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人はいくつになっても成長できるとは思いますが、、

昨日の台湾総統選は、李登輝さん、蔡英文さんの系譜を継ぐ民主進歩党(民進党)の副総統、頼清徳氏が勝利されました。勝利演説の中で述べられている「台湾は民主主義国家の共同体にとっての勝利を収めた」とはまさしくその通りと実感しています、まずは一安心。ただ薄氷の勝利でもあったようで、議会(立法院)は過半数が取れなかったとのこと、、ある意味民主主義政体ならではの現象ですが、引き続き気は抜けない状況も続きそうです。

そんな中ふと思い出したのが、仙川環さんの『終の棲家』との一冊。これは、現実世界でのアレな方々の振る舞いに「成長できずに来てしまったいびつな大人たち」を感じてしまったからかもしれません。

曰く、お気持ちだけで一方的にがなり立てるだけの「取材しない東京新聞の記者さん」、曰く裁判所から「取材しないジャーナリスト」とのお墨付きをいただいているビジネス系保守(自称)の方など、、まぁ、彼らが愉快な仲間たちと閉鎖空間で擦りあってるだけならどうでもよいのですが、現実世界に様々な害悪を巻き散らかす存在に成り果ててるとなると、放置もしておけなくなってしまいます。

さて、『終の棲家』の主人公は麻倉智子さん、MBA取得者との鳴り物入りでとある新聞社に入社したのですが、、アラサーとなってもイマイチ目が出ず、(本人的には)飼い殺し状態な所から物語が始まります。もちろんそれには理由があり、周囲からは、頭でっかちすぎる、現場を見ないで想像(妄想)で動く、小手先だけの裏付けのない理論を振りかざしている、等々、自己評価とはだいぶ乖離した評価が故です、、ここで自身の課題と向き合えるかどうかは、社会人として成長していけるかどうかの分岐点ですよね(他人事ではありません)。

物語は、そんなアイタタな彼女が、老人医療現場の現実を向き合いながら「一人前の記者」として成長していく内容で、昨今流行りのお仕事物語として読んでも面白かったです、綺麗に着地しますし。確か桐谷美玲さんでドラマ化もされたのかな、なんとなく見た覚えもあります、そういや桐谷さんもお綺麗だったなぁ、、閑話休題。

また、著者の仙川さんご自身が、医学部を卒業してからに新聞社にとのキャリアで、実体験かな?と思うようなリアリティを感じることも多くありました。題材となった老人医療や老老介護、終末医療などについては、今の職場や、私と家内の両親も既に後期高齢者となっていることからも、意外と身近なネタで、興味深く読ませたいただいたことを覚えています。

人は何歳になっても成長できる一方、加齢を重ねても成長が無い人は、、でしょうか。「現場」を知らない理論は説得力がなく、一方で、「理論」の無い現場にも解決力は生まれてこない、なんてことも感じましたが、、「取材しない新聞記者やジャーナリスト」な方々は、ここから巻き返す余地はあるのでしょうか、、

台湾の外交部門から「公平性を欠く」とか、日本政府から「悪質な虚偽情報は決して許されません。政府として今後も情報発信に努めますが、国民の皆さんには虚偽情報に惑わされないようお願いいたします。」なんて風に指摘されている一群に、こういった「取材しない新聞記者やジャーナリストの皆さま方」も含まれていることに自覚があるのかどうか、、まぁ、自覚できるくらいならハナからこんなやらかしはしないでしょうけどねぇ、、他山の石としよう。

ここ最近「認知戦」なんて言葉もよく目にするようになりましたが、「取材しない新聞記者やジャーナリスト」とそれらの言説を「批判することなく信じ込んでしまう声が大きいだけの暴力的なカルト集団」は、思想の左右を問わずになんだかなぁ、関わりたくないなぁ、とも思いますが、無策に放置もしておけません、「右翼全体主義者」と「左翼全体主義者」を結びつけるような愚行を、二度と繰り返してはいけないでしょうから。

ある意味、防諜意識(カウンターインテリジェンス)を高めていかないとなぁ、と、そういった意味では、ここ最近の日本政府の動きは(台湾政府との連携も含めて)、数年前では考えられない位に迅速に動いていると感じています、良い意味で。セキュリティクリアランスの効果の一つなのでしょうけど、高市先生、やはり頼りになります。

一方で、いろいろとやらかしてる当人達にはその自覚がないのがどうにも救いようがありませんが、、まぁ、自覚があるならスパイですしね、外患誘致クラスの。なんにせよ、個人としてのリテラシーを高めていかないとなぁ、また可能な限りに根拠を持って流言飛語(デマ)にはカウンターしていけるようにもしておかないとなぁ、、との自戒も込めながら。

そういや、仙川さんは医療系の小説を多く発表されている方で、『終の棲家』を初めて読んだ時期には『チーム・バチスタの栄光』の海堂尊さんとあわせてよく読んでいたような覚えがあります。お二人ともにここ最近はあまり手に取ってないなぁ、最新作を久々に探してみようかな、『感染』や『救命』は今でも印象に残ってます。

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