練習生たちを紹介。
元ジャニーズJr.の人気メンバーだった田島将吾ヴァサイェガ光。田島は退所後、韓国で2年間練習生を経験。Jr.時代はつねにクマのぬいぐるみを抱っこしていたキュートさで注目されていましたが、大人になった今はまた違った魅力を見せてくれています。ヴァサイェガはJr.で得たダンススキルを武器に、現在JO1の白岩瑠姫が過去に所属していたグループの振り付けをしていた実力派。

エイベックスのダンスボーカルグループα-X’sとして活動していた尾崎匠海は、リアクションcamでパジャマにメガネ姿で登場し“国プ”の心を打ちぬき、1分間PRで和装をしながらボケ倒した元BOYS AND MEN研究生の篠ヶ谷歩夢(ボイメンの血を感じたのは私だけではないはず)、BOYS AND MENトウキョウのメンバーとして活動後、数々の2.5次元の舞台に出演していた最年長であり、最後のチャンスに賭けた27歳の松本旭平などが参加。
これまで様々な経験をしながらも、アイドルになりたいという夢を諦めることが出来なかった彼らだからこそ見せてくれるパフォーマンスが楽しみです。

現JO1メンバーの川尻蓮や大平祥生のように、有名アーティストのバックダンサーとして活躍していた練習生も多く見られます。
SEVENTEENなどのバックにつき、DA PUMPのKENZOから「ダンスがマジメ」と評されていた木村柾哉と、EXO-CBXなどのバックについていた福田翔也は、これまでも一緒にダンスをしている動画がよくアップされ、仲が良い様子。すでにふたり一緒に応援する“ケミ推し”の国プも誕生し、今後の行方が気になるところ。
さらに世界のBTSのバックにつき、「夢を諦められなかった」と話す堀蒼太や、サンシャイン池崎のモノマネで1分PRを使い切り、“ネタ枠”かと思いきやMAMAMOOのファサのバックについていたという圧倒的な実力派・テコエ勇聖、その憂いを帯びたメンズファッション誌モデルのような圧倒的なビジュアルで、TAEMINやちゃんみなのバックを務める才能を持ちながらも、笑いに貪欲な西洸人などは、すでに人気を集めている。


しかし!


この『PRODUCE 101 JAPAN』プロジェクトから生まれたJO1メンバーも、オーディション参加時は経歴やダンス歴も多種多様。元解体作業員でダンスも歌も未経験だった金城碧海や、夢を追いかけ上京し焼き肉店のバイトなのにレジ締めまでを任されるまでになった與那城奨、さらには楽天の内定を蹴ってアイドルに就職した河野純喜などが見事メンバーの座を掴んでいます。
そう、『PRODUCE 101 JAPAN』プロジェクトはこれまでの経歴関係なく実力や人間力でアイドルとしてのステージに立てる、夢のあるオーディションなのです。ここで紹介した活動歴のある練習生に少しのプラス要素があったとしても、60人にまで残れれば、みんな同じスタートライン。ガチンコ勝負へと突入していきます。

多種多様すぎる練習生が参加中!

そういった面で注目して欲しい練習生もご紹介。
ダンスも歌も未経験、高3までは坊主頭だったという池﨑理人はTwitterのいいねが各段に多く、1分間PRで焼きそばの早食いをした上田将人は、友人から「彼が作るチャーハンは最高に上手い」と歌でもダンスでもなくチャーハンを推されたり、髙塚大夢はペットショップ店員として働いている経験から、ペットにはモモンガが向いていると熱弁するかわいらしさを炸裂。
“1人純烈”を掲げて健康センターで歌っていたという村松健太はそのキャラがすでに話題となり、純烈メンバーからもエアリプされるなどの注目度。さらに圧倒的な歌のうまさに可能性を感じる、前回の『PRODUCE 101 JAPAN』に兄が参加していた池本勝久、フィリピンとのハーフであり、驚くほどの小顔で歌唱時の息遣いが聴き手を惹きつける飯沼アントニー、歌から情景を感じさせる表現力を持ち、最近うれしかったことに“自宅のWi-Fiが直ったこと”をあげる藤牧京介や、難しい米津玄師の『感電』を見事に歌い上げる反面クセのある自己PRが頭に残る、“カブトムシを捕まえること”が趣味の20歳・笹岡秀旭、JO1の『Voice(君の声)』を緊張しながらも圧倒的な歌唱力で歌い上げた16歳の山本遥貴。圧倒的に死角なしのビジュアルで美しさにため息がでる松田迅と、そんな彼に一目惚れをして“嫁にしたい”発言で最高の笑みを浮かべる寺尾香信も見逃せない。さらに整いすぎているビジュアルなのに控えめでふんわりした雰囲気で話す髙橋航大や、作詞作曲をした優しい曲「すみれの歌」を抜群の歌唱力で披露した、特技は“抹茶アイス”と謎を残す四谷真佑も記憶に残る。さらに、大平祥生も通っていた、LDHが手掛けるダンススクール、EXPGの生徒だった練習生も多く、ダンスの実力が高い練習生も多い。

