見出し画像

じゃじゃ馬な感情と付き合うためのEQ

0.はじめに

感情は、人間を突き動かす原動力です。
僕らが行動する理由になりますが、時には自分を振り回してしまいます。
では、僕らは感情という「じゃじゃ馬」とどうやって付き合えばいいのでしょうか?

ズバリ、EQを鍛えるのがよさそうです。
EQは、心の知能指数と呼ばれる、感情をうまく管理し利用するテクニックです。

EQという概念を知ったのは最近ですが、ほぼコミュ力の言い換えだと感じました。自分と相手の感情を大切にする人間関係づくりに役立ちそうです。
備忘録のため、EQを学ぶ上で期待することを記録しておこうと思います。


1.コミュ力の高さは?

感情はじゃじゃ馬

質問です。
あなたは最近、感情にどのように振り回されましたか?

僕は最近、次のような失敗をしました。

  • あしたは仕事か~と思った日曜の夜、夜更かしをしてしまった。

  • 相手のためを思って言葉を紡いだが、相手が不満げな顔をしていた。

  • あまりの突拍子もない発言に「は?なんだコイツ」と感じたときに、うっかり嫌そうな表情を出してしまった。

「感情により動きが鈍った」
「感情に従って行動したが、使い方を間違えた」
「感情がつい漏れて衝突を生んだ」
どれも感情に振り回された結果です。
感情のままに動き続けるだけでは、自分を苦しめます。
寝たい時に寝て食いたい時に食いたいだけ食う生活は、なぜか身体の調子を崩してしまうのです。(それを味わったことがないのなら、味わってみるのもわるくないでしょう。僕はバカなので経験しないと気付けませんでしたが。)

EQを学ぶことで、感情に振り回される失敗をある程度回避することができそうです。
一方で、感情に従った行動はその人らしさを感じるので、必ずしも悪い事ではないでしょう。

感情というじゃじゃ馬の力を認めながらも、感情をうまく活かす方法はないのでしょうか?
あります。それがEQです。

EQとは

EQとは、心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient)の略語であり、IQと対比する概念です。科学論文では、1990年に提唱されました。

EQとは、
①自らの感情の状態を知覚する能力、
②思考の助けとなるよう感情を把握し、自ら感情を生み出す能力、
③他社の感情の状態や、感情に関する知識を理解する能力、
④感情面や知的側面での成長を促すために、感情を調整する能力である。
--- Dr. Peter Salovey & Dr. John Mayer ["Emotional Intelligence",1990]

『こころの鍛え方』(髙山直)から引用

EQは生まれつきの才能ではなく、後から身につけられる技術だそうです。
EQが素で高い才能あふれる人もいらと思います。けど、僕のようにEQが素で低い人にも高められるという主張は結構救いがあります。

2.EQを学ぶ意義は?

EQの構成要素

髙山直さんの書籍での整理の仕方が、わかりやすかったので紹介します。

①感情の識別…自分の感情や周囲の人の感情を知覚し、識別する力。
②感情の利用…課題解決に適切な感情を生み出す力。状況判断のため相手に共感する力。
③感情の理解…その感情がなぜ起きたかを理解する力。その感情がどう変化するかを推測する力。
④感情の調整…自分の感情を調整する力。他者に効果的に働きかけるため。

『こころの鍛え方』(髙山直)から一部抜粋し修正

具体例を挙げます。髙山さんの書籍では、社員Kさんが課長から叱責された状況でEQがどのように発揮されるかを説明しています。

  • ①感情の識別

    • 課長は自分の失敗に怒ってる

    • その叱責に自分もムッとしている

  • ②感情の利用

    • でも、課長が叱責するのは自分を想ってのことでは。

    • 見放されてない分、感謝すべきでは…。

    • 自分が課長の立場なら、同じように叱責したくなるはず

  • ③感情の理解

    • てことは課長が怒ったのは、自分が犯したつまらないミスに失望してるんだ

    • ここで自分がムッとしたり開き直ったりしたら、課長はさらに怒らざるを得ないだろう

  • ④感情の調整

    • 課長は自分に期待している

    • 期待に答えられなかったことを素直に謝ろう。

その結果、Kさんは感情をコントロールし、素直に謝罪しました。課長もKさんの態度に理解を示し、「頼むよ。君を信用してるよ」と応え、両者の関係はより密接になりました。

4つの構成要素はどれが欠けても、EQが円滑に発揮できなくなります。
もしもKさんにEQが不足していたら…?
想像してみてください。
ミスをするたびに少しずつ課長の信用を失っていきます。
それも、Kさんの気付かないうちに…。
この信用関係の悪化を相性の悪さと捉えるか、己の未熟さと捉えるかはKさん次第です。

ちなみに個人的には、相手の叱責の仕方が気に入らない場合もあります。例えば、大声で叱るとか、見下したような目線をするとか、演技っぽいとか。その時は、この人も自分と同じく未熟な所があるよな思うことにしています。本当は謝罪後に、「でもあの叱り方は気に入らねーっす」と言いたいけど笑。

EQを学ぶベネフィットは?

狙う成果の領域は人生全般。

  • 自分のモチベート

    • 気分が乗らない日の出勤

    • ケンカした仲間との再会

    • エゴを出した失敗からの立ち直り

  • 仕事上の対人関係

    • 誰と

      • 配下メンバー

      • クライアント

      • 上司

      • 同僚

    • 状況

      • ストレスが溜まった時に、嫌な奴になるのを防ぐ。

      • 忙しくても、心の余裕を持てるようになる。

  • プライベートの大切なやつらとの関係

    • 相談に乗る

    • 頼る

    • 謝る

    • 互いに心地よく過ごす

キリがないので、この辺にしておこう。

EQをどうやって高めていくか?

①「EQが高い」行動を理解する
②「EQが高い」行動を意識的に実践する
③「EQが高い」行動を無意識で実践できるようにする

オリジナル

スキルを身につけるなら、理解と実践の繰り返しです。
まずは理解を深めるため、EQが高い人の観察から始めようと思います。

EQの高い考え方をしている、僕の大好きな曲のフレーズを載せておきます。

君の瞳に恋なんてしてはないけどわかる
大事なもの失った時
壊れちゃってしまってしまった気持ちは

『君の瞳に恋してない』(UNISON SQUARE GARDEN),2018

参考文献】書籍ごとのEQの構成要素のちがい

EQの構成要素の解釈は、団体によってさまざま。あなたにとってしっくりくる理解の助けになれば幸いです。

書籍別に、EQの構成要素を整理
  • 参考文献

    • 『EQこころの鍛え方』、髙山直、2004[link]

    • 『EQこころの知能指数』、ダニエル・ゴールマン、1996(原著出版年は1995)[link]

    • 『できるリーダーは部下の「感情」を動かす』、田辺康広、2013[link]

3.まとめ

  • EQは、感情をうまく活かすための、後天的に身につけられるスキル。

    • 構成要素は4つ。感情の識別、利用、理解、調整。

  • 効果の範囲は人生全般に及ぶ。

    • 自分の気持ちを抑圧せず周囲の人を大切にすることで、対人関係を改善できる。

  • まずは、EQの高い人を観察することから始めましょう。

僕が目指すのは、自分も相手も大切にする人間関係です。
人との関わり方に対して、興味の源泉はまだ尽きないみたい。
その道は面倒だろうし、足りないスキルを全て埋めるのはやめたいのにね。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集