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【読書メモ】『楽隊のうさぎ』(著:中沢けい)

少し前に友人から教えてもらったこちらの動画、舞台は私の母校になります。それなりに新しくなってはいるものの、校舎や体育館、ピロティ、近隣の公園等々、懐かしい映像がテンコ盛りでした。「群青」がBGMってのも個人的にはポイント高いです。

ちなみに教えてくれた友人は部活仲間で、今でも年に何度かは飲みに行くくらいの(腐れ)縁が続いているのですが、何でもお子さんが我らが母校を受験するかもとの事で、まぁ、年も取るわけです。

なんて考えながら思い出したのが『楽隊のうさぎ』との一冊。こちらの舞台は中学校となりますが、青春であることには変わらずに。

主人公は、コミュニケーションに臆病で「左官屋」に感情の揺らぎを塗りつぶしてもらっている、一人の少年。そんな少年が「ブラスバンド」という自己表現、そして自己解放の手段を得て、成長していく過程が描かれていきます。

ちょっと臆病な「うさぎ」を胸中に飼いながら、徐々に自分の立ち位置を見出していく、小中学校の頃を思い出しながら、なんとも懐かしい心象風景に囲まれるような、読後感でした。

子供が少年に、そして青年の入り口に立つまでの物語、とでも言えましょうか。

ちなみに私にとっての「吹奏楽部」というと、それこそ高校で学校中に散らばってパート練習をしていた印象が強いです。ちょっと面白い造りの校舎ではあったのですが、各階の廊下にあった円卓や下駄箱前のピロティとかで賑やかに。

水泳部だった自分は夏場なんかは、そういった音に囲まれながらプールで泳いでいました。そんな、その頃の情景が鮮やかに甦ってくるような、なんて、久々に「SWING GIRLS」なんかもみたくなりますねぇ、とかも思いながら。


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