『PRODUCE 101 JAPAN』プロジェクトと言えば、これら個人の魅力はもちろんのこと、練習生同士が厳しい練習のなか、お互いを刺激し合い、友情をはぐくみ、脱落者は泣きながらも合格者の夢を応援し、ときに悔しさをにじませながらデビューメンバーを決定していく様が人気のコンテンツ。だからこそ、今のイレギュラーな投票ですでに逸材40名を脱落させるのは断腸の思いですが、まずは決定する60名のメンバーがどう夢を掴んでいくのか、見届けていきたいもの。

2021年は大きなグローバルオーディションが多数開催!

さらに今年は、このオーディションだけでなく、中国、韓国でも大きなオーディションが開催されます。
中国版『PRODUCE101』として始まった『創造営2021』では、前回の『PRODUCE 101 JAPAN』での脱落者であり、現在はMAMAMOOが所属する事務所の練習生として頑張っている井汲大翔、田口馨也、現在ORβITとして活躍する上原潤の兄・上原一翔、元ジャニーズJr.の羽生田挙武、スターダストに所属する佐藤永翔など、INTERSECTIONのメンバーであるミッチェル和馬など、多数の日本人が参加しています。これには現在話題のタイBL作品『2moons2』に出演し、OXQのグループとしても活動していたnineも参加し大きな話題に。

その他、中国では圧倒的なビジュアルとスタイルの練習生の写真が続々と発表され注目を浴びている『Youth with You/青春有你3』も開催されます。スキンヘッドで息を呑むような美形の練習生・梁森や、美しさとかわいさを併せ持つインハオ、個性的なメンバーが揃う熊貓堂(Produce Pandas)など、異なる魅力を持つ個性的なメンバーが揃うこのオーディションには119名のなかで唯一1人だけ日本人が参加します。彼の名前は橋本裕太。2019年の6月から夢を叶えるために中国でシンガーとして活動をしていた彼は、2020年にリリースした『World Without You』が全世界で330万ストリーミングを突破。最終投票で9人までのなかに残ることができるのか、こちらも見逃せません。

さらに先日、CJ ENMによる日中韓グローバルガールズオーディション『Girls Planet999』の始動が発表されました。CJ ENMは『PRODUCE101』や『I-LAND』シリーズを手掛けてきた韓国のエンタテインメント企業。国境を超えた女性たちが仮想世界“Planet”で様々な挑戦を繰り広げ、アイドルグループデビューを目指します。なお、年内に日韓同時日本語字幕付きでAbemaTVで無料配信が開始されるとのことで、こちらも見逃せません。

日本のみならず、世界で始まったサバイバルオーディション番組のムーブメント。今後、一体どんなアイドルグループが誕生するのか、『Girls Planet999』の選出方法はまだ明らかにされていませんが、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』と中国のサバイバルオーディション番組は、視聴者投票がメンバーの決定を左右します。

ということはあらたなグループの誕生は投票する我々の手にかかっているのです。

いまや世界で活躍するアイドルグループの一員として日本人メンバーも参加する時代。その可能性を持った彼らの夢を一緒に追うことが出来るのが、グローバルなサバイバルオーディションなのです。


さて、あなたは誰の夢を叶える手伝いをしますか?


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