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視聴率1桁の学園ドラマを振り返る

 日曜劇場で放送されているドラマ『ドラゴン桜2』が話題になっている。コロナ禍で放送延期、生徒役のメインキャストがやや弱かったりと勝手に先行きを心配していたが、今のところ視聴率12~14%と安定した数字を獲得している。そんな学園ドラマの楽しみなところはネクストブレイク俳優が揃っていること。今回のドラマではレプロ所属の南沙良を一押ししているらしく(?)今後はポスト新垣結衣として注目されそうな気がする。

 今回は平均視聴率が1桁でありながらも、人気俳優・女優を送り出した学園ドラマを簡単に振り返っていく。

 内山理名主演の『生徒諸君!』(2007年/平均7.6%)にはメインキャスト役として堀北真希・本郷奏多・岡田将生、他にも南沢奈央岡本玲溝端淳平染谷将太仲野大賀といった面々が出演。中学2年のクラスが舞台になっていたが、イケパラ出演を控えていた金髪の岡田は全く中学生に見えないし、『野ブタ。をプロデュース』(2005年)で高校生役だった堀北が中学2年生の役を演じているのが当時違和感でしかなかった。

 愛の劇場枠で放送された『ラブレター』(2008年/平均視聴率不明)は聴覚障害を持つ主人公がさまざまな出会いを通じて、大人へと成長していく内容。物語の中心となった山下リオ、友人役として剛力彩芽宮澤佐江(AKB48)が出演。筆者もリアルタイムで何話か見たことがあったが、準主役の俳優が「俺がお前の耳になる!」とよく言っていたのが印象的だった。ヒロインを演じた山下は世間的な認知度こそ高くないが、2014年にTBS系『A-Studio』のMCに抜擢されている。

 深田恭子主演の『学校じゃ教えられない!』(2008年/平均6.4%)は女子校に男子生徒が5人が入学し、半ば強制的に社交ダンス部に入部させられる内容だった。仲里依紗中村蒼森崎ウィン前田公輝がメインキャストとして出演。初回から男子生徒たちが全裸で校舎内を駆け回ったり、男同士のキスシーンがあったりと身体を張るシーンが多かった。放送当時は『天てれ』に出演していた前田公輝しか知らなかったが、現在も活躍する人気俳優を輩出するとは思ってもいなかった。

 速水もこみち主演の『ハンマーセッション!』(2010年/平均7%)は逃走していた詐欺師があれよあれよと教師になる謎の設定だった。生徒役には菅田将暉野村周平竜星涼の姿があり、筆者とほぼ同世代の俳優が出ているのが印象的だったが、肝心の内容は全く覚えていない。

 意外に数字が採れていなかったのが山本裕典主演の『タンブリング』(2010年/平均7.4%)。ヤンキーが新体操部に入部する物語で、瀬戸康史三浦翔平西島隆弘(AAA)・賀来賢人が出演。当時の賀来は『太陽と海の教室』『サムライ・ハイスクール』などの学園ドラマに出演していたが、今ほど認知度は高くなかった。これだけのメンバーを揃えていながら、なぜ低視聴率だったのかは定かではないが、おそらく放送が土曜8時とあまり時間帯がよくなかったのが原因かもしれない。

 長谷川博己主演の『鈴木先生』(2011年/平均2%)も視聴率こそ低かったが、日本民間放送連盟賞のテレビドラマ番組部門において最優秀賞受賞を受賞し、後に映画化されるまでに至った。生徒役には北村匠海(DISH//)・土屋太鳳松岡茉優といった主役級が勢揃いしている。

 EXILE AKIRA主演の『GTO』(2014年/平均7.2%)は松岡茉優菊池風磨(Sexy Zone)・三吉彩花竜星涼小芝風花佐野玲於(GENERATIONS)・片寄涼太(GENERATIONS)・伊藤沙莉松井愛莉と豪華すぎるキャストで、2012年の第1シリーズは平均13.2%を獲得していながらも前作を下回る結果となった。

 錦戸亮主演の『ごめんね青春』(2014年/平均:7.7%)は重岡大毅(ジャニーズWEST)・川栄李奈(AKB48)・黒島結菜竜星涼森川葵が出演。残念ながら日曜劇場枠としては歴代ワーストとなったが、川栄はこの作品がきっかけで女優としての才能を開花し、グループを卒業することになった。

 芳根京子主演の『表参道高校合唱部!』(2015年/平均:5.9%)は廃部寸前の合唱部の立て直す話で芳根京子志尊淳高杉真宙泉澤祐希赤楚衛二が出演。初の連ドラ出演となった赤楚は2020年に『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』で主演を務め、人気急上昇中の若手俳優にまで成長した。

 有村架純主演の『中学聖日記』(2018年/平均6.9%)はオーディションによって選出された準主役の岡田健史が話題となった。演技自体は拙い部分も見受けられたが、地元でスカウトを受けて有村架純の相手役に大抜擢されるというシンデレラストーリーが良かった。現在は所属事務所のスウィートパワーからの独立を求めて裁判沙汰にまで発展しているようだが、どうか負けないでほしいと思う。

 この数年は学園ドラマに限らず、テレビの視聴方法が変化している。かつてはリアルタイムまたは録画して見ていたのが、今はTVerなど見逃し配信でチェックすることができる。ビルボードチャートのようにテレビの視聴率の形態も変わってくるかもしれない。

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