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課長が放った衝撃の一言~社内接待の現場より~

こんにちは、(元)会社員つつおです。

会社員の多くが経験あるのではないだろうか。

社内接待


今回はそんな社内接待での出来事について。






それはまだ入社して1年も経っていない頃、


その日は本社から役員が来る日だった。


「は~い、お疲れ~っす」

エネルギーも無くなりかけている午後16時頃、聞き慣れた声が支店内に響く。

社員A
「お疲れ様です!コーヒー用意しまっす!」



社員B
「この手土産のお菓子、最高です(ニッコリ)」


つつお
「ジャケット預かりまっ、あっハンガー」


本来顧客に向けるべき心遣いを一気に使い果たす。


そう、すべては今夜のタダ飯の為に。



こういう日は退勤も非常にスムーズだ。


18時30分には全員撤収と、1日限定のホワイト企業になる。

警備員の「お前ら今日は早くね?」という視線をよそに予約済のお店へ急ぐ。







今夜の舞台は小籠包が評判の中華料理店


店内に入ると、男性・女性と二つに別れ、
座席数の都合もあり女性陣は随分離れた別テーブルへ。


女性陣は役員に気を遣うこともなく、
ちょっと豪華な夕食がタダで食べられるという事で祭り状態だ。キャッキャ×2、と楽しそうだ。



一方こちらはお通夜モードの男性陣
参列者は役員・支店長・課長・私の4名。


元ラガーマンの役員にとって、
4人席テーブルは窮屈そうに見える。


接待のファーストステップであるドリンクの注文が済み、いよいよ食事が始まった。

「ここの小籠包が旨いんだ!」


「小籠包の食べ方っていうのはなぁ~」

という一人語りに


【リアクションは大きい方が良い】という諸先輩方のアドバイスを参考に上下に大きく首を動かす。


「そんなの初めて知りましたぁぁ!」
適度な新人感も忘れずに出す。


三種冷菜の盛り合わせなるものをペロッと平らげ、運ばれてきたのは熱弁されていた小籠包だ。

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まさかこの小籠包が事件の引き金になるとは、この時点では誰も知らなかった。


テーブルに運ばれてきた小籠包。

定員さんの説明によると、小籠包は4種類。

定番・エビ・ホタテ・カニみそ

それぞれ1人1種類ずつ、
計16個の小籠包がセイロのなかに並んでいる。


役員も待望の小籠包だ。

「ここのが旨いんだよ~さぁさぁ」と進めてくる。


支店長・課長・私の3人は、まず定番の小籠包を口へ放り込む。


「いやぁ~すごく美味しいですね!」


と言えば正解なんだろう。口に運ぶ前から分かりきっている正解セリフを吐き出す。

「そうだろぅ~次の味もいってみろ」


ご満悦だ。


そういうわけで、私と支店長は次のエビ小籠包を、課長は再び定番味の小籠包を口へ放り込む。


支店長「ん?課長、おまっ・・・」

私  「1人1種類ずつじゃ・・・」


それぞれ心の中で思うところあったが、
見て見ぬ振りで意気投合。


1種類くらい、見た目もそんなに違わない。
何とかなるだろう。


それに課長はモグモグ食べて「美味しい」と言っている。


皆で食べるご飯は美味しい、それは何よりだ。

よし!ここは次の飲み物でも聞いて、役員の気を逸らそう。


課長、ここは新人の私が何とかします!



















何とかならなかった。

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「お前、いま同じやつ食べたろ」


役員はソッコー気づいた。


「見て見ぬふりをした」と同罪になる可能性がある為、支店長と私は自己保身へ方針転換。


「えっ、まじで?」という表情を急いでこしらえ二人で課長に向ける。


課長、すみません。。


さぁ課長、なんと言い訳するのが正解か。



A案「すみません、食べちゃいました。てへぺろ」

と、おバカ感をだすか


B案「えっ、ウソだ。まさか同じのを・・」

と、同情を誘い乗り切るか。


頭の中でグルングルン考えた。


緊張間の漂う中、
モグモグが落ち着いたところで課長が一言。








「はい、食べましたけど?」











えぇぇぇぇぇぇぇ、まさかのツッパリ。。。



いや、確かに「同じのやつ食べたろ?」という問いに対して「食べた」と事実を答えている、正解か。



判定はいかに。










その後は皆様の想像にお任せするが、駅へ見送るまで「俺の小籠包をあいつが食べた」と言いながら役員は帰っていった。


タダ飯も良いことばかりではない。

